任侠アニキ

任侠アニキ

last updateLast Updated : 2025-07-04
By:  satomiCompleted
Language: Japanese
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極道

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関東ででかい看板の西谷組二代目、光輝(みつき)。ある日歩いていたら肩がぶつかった。それをきっかけに出会った昇(しょう)。昇は光輝よりも強かった。光輝は昇を組に連れ帰り、自分のSPとして使うこととした。しかし昇の女子力は半端なかった。そんな中で巻き起こる極道ならではの事件。光輝の想いはどうなるのか?

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Chapter 1

1.運命の出会い…と思いたい

「ゔん?今肩になんか当たった気がするんだけど、お前か」

――と、俺は昇(しょう)に詰め寄った

「あー、すいません」と、昇。

「すいませんで済むか?親父の肩がどうなってるかわかんないじゃねーか?」

「親父?親子なんですか?すいません、込み入ったことを」と、昇は詫びた。

「舐めてるのかー‼」と、組員殴りかかったが昇はひらりとかわした。

「うーん。カタギに好きにさせるのはなぁ。よし、俺が直々に」と、光輝(みつき)が殴りかかった。

「仕方ないなぁ、正当防衛だよな?」と昇はブツブツなにやら独り言を言い、光輝を地面に抑え込んだ。

「二代目‼」と、組員。

「お前、強いな。よし、俺のトコに来いよ。悪いようにはしない」

 そう言い、昇は黒塗り高級車で連れていかれた。

(俺…誘拐された??)

「「お帰りなさい。二代目‼」」と、組員たちの声が響く。

「えーと、そちらは?」

 組員の疑問も尤もだ。

「今日から俺のパートナーだ。兄貴とでも呼んでやれ。こいつは強い。この俺を組み敷い…何でもない。以上だ」

「あの、俺は拉致られた?ここは?」

 光輝はニっと笑った。

「関東でも屈指の西谷組だ。昇、お前はココで俺のSPなどしてもらう」

「俺の意思は?」

――ああ、昇が離れるのは嫌だなぁ。

「ない」と、俺はキッパリと言った。

「昇、格闘技経験は?」

「うーん。いろいろやって黒帯になったら次って感じで今の感じ」

「さすがにこの経験はないだろう?」

 俺は昇を地下射撃場に連れていった。

「さすがにない。で、的をうつのか?出店の屋台の射的みたいな感じか?」

「とりあえずやってみろよ」

――つい耳に息を吹きかけてしまった。

 昇が反応して1弾打ってしまった。悪いことに跳弾が二人をかすめた。

「おい…そういういたずらはやめろ…。マジで死ぬとこだったじゃねーか‼」

 それから、昇は射撃を練習した。上達速し。

 翌朝、光輝が目を覚ます。

――あーウザい…。組員たちはいつになったら料理上達するんだか?朝から味噌汁が濃いか薄いかだもんなぁ。出汁の感じしないし…

 光輝の嗅覚が喜んだ!このかぐわしい香りはなんだ?朝からまともな味噌汁の香りがする‼急いで着替えて皆のいる部屋に行く。

「「二代目、おはようございます‼」」組員は朝からうるさい。

「よう、光輝。朝飯作った。世話になるんだから、家事くらいするぜ。それにしてもここの台所すげーな。冷蔵庫はでかいし、中にいっぱいもの入ってるし」

「組員みんなの分もあるからな」

「それに、鍋とかでかいの‼寸胴鍋?それで味噌汁作ったんだけどどうかな?」

「「兄貴のみそ汁最高っス」」

「二代目、兄貴は俺の服のほつれも直してくれたんです。俺は気にしてなかったのに」

――オカンみたいだな

「どれ、味噌汁をひとつ」俺は雷に打たれたように味噌汁でやられた。

「よかったら、他のもどうぞ。もちろん皆さんで」

「「兄貴、バンザーイ!」」組員はテンションマックス。

「喜んでもらえて助かるよ」

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1.運命の出会い…と思いたい
「ゔん?今肩になんか当たった気がするんだけど、お前か」――と、俺は昇(しょう)に詰め寄った「あー、すいません」と、昇。「すいませんで済むか?親父の肩がどうなってるかわかんないじゃねーか?」「親父?親子なんですか?すいません、込み入ったことを」と、昇は詫びた。「舐めてるのかー‼」と、組員殴りかかったが昇はひらりとかわした。「うーん。カタギに好きにさせるのはなぁ。よし、俺が直々に」と、光輝(みつき)が殴りかかった。「仕方ないなぁ、正当防衛だよな?」と昇はブツブツなにやら独り言を言い、光輝を地面に抑え込んだ。「二代目‼」と、組員。「お前、強いな。よし、俺のトコに来いよ。悪いようにはしない」 そう言い、昇は黒塗り高級車で連れていかれた。(俺…誘拐された??)「「お帰りなさい。二代目‼」」と、組員たちの声が響く。「えーと、そちらは?」 組員の疑問も尤もだ。「今日から俺のパートナーだ。兄貴とでも呼んでやれ。こいつは強い。この俺を組み敷い…何でもない。以上だ」「あの、俺は拉致られた?ここは?」 光輝はニっと笑った。「関東でも屈指の西谷組だ。昇、お前はココで俺のSPなどしてもらう」「俺の意思は?」――ああ、昇が離れるのは嫌だなぁ。「ない」と、俺はキッパリと言った。「昇、格闘技経験は?」「うーん。いろいろやって黒帯になったら次って感じで今の感じ」「さすがにこの経験はないだろう?」 俺は昇を地下射撃場に連れていった。「さすがにない。で、的をうつのか?出店の屋台の射的みたいな感じか?」「とりあえずやってみろよ」――つい耳に息を吹きかけてしまった。 昇が反応して1弾打ってしまった。悪いことに跳弾が二人をかすめた。「おい…そういういたずらはやめろ…。マジで死ぬとこだったじゃねーか‼」 それから、昇は射撃を練習した。上達速し。 翌朝、光輝が目を覚ます。――あーウザい…。組員たちはいつになったら料理上達するんだか?朝から味噌汁が濃いか薄いかだもんなぁ。出汁の感じしないし… 光輝の嗅覚が喜んだ!このかぐわしい香りはなんだ?朝からまともな味噌汁の香りがする‼急いで着替えて皆のいる部屋に行く。「「二代目、おはようございます‼」」組員は朝からうるさい。「よう、光輝。朝飯作った。世話になるんだから、家事くらいするぜ。それにしてもここ
last updateLast Updated : 2025-07-01
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2.家事がしたい!
「さて、おまえら。昇に格闘技を教えてもらえ。強くなれ」「え?今までは二代目が…」「俺は二代目としての仕事に専念する。その間、昇が師匠だ。強いぞ、俺とタメはるくらいにな」「「兄貴、お願いします!」」また、組員の太い声が響いた。「えーと…、俺は家事するつもりだったんだけど?」と、昇。「面白い。その間昇を襲ってみろよ、修行だ。昇はかわすぞ?ドスとか使うなよ?明日の美味い朝食が食べれなくなるぞ」「うーっス」組員は合意した。「家事の間、気が抜けないのか。結構大変だな。俺から仕掛けるのは?」「今日のところは避けるに専念ってことで」「はぁ、了解しました。光輝」――俺のことを名前で…‼ 昇は忙しかった。洗濯物を干していたら、組員が仕掛けてきた。かわすと洗濯物が地面に落下…。「あ、洗濯やり直し…」昇は凹んだ。皿を洗っているときに仕掛けてきた。かわすと食器を割ってしまった…。「あ、割れたの片づけなきゃ…」また昇は凹んだ。 さすがに昇はちょっと嫌だった。「光輝!家事してる時は仕掛けないでほしい。仕事増えるんだよー。あと、瓦とかないの?なんかイライラするから、体動かそうと思って」「何枚必要だ?」「んー?9枚くらい?組手できるといいんだけど、光輝も相手になんないもん」――なんかちょっと腹立つー「なんだよ?あの時は手を抜いてたんだよ。お前カタギだったしな。本気でいいのか?空手でな」 二人は着替えて道場へ。お互い黒帯。 結構勝負は長く続き、ギャラリーに組員までついた。15分くらい本気で二人はやり合っていた。――昇、そうとう苛ついてたんだなぁ と、気を抜いたらいきなり昇の上段回し蹴りが決まって勝負がついた。「お前、途中気を抜いたな?」汗の滴る昇の体をぼーっと魅入ってしまった。――やっぱいいよなぁ。無駄がない筋肉でしまった体「あ、ああ悪い。途中で仕事の事思い出した」「二代目とやり合うなんて、兄貴すげー‼」 組員の昇への目線がまた変わった。「家事だけじゃなくて、格闘も出来るんすね!」「そういや昇、夕食後の幹部会の時俺のSPとしてついてきてくれよ」「お前、SPいるのか?強いのに」「一応な」@西谷組幹部会「二代目、その新しいSPは?」「あぁ、俺が拾った。相当強い。俺よりな」 幹部会がざわついた。「二代目より強い人間なんていたのか?
last updateLast Updated : 2025-07-01
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3. 昇の喜び
 翌朝 味噌汁がいい匂いだ…。はっ、俺は昨日魚の煮つけをリクエストしてしまった。「「おはようございます!二代目‼」」今日もテンション高い。 というのも、昇が作ったカレーに舌鼓を打っていたからだ。「兄貴はカレーもうまいっス」「マジ?自分でスパイス調合したからちょっと自信なかったんだけど…」「市販のルゥを使ってないところがニクいですねー。うまいっすよ」 ん?味噌汁?「光輝は…はい、リクエストに応えて。魚の煮つけ。主な骨は取ってある」――俺用に味噌汁だったのか…「魚…うまいな。味噌汁も」「二代目が魚をまともに食べるの見たのは寿司と刺身以外で初めてかも」「光輝、魚も食べろ。頭悪くなるぞ」――もうそんな年齢は越えてるだろう?「それより俺もカレー食べてみたい。昼飯にカレーうどんみたいのできるかな?」「カレーが余れば…だけど、この勢いで余るか?」――うまいなら、ガンガン食べたいよな。わかる…「いやぁ、寸胴鍋でカレー作るってなんか定食屋さんになった気分」「兄貴の味ならお金取れるっス」「俺常連になる」「「俺も」」「お前ら妄想で盛り上がるな!朝飯中だろ?」「このうち、使ってないのに無駄に広いっていうか…。掃除はしがいあるんですけどね!」 楽しそうに廊下を拭き掃除している。小学生の掃除当番のようだ。…楽しそうってのが違うか。「洗濯物も多くて、し甲斐がある!晴れてるとサイコー‼」昇がキラキラしている。「昇、そんなに家事が好きなのか?」俺は聞いてしまった。なにしろ組員の分もあるから。「今までは自分の分だけだったし、部屋も狭くて掃除なんてすぐ終わってたからな」――うーん、男の一人暮らしってもっと殺伐としたイメージ。俺は産まれた時から組員がいたけど 組員は言う。「兄貴は楽しそうに家事をしてるんで、格闘の稽古っていっても邪魔したくないんす」――分かるけどなぁ「家事してくれてるし、俺が教えるよ。もちろん手加減する。道場でな」「「二代目…ウッス」」――昇には思う存分家事を楽しんでもらおう。俺も助かるし 一人の組員が言う。「兄貴が姐さんだったら…」――それは俺も万々歳だ。武力は控えてほしいが、女子力はいい!…っもちろんそのままの昇でもいいけど。って俺は誰に言い訳してるんだろう?「俺にそっくりな女?」――うわぁー!どこから聞いてた
last updateLast Updated : 2025-07-01
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4. 涼も来る。
「あ…着信拒否られてる…」――昇の妹は性格が強いな…。「光輝?一回実家に戻っていいか?直接会うしかないかと思って」――俺もそう思う「やむを得ないだろう?着信拒否はなぁ…」こうして昇は実家に戻った。途端に組中が汚れた。家事をする人間がいなくなるというのはそういうことだ。「涼(りょう)ー、いるかー?」「はぁ?昇?なんの用?」「涼に会いたいって人がたくさんいるんだー。で、連れて行きたいんだけど?っていうか連れて行くよ?」「はいよー」「物わかりいいな」「だって、昇には敵わないから」「ま、そりゃそうだな」 こうして昇と涼は西谷組までやってきた。「昇…思いっきりヤクザの家じゃんか」「そうだけど?」昇は平然としている。「「お帰りなさいやし、兄貴」」「ただいまー。こいつが俺の妹なの?姉なの?です。名前は涼。よろしくね」「「よろしくです」」「おい、昇。兄貴とか呼ばれてるし。大丈夫なの?」「あぁ、ここの二代目が光輝ってんだけど、そう呼ぶようにって言ったからだねー。噂をすれば、光輝!」――キタ――――‼‼‼昇と同じ顔で女だ。女子力ないらしいけど。「俺がここ仕切ってる二代目の光輝だ。本当に昇と同じ顔だな」「双子だから」涼はクールだな…「よし、お前ら。今から涼をお嬢って呼べ、わかったな?」「「ウッス」」「声デカっ」涼は言う。「慣れろ。二代目の御言葉だ。組員から慕われてんだよ。しかし、涼…お前をお嬢…俺には言えない」「昇にお嬢とか言われても気持ち悪い」「俺も気持ち悪い」「なんか組中汚れてるから俺は掃除するー。涼、お前は女子力ないもんなー♪そこの襖(ふすま)とか絶対穴開ける」「昇はここで何やってんの?」「うーん、家事と時々光輝のSPかなぁ?」「涼、ここには射撃場があるぞ。光輝に教えてもらえば?」「ただし、銃は本物だ。使った時からカタギじゃなくなる」「昇はカタギじゃないってことか?」「まぁ、そうだろうなぁ。銃扱えるし。ここの家事全般は俺が仕切ってるみたいなもんだからな。夕飯食えよ。大人数だから、楽しい食卓だぜ?」――そんな風に思ってくれてたのか、昇!光輝カンゲキ!「兄貴!今日の夕飯なんですか?」小学生みたいだなぁ。「んー?寒くなってきたし、大勢だから一気にたくさん作れるって利点を活かしておでんってのはどうだ?」「いい
last updateLast Updated : 2025-07-01
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5. 今夜はおでん
「負けん気が強いな。涼!射撃場行くか?」「油断するな。俺は死にそうになったからな」「昇、それは跳弾の話をしてるのか?ワザとじゃない!事故だ‼」「行く‼昇にも光輝にも負けたくないからね」@地下射撃場「的に向かって打てばいいんだが…。射的と違うぞ。打つと反作用で衝撃が手に来るからな、気をつけろよ」「昇、お前はコレ得意なのか?」「まぁ、そこそこはできるけどな。一応光輝のSPやってるし」――俺よりうまいんだけど… 涼もそこそこできるようになったが、あくまで‘そこそこ’だ。「昇、手本やってみろよ」と光輝。 昇がやると的に弾痕は一つ。「ヒットが一か所じゃねーの?昇?」と涼。「違うぞ。昇は一カ所に全弾打ち込んだんだよ」と光輝。「くっそー。これも昇には敵わないのかよ!しかも昇は片手撃ちだし」「悪いなー。弾丸に限りがあるから練習を∞にはさせてやれないんだ。空手で我慢してくれ」と光輝。「だよねー。弾丸の調達って大変そうだもん。値もはりそう。空手の相手ならそこらの若いもんを連れてって構わないから」「いやー、夕飯早めに作って正解!おでんに味が染みてきてる!卵もいい感じ!」「昇?おでんの鍋買おうか?コンビニにおいてあるみたいなやつ」 昇の眼が輝いた。「このコンロで使えるやつがいいです!そういうの売ってるとこないのかなぁ?」――昇がキラキラしそうだな「鍋ごと出そうか、テーブルまで持って行けるかな?おーい、力自慢の人二人ぐらいいませんか?」 二人くらい来てくれた。「このおでんの鍋をテーブルまで運んでくれないかなぁ?」「「ウッス」」 昇は鍋敷きを持ってテーブルまで行った。「その鍋、落としたりすると皆さんの反感買うから気をつけてくださいね」――悪魔のようなことを言うな…「お皿は何枚くらい必要だろう?とりあえずあるだけ出そう!あ、その鍋敷きの上に置いてください」 昇は食器棚からおでんに合いそうな食器をあるだけ出してみた。「卵は一人一つで。あとは早い者勝ちかな?白いご飯も炊いたから必要な人は言ってくださいね」 食事は戦争。でもまずは二代目。その後は涼。あとは戦争。「楽しい食卓?」お涼が聞く。「とりあえず、にぎやかだろう?」光輝が応える。「なぁ、光輝。ここって何人いるんだ?」昇が聞いた。「卵、どれだけ必要なのかわかんなかったんだよ」
last updateLast Updated : 2025-07-01
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6. 家事は楽しい
「さて、今日の朝飯は…ん?味噌汁が香ってこない‼昇のストライキか?」――俺は朝から胸がざわついた「「おはようございます‼」」「おう」「おはよう、光輝。光輝も皆さんに朝の挨拶くらいしろよ!」「おはよー」「「おはようございます、お嬢‼」」「昇ー!今日の朝ご飯はー?」涼が聞く。「フレンチトースト!人数分焼くの大変そうだなぁ。昨日の卵、残ってたし…と思ったんだけど」「パンケーキの粉も混ぜないと足りなくない?」「涼にしては分かってる感じだが、そうだなぁ」「光輝!昨日光輝が口走った業務用のキッチン用品やら食材やらを買いに行きたいんだけど?」「幸い俺のSPの仕事は今日はないから、行ってくるといい。ああ、俺のカード使うから俺もいないとダメか」「涼は若い衆と空手の組手でもするといい。涼の方が強いと思うんだけどなぁ」――昇も涼もキラキラしてるからよしとするか「で、昇は何が欲しいんだ?うーん昨日みたいにおでんやるならおでん用のやつがあるといいなとか、今朝だとホットプレートがあればいいのにとか。どっちも業務用で。食材はここの冷蔵庫でかいから業務スーパーの方が割安なんだよ。すぐなくなるし。みんなで食べるからね」 よくヤクザ映画で見るような黒塗りの外車が横付けして待っていた。「さ、二代目、兄貴、お乗りください」「昇。俺が外出するときはお前はSPだからな。俺は賞金首だ。誰が狙ってるかわからない。この車も防弾装備だ」「了解」と昇は応えた。「運転手さんとかは信頼して大丈夫なのか?」「親父の代からだ」 無事に業務用品が買える店まで着いた。「光輝!この食器も買っていいか?あー、これも」――昇、輝き5割増しだな。はしゃぎすぎだろう…「えーと、おでんの鍋は…あった‼光輝!どっちがいい?」――正直どっちでもいいけど、やり取りが新婚さんみたいでイイ‼「左の方が俺は好きだ」――本当は昇が好きだ‼「じゃ、鍋はこれで。ホットプレートは…あった‼種類が多いなぁ」「光輝ー、どれがいいかなぁ?人数多いし、困るよね」「一度にたくさん作れそうなのがいいんじゃないか?」「そうだよな。待たせたら悪いし」「他にも寸胴鍋とか見よう。見てるだけで楽しい!」「そんなに楽しいならまた連れてくるぞ?」「マジで?すっげー嬉しい!」 昇は光輝に抱きついた。昇に他意はない。
last updateLast Updated : 2025-07-02
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7. 涼の女子力
「ただいまー」「「おかえりなさい」」「なんかみんな傷物になってない?大丈夫?」「お嬢が…強いっス」「涼!お前は、手加減ってのも鍛錬だぞ?」「手合わせでどんなもんなのか試したの!今日の昼ごはん何?」「お好み焼き。おニューのホットプレートでガンガン焼きまくり。っと準備しなきゃ」「光輝!昇はすっかり主夫だね」「俺は助かってる。家はきれいになったし、飯はうまい」「確かに昇の飯はうまいよ。しかも、強いから俺の鍛錬になる」「光輝は昇に劣るのか?」「そうだなぁ。昇の方が強いなぁ」 光輝は遠い目で言った。「ふーん、じゃ、今ここは昇が一番強くて、その後が光輝、私って続くわけだ」「その後がなかなか続かないだろ?差が大きすぎる。まぁ、銃に頼ってるってのもあるんだろうけど、体術もできないとなぁ。そこで!涼があいつら、今傷物になってるやつらを鍛えてほしいんだ」「おっけー。家でダラダラ過ごすより楽しそうだし。昇の料理はおいしいもんね」――ああ、笑顔が昇と同じでいい感じだ‼「昼ご飯準備できたぞー!ってホットプレートの準備くらいしろよ、涼!」「え?私指名?ひどくない?」「ひどくない、さぁ準備を急げ。温めたら油を塗れ!そのくらいはできるよな?」「できると思う」「子供のお手伝いレベルだぞ、さあ急げ。みんなが待っている」「「お嬢ヤケドするといけないんで、俺やりますよ」」という声がそこかしこから上がり、涼もちょっとその気になりかける。「甘やかしてはいけません!これはこいつの女子力を上げるのに必要なんです!」「昇、出来た。…と思う」 …心配だ。「とりあえず焼こう!豚のばら肉からも油出るし、大丈夫だ!各々出来るよね?」「「ウッス」」 小声で昇は涼に言う。「お前…女子力ここの皆さんより低くないか?」「お嬢の分は俺が焼きます!」「「俺が」」「私はそんなに食べれないよ~」「自分の分は自分で焼けよ~」昇が台所から言う。「まだまだ作らないと足りなくなるな。男所帯だし。キャベツの千切り祭りだな。余ったら、夕飯のみそ汁にでも使おう」 と、すっかり主夫的になっている。「涼ー、長いもすりおろして。そんくらいできるよな?」 昇は挑戦的に涼に言った。「できるだろう」「ぬめぬめするからなー。すりおろしすぎて、お前の手までおろし金にさらすなよ?」「なぁ、
last updateLast Updated : 2025-07-03
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8. 家事もSPも
「光輝ー、焼いてるぞ。さっき買ったホットプレートで。みんな喜んでくれて何よりだ」――昇が楽しそうにしてるからよしとするか「光輝は食わねーの?」「ん?いや、お前が食べる時に一緒にと思ってな」 でも無情に光輝のお腹の音が鳴った。「光輝…無理せずに食べろ。その腹の音が面白いっ…」 昇も涼も笑ってしまった。昇は腹を抱えている。――笑われた…「食えよ!」――ちょっと怒ってる?笑いながら…「俺、焼いたことない…」 仕方ない。と昇がフライパンで焼いたお好み焼きを光輝に与えた。「二代目、このお好み焼きはソースが不要なんです!」「あぁ、みんながソース取り合ったり、ソースがなくなったりしないように生地に味付けたんだ。どうかな?」「「最高っス!」」 昇の頬が緩んだ。味見も出来なかったし、行き当たりばったりでどうだか不安だったのだろう。「ソースって手作りできるんだな…」「光輝!何を言うんだ?あらゆるソースが手作りできるぞ。そもそも3星レストランとかのシェフだったらソースは手作りだろう?ま、食べてくれ」「これは…予想を上回る食べっぷりだなー。俺も作りながら食べないと無くなりそうだな」 昇の不安的中。完食。キャベツは千切り祭りだったのになくなった。「もうないけど、まだお腹減ってる人いる?」――地味に俺…二代目なのに…「うーん、夕飯何にしようかなぁ?その前に洗い物しなきゃなぁ。たくさんあるよな。ホットプレートの手入れもしなきゃいけないしな。しながら考えよ」「昇はポジティブだね」「涼がネガティブなんじゃないの?いつまでも俺に勝てないの引きずってんじゃん」 涼、凹む。「洗い物終わったら掃除しまくりだな」 昇が生き生きとしている。この屋敷をひとりで掃除するのに…。「あ、夕飯は鶏の唐揚げだったな。フライヤー買ったし♪洗い物終わったら下味付けしておかなきゃだな」――昇、機嫌いいなぁ。家事がたまってるのそんなにいいかなぁ?世の中の主婦は嫌がるはずだが?「光輝!昇の事ばっかり考えてるの顔に出てる!組の事に頭切り変えたら?」――涼、スルドイ…「そういえば、幹部会が近々あるなぁ。涼、俺のSPやるか?」「マジで?やる。っていうか光輝より弱いのに光輝のSPっていいの?昇の役目じゃないの?」「昇は家事に忙しいから…」「そう、落ち込むなってばぁ。では
last updateLast Updated : 2025-07-03
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9. 幹部会とリーサルウェポン
翌日 何もなかったかのように、屋敷の中が元通りかそれ以上にキレイになった。 昇に犬の尻尾がついて見える…。しかも全力で振ってる。ちぎれそうだ。「さすが兄貴っス。広いのに!」 昇はドヤ顔全開。「これで光輝のSPの仕事はできるだろ?」「そうだな。でも、無理してないか?」「廊下を拭くとかは組員さんが手伝ってくれたし平気。ほら、俺鍛えてるし」――家事のためじゃないだろう?「涼もこれで納得だろう?明日はしっかり鍛えてやってくれ」「手加減も自分の鍛錬になるんだからなー」「了解でーす」と涼。 そして、光輝には「よかったねー」と耳打ちした。SPをする日「なぁ今日は何の集まりなんだ?」「こないだ話に出た林組って組の話をするんだ」「あー、こないだはシマ外のってやつか。集まるってことはシマ内部まで来たってことか?」「ま、そういうことだ。飲み込み早いな」「そこが不穏な動きを見せてるんだなー。抗争になりそうなのか?」「幹部会でわかる」「そうだなー」――昇と二人っきり‼(運転手は除外)「抗争は嫌だなぁ。平和的に解決できないのかな?」「ヤクザに言うなよ…」「素手なら俺が勝つけど、銃使うんだろ?ならわかんないしなぁ」「昇は銃もうまいけど、タイマンじゃなかったらわかんないしなぁ。そもそもどんな動きだかもわかんないから」「あ、そうだな。とりあえず、こっちのシマに入ってきたってことは確かだろ?」「そうだな。あとは幹部会で考えるとするか」@幹部会「「お疲れっス、二代目!」」――「そう思うなら呼ぶなよ」とは言えないな。これが仕事だし「で、どこまで進んでんだ?」「うちのシマまでヤクの売人が出入りしてます」「で、うちのシマが荒らされてると?」「そういうことです」「面倒だな。カタギには手―出すなよ。売人を捕らえて口割らせるか?」「それ、失敗して舌噛まれました」「あー、そこまでするか…」 その時昇が手を挙げた。「あのー。差し出がましいんですが…俺と涼でおとりみたいなことしましょうか?捕まえる売人全員が自害するとも考えにくいし…」「「ちょっと前までカタギのガキが‼」」と幹部連中。「まぁ待て。昇は今うちじゃ一番強いし、涼ってのはその昇の双子の女だ。俺には劣るが組員で勝った奴はいないな。売人を捕らえるだけならいいが、死人は出したくねーんだ
last updateLast Updated : 2025-07-03
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10. 俺の城は台所!
「夕飯の下ごしらえをしてみたんだけど…」 あぁ、涼が台所に入ったんだな。そして、何かをしでかした。「で?何をしたんだ?」昇が尋ねた。「すいませんでした。軽くボヤ騒ぎを起こしてしまいました」「はぁ、いつものこととはいえとりあえず涼が無事で何よりだ。怪我人いるのか?」「火傷の軽傷の方がいます」「謝っておくんだぞ」「はい」「それから!台所は俺の城だ。料理なら俺が教えるから無理するなよ。わかったか?」「はい」――昇は兄なのか?「悪いな、光輝。組員さんにも怪我させちゃったみたいで」「軽傷みたいだし、俺も涼が無事で良かったと思うよ」――問われる涼の女子力。というか、台所への破壊力「これは…台所も片づけなきゃだし、夕飯も作らなきゃダナー」「昇、店屋物にするか?それなら片付けだけでいいだろ?」「何を言う!人数多いのに、店屋物なんてお店が大変だろう?運ぶのも!断固として俺は夕飯を作る!」――あぁ、こういう時の昇は頑固なんだよなぁ…「夕飯は何にしようかなぁ~♪」――ポジティブだな、昇よ…「あぁ!俺が大事に育ててたぬか床が…‼…涼ー‼道場に行くぞ、組手だ!」「涙目でぬか床を心配するとか、女子力半端ないね。でも、私は昇よりずっと弱いよ?」「俺が直々に鍛える!」「マジでー?」「お尻ペンペンだ!成人バージョンのな」――夕飯は?成人バージョンってなんかエロいかキツイかのどっちかだよな。まぁ後者だろうけど@道場「ちゃんと来たな、涼。昔は逃げたりしてたもんな」「昔の話でしょ!」 声を荒げて涼は言う。「さて、かかってこい。涼」 それから、技をかわしては尻を叩きを繰り返した。「参ったって涼が言うまで続くからな。尻がどんどん痛くなるぞ。ちなみに叩くのもどんどん力を入れていくからな」――昇よ…どんだけ台所が好きなんだ?そしてそのSっ気は普段と全然違うぞ?さらに言えば夕飯は?「痛いー。昇ー、手加減してよー」「だめだ。涼は俺の大事な台所をぐちゃぐちゃにしたんだから、お尻ペンペンだろう?」――恐ろしい兄妹だな…「涼、いい加減降参して謝罪だ。尻が腫れてるぞ」「負けず嫌いなの!」「俺の方が絶対強いのに…」 そう言い、昇は涼の尻を叩く。「尻が腫れるというのは病院どこだ?何科だろう?一歩間違えるとDVだよなぁ」 でも昇は容赦をしない。台
last updateLast Updated : 2025-07-03
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