「ただいま、聖良」「おかえりなさい。棗さん」棗さんはいつもより早めに帰宅したので、棗さんのカバンを受け取って、リビングに置いた。棗さんは手を洗うため洗面所へと向かうと、そのまま服を着替えるため、寝室へと入っていった。 その間私はクリームシチューを温め直して、お皿に盛り付けた。 ご飯とパンも用意して、食卓に並べる。 並べ終わった時、着替えた棗さんが出てきた。それを見て一言、「お、美味そう」そう言った。「今日は食べたいと言っていた、クリームシチューにしました。 ご飯とパンも用意したので、お好きなもので食べてください」「ありがとう。食べよう、聖良」「はい。いただきます」 「いただきます」出来たてのクリームシチューを食べて、棗さんは嬉しそうに笑った。そして「美味い」と言ってくれた。「よかったです」「パンとも相性がいいな。パンがまた美味い」良かった。喜んでくれたみたいだ。「はい。そうですよね」「ああ、パンもまた美味い。 あとサラダも、全部美味いよ」「……よかったです」 そう言ってもらえると、作った甲斐がある。「聖良が俺の妻で、本当によかった」「……そんな、大げさですよ」 料理ひとつでそこまで言ってもらえるとは、思わなかった。「俺にとっては、大げさなことではない。家に帰ったら妻が料理を作って待っててくれるなんて、俺にとってはありがたいことだ。……お前の料理を毎日食べれるなんて、俺は幸せだと思っている」棗さんが真剣な顔でそう言うから、私は何も言えなくってしまった。どうして、どうして棗さんは私を困らせるようなことを言うんだろうか……?私のことを好きだと言ってくれたことは嬉しかった。その気持ちが伝わってくるから、とても嬉しい。……だけど私の気持ちは、まだ棗さんと同じじゃない気がするんだ。 でもわからない。だからこそ、胸の奥が痛くて、切なくなる……。「……聖良?」「棗さん……」「ん……?」だからこそ私も、棗さんの気持ちに応えたいと。……そう思ったんだ。「聖良?どうしたんだ?」「……棗さん、あの、私……」「ん?」これだけは伝えなきゃと、直感で思った。「……私、棗さんの妻でよかったと、そう思えるようになりました。……だからあなたのことを夫として、一生愛していけるようになりたいって、そう思っていま
Last Updated : 2025-12-18 Read more