重たい……。なんとなく寝苦しさを感じて、私は目を開けた。ブラインドの隙間から差し込む光が、眩しく目に刺さる。結構眠ったかも。思ったより、お酒飲みすぎたかな……。「そうだな」思わずつぶやいた心の声が、どうやら口に出ていたらしい。ビクリと肩を揺らして振り返ると、そこにはあくびをしながら、気だるげな表情を浮かべる尋人がいた。そして、よみがえる昨夜の記憶――。私は真っ赤になったあと、一瞬で背筋が冷たくなる。「あれ? あの、昨日って私……」寝室に運ばれ、服を脱がされた記憶までははっきりとある。そして、“初めてか”と尋ねられたことも。だけど――そのあとの記憶が、かなりあいまいだ。尋人は、経験のない私に気を使ってくれたのか、とても優しく、甘く、時間をかけてくれていた。そして――目の前が真っ白になった、その瞬間。そこで、記憶がプツリと途切れていた。「寝落ちしたな」「うそっ!!」なんて失態。ありえない。どうして……!私のバカ!いくら緊張していたとはいえ、アルコールの加減もせずに飲んだ自分を、今さらながら呪う。ガバッと起き上がって、ベッドの上に正座する。そして、自分が昨日のまま、下着姿であることに気づいた瞬間、再びブランケットの中へ潜り込んだ。横になったまま肘をついている尋人の視線が刺さる。……恥ずかしすぎて、顔を出せない。「本当にごめんなさい。怒ってるよね……?」顔まですっぽりと隠したまま、私は泣きそうになりながら、繰り返し謝罪の言葉を口にする。そのときだった。ブランケットごと、ギュッと優しく抱きしめられたのが分かった。「怒るわけないだろ」「これから時間はたっぷりあるんだから、焦る必要なんてないよ」「それに、十分堪能――」「バカっ!!」少しふざけるように、昨日のことを気にするなと気遣ってくれるその柔らかな声に、私はそっと目だけをブランケットの中から出す。すると、優しく微笑んでいる尋人の顔が目に飛び込んできた。視線をふと下に移すと、朝の光に照らされた彼の裸の上半身が目に入り、再び顔が熱くなる。百面相みたいに表情を変える私を見て、尋人がくすっと笑いながら問いかけた。「弥生、何してるんだよ?」「……だって、やっぱり恥ずかしいし……」好きな人と迎える、こんなに甘ったるい朝。こんなにも恥ずかしくて、でも、そ
Last Updated : 2025-07-25 Read more