そして台所に戻ると…「「兄貴!俺らでできる限り片づけました!兄貴の大事な城は兄貴にしか直せませんが、床の汚れとかは自分らで掃除しておきました。至らない点は多くあると思いますが…」」「ありがとうございます!!どうしよう?めっちゃ嬉しい。もう勢いに任せて何でも作っちゃうってくらい」「よくやったな」「「二代目からそのようなお言葉をありがとうございます」」「今日の夕飯はクリームシチューをパスタにかけよう!炭水化物食べないと腹持ち悪いよね」「「ウッス」」 その後、台所を昇仕様にカスタマイズして見事に夕飯を作り上げた。「兄貴は短時間で超うまいっス」「俺、ここの組で良かったー」――おい、それはちょっと聞き捨てならん発言だぞ?「ほら、涼も食べろ。尻が治らねーぞ」 組員の目線が一様に涼の尻に移動する。「昇!デリカシーがないの?」「あ、悪い。家のノリだった。涼、クリームシチュー好きだよな?俺が作ったやつ」「昇が作ったのは美味しいからね」「パスタの茹で加減難しいんだけど、皆さんどうですか?」「「最高っス」」「よかった。喜んでもらえて。俺はこんなことでしか台所片づけてくれたお礼できないから」「何を言ってるんですか!兄貴は料理もそうだけど、屋敷の掃除だって完璧じゃないですか!」――組員の絆を一つにまとめたって実績もあるな。本人無自覚だけど翌朝――ん?今朝も味噌汁のいい匂いがする。よな?「うーんと俺も考えた。涼、お前はだしの素を使え。平和的解決だ」 そう言いながら、昆布・鰹節・煮干しでだしをてきぱきと取っていく。――涼に料理を教えているのか。っていうか組員が試食するのか?「包丁は研いでおいた。よく切れるから気をつけろよ。朝だし、ワカメと豆腐の味噌汁にするか」「ワカメはだいたい塩漬けされて売ってるから塩抜きをすること!ただボールに水はって漬けとくだけだ。人数多いからこんくらいかな?」「少なくない?」「増えるんだよ」「増えるワカメじゃなくて、生ワカメだよ」 ちょっと昇をバカにしたように涼は言った。「生も増えるんだ。覚えておくように素人」「で、水を取り替えながらワカメを洗って…軽くしぼる。その後まな板にのせる。切るんだけど、力制御しろよ。俺が研いだ包丁を信じろ!小さな力で切れるんだ」 昇はだんだんイライラしてきた。「あー、時間
最終更新日 : 2025-07-03 続きを読む