受験勉強。それは若人たちが忌み嫌うもの。そして、決して逃れることのできないもの。 そんな若者たちの敵とも言うべき受験勉強という名の災厄がついに僕の身へと降りかかろうとしていた。え?なんで!?「嫌だ!まだ早いじゃないですか!なんでもう勉強なんかしなきゃいけないんですか!シュテルクスト魔法学校初等部の入学は10歳からのはずじゃないですか!ボク マダヨンサイ アマエタイサカリ オウチ イル。」「これもお前のためなんだ。だからそんなこと言われても困る。いいか?ミシェルよ。今のお前は適正年齢の他家子息令嬢たちと同等、いやそれ以上の精神と知識を持っている。そんなお前が6年後、今のお前と同程度の者たちに囲まれる様を想像してみろ。地獄だぞ?あと何故カタコトなんだ?」 かの有名なコ〇ンくんも小学生に囲まれて苦労していたな。10歳といえば小学校の4,5年生。まだまだ意味のわからないことをしでかすだろう。それに面倒なことは早く終わらせておくに限るしね。学校には寮があると聞くし今以上に自分の時間を作れるだろう。うん、なかなか悪くないかもしれない。常にいろんなものが開発され続け、政治的な争いとは無縁で個人の能力のみが重視される学術都市。 そんな面白そうな場所なら引きこもるのにも悪くない。学生の身分というの便利そうだし、よっぽどのことがない限り貴族的な用事で呼び出されることもないだろう。卒業後もそのまま学術都市にいるのも悪くないかもしれないな。御分霊は各地に振り分けるにしても僕は便利な道具に囲まれてのスローライフかぁ〜。、「はぁ、わかりましたよ。学術都市も気になりますし勉強はしておきます。あ、試験の範囲か傾向がわかるものがあれば助かるんですけど何かあったりします?」「それは俺の方で用意して後日アーシャに渡しておこう。ではな、我が家の名に恥じぬよう励むように。」「はい。父様もお仕事頑張ってください。」「うむ。」 スローライフものといえば戦闘描写や人間関係のゴタゴタの描写ばかりでいつまで経ってもスローライフできないなんてことが多い。が、僕は大丈夫なはずだ。僕が現場に出ることはないし、身代わりとなる御分霊もある程度用意できる。大丈夫。大丈夫なはずだ。 スローライフするスローライフするって言ってもちっともスローライフなんてしてないじゃないか。なんてふと我に返って思わなくて済む
Last Updated : 2025-07-09 Read more