Semua Bab 【完結】幼馴染の贈り物: Bab 71 - Bab 74

74 Bab

最終章 悠人の望む未来 1/4

 「私の部屋で少年と二人きり。中々新鮮だね」「ははっ」 小さなテーブルを挟み、悠人〈ゆうと〉が深雪〈みゆき〉の言葉に笑った。  * * *「小鳥〈ことり〉くんはコンビニかい?」「はい、沙耶〈さや〉とバイト中です。あと二時間ほどであがりなんですが」「そうか。で、わざわざその時間を狙ってここに来たんだ。世間話をしに来た訳じゃないね」「はい……小鳥と一昨日、色々話しました。小百合〈さゆり〉のことも」「小百合さんのこと、聞いたんだね」「深雪さんは知ってたんですね」「ああ。以前君が熱を出した時に、小鳥くんからね」「あの時に……」「あの時、小鳥くんの様子は尋常ではなかった。彼女が抱えているものが何であれ、一度吐き出させる必要がある、そう思ってね。 彼女のお母さん、小百合さんは元気な方で、子供の頃から病気知らずだったそうだね。その彼女が、ある日突然倒れた。ただの過労だと思っていたら、その半年後にあっさりいなくなってしまった」「……」「人は誰も、人生がいつまでも続くと勝手に思い込んでいる。死は必ず訪れるものなのに、なぜか人は、自分だけはそのルールから外れているような錯覚を持って生きている。そして死を身近に感じる経験をした時、初めて自分も死ぬんだということに気付くんだ」「確かに……俺も、いつかはこの世から消えてなくなるって、頭では分かっていますが」「まぁ、だから人は生きていけるんだけどね。いつ来るか分からない死に日々怯えていては、人生を楽しめないからね。 小鳥くん、こんなことを言ってたよ。『お母さんが余命半年だって分かった時、色んなことを考えました。そして思ったんです。お母さんの余命は、お母さんの病状から、これまで積み重ねられてきたデータから出したひとつの目安なんだ。この進行具合に治療を施したとして、生きられる平均的な時間を出したんだって。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-08
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最終章 悠人の望む未来 2/4

 「よし、出来た」 何年ぶりかで作った、自分が作れる唯一の料理、焼飯。 テーブルに並べ、隣にサラダを置く。 自分でも驚いていた。この世である意味、一番価値がないと思っている料理に時間を割いている。ただ悠人〈ゆうと〉の脳裏に、かつての小鳥〈ことり〉の言葉が思い出され、無性に作りたくなったのだ。「悠兄〈ゆうにい〉ちゃん。ご飯を食べるってことはね、もっと生きていたいっていう気持ちと同じなんだよ。もっと食べることを楽しく思わないと、それは生きてることがつまらないって言ってるのと同じなんだよ」  * * *「ただいまーっ!」 小鳥の元気な声。悠人がドアを開ける。「悠兄ちゃんただいま。今日も楽しかったよ」 そう言って、小鳥が悠人に抱きついてきた。「おかえり、小鳥」 微笑み頭を撫でる。「え……何これ? まさかこれ、悠兄ちゃんが作ったの?」 小鳥が、テーブルに並べてある料理に目を丸くした。「そんなに驚かなくてもいいだろ。俺だって、料理のひとつぐらい出来るさ」「こ、これは……お母さんが言ってた、伝説の悠人焼飯……」「なんだ小鳥、知ってるのか」「うん、お母さんが言ってた。悠兄ちゃんが唯一作れる料理。しかもその出来は本物だって」「大袈裟だな、小百合〈さゆり〉は」「すっごく嬉しい! 小鳥、一度食べて見たかったから。でも、なんでこんなにお皿が」 その時インターホンがなった。小鳥がドアを開けると、そこには沙耶〈さや〉、弥生〈やよい〉、そして菜々美〈ななみ〉が立っていた。「みんなどうしたの?」「うむ。夕食に招かれてな」「私も同じくです」「わ、私も……悠人さんすいません、今ちょっとバタバタしてるので、遅れてしまいました」「いいよ菜々美ちゃん、ちょ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-09
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最終章 悠人の望む未来 3/4

 「ふう……」 コーヒーをひと口飲み、悠人〈ゆうと〉が大きなため息をついた。「なんで悠人さんがため息なんですか。私たちの方がドキドキしてますのに」「全くだ。これではエロゲー主人公と変わらないではないか」「いえいえ、エロゲーでこの展開はないかと。選ぶ側より選ばれる側の方が、肝が座ってるんですから」「本当だね」「で、どうだ遊兎〈ゆうと〉、落ち着いたのか」「あ、ああ……」 4人の態度に、悠人は悩んで言葉を探している自分がまぬけに思えてきた。「ったく……みんな俺で遊びすぎだぞ」「だって悠兄〈ゆうにい〉ちゃん、可愛いんだもん」「家に飾っておきたいです」「遊兎が私の玩具……なかなかに興味深い」「じゃあ結論を言います」「待ってました、悠人さん」「悠兄ちゃん、頑張ってー」「悠人さん、私は信じてます」「さあ、私の胸に飛び込んでくるのだ」「ったく……弥生〈やよい〉ちゃん。俺は弥生ちゃんのこと、大好きだ。趣味の話も一番合うし、料理の腕も最高だ。そしていつも、可愛い笑顔で俺を癒してくれる。そしていっぱい俺のこと、好きでいてくれてる」「悠人さん……」「沙耶〈さや〉。俺はお前のこと……好きだよ。お前のその気高さ、強さ。時折見せる弱さも好きだ。人形のような顔立ち、そしてその綺麗な髪も大好きだ。甘えてくる時の顔も好きだ」「遊兎……」「菜々美〈ななみ〉ちゃん、大好きだ。ずっと俺を想ってくれてる一途なところ、二人分の人生を生きようとしてる強い気持ちも好きだ。いつも周りのことを気遣ってくれる、そんな優しいところも大好きだ」「悠人さん……」「小鳥〈こ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-10
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最終章 悠人の望む未来 4/4

 「疲れた……今日が一番疲れた……」 風呂上がり。コーラを飲みながら悠人〈ゆうと〉がうなだれた。 明日でゴールデンウイークも終わり。こんなに濃い休みは初めてだった。「明日こそはゆっくりするぞ。そうだ、アニメもたまってるしな」「悠兄〈ゆうにい〉ちゃーん!」 風呂上がりの小鳥〈ことり〉が、背中に抱きついてきた。「おつかれさま。明日はゆっくり出来そう?」「ああ、ちょうど今、そう思ってたところだ。明日は一日、ゴロゴロしながらアニメ三昧しようかと」「小鳥も付き合うね」 その時、悠人のスマホにメッセージが入った。「誰から?」「ああ、深雪〈みゆき〉さんからだ。明日深雪さんの家で、みんなで夕食一緒にどうかって」「あはははっ。深雪さんも私たちの関係、楽しんでるよね」「だな。じゃあ晩御飯ご馳走になろうか。それまではゆっくりと」「アニメ鑑賞!」「だな」「うん!」  悠人が返信を送り終えるのを待って、小鳥が少し神妙な面持ちで言った。「小鳥、ここにいてもいいのかな」「いきなりどうした」「だってお母さんとの約束は三ヶ月で、今の時点で悠兄ちゃんは小鳥を選んでない訳だし……弥生〈やよい〉さんやサーヤは勿論、一人離れて住んでる菜々美〈ななみ〉さんにも悪いと思って」 悠人が小鳥の頭を優しく撫でる。「……悠兄ちゃん?」「ここにいてていいんだよ。お前はもう俺の家族なんだ。小百合〈さゆり〉とも約束したしな。それに」「それに?」「お前のこと、一人の女の子として意識してるって言ったろ? 小鳥は三ヶ月かけて、娘として愛していた俺の気持ちを変えたんだ。大成功じゃないか。小百合もきっと、認めてくれるよ」「悠兄ちゃん……
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-11
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