♢ボス戦とアリアの気遣い 大きな空間に出ると、そこにいたのは、巨大なオオカミのような体に三つの頭が付いた異形の魔獣だった。その全身からは、見るからに邪悪なオーラが放たれており、見る者を圧倒する不穏な存在感を漂わせている。だが、その感じは、見た目もオーラも格段に向上しているものの、以前に討伐した北、西、南のダンジョンのボスのオーラと酷似していた。 ユウヤたちの姿を察知したケルベロスは、すぐに警戒態勢に入り、前回とは違い速攻を仕掛けてきた。ミーシャは素早く反応し、後方へ回避したが、アリアは反応が遅れ、まともに攻撃を受けてしまった。アリアは後方へ弾き飛ばされ、ダメージ軽減の付与魔法で致命傷は免れたものの、苦痛に顔を歪めて負傷した。ツラそうな表情で、ゆっくりと立ち上がったアリアの姿に、ユウヤの胸に痛みが走った。(これは……見ていられないな。俺の反応が遅かったのが原因だな。それに、前回と同じで攻撃するのが、まだ先だと判断をした俺のミスだ……) ユウヤは、自分の判断ミスを悔やんだ。「悪い! 先に家に帰っててくれるか……シャルが心配だし」 ユウヤは、とっさに適当な理由でアリアをごまかした。アリアに治癒魔法をかけて回復させると、彼女の返事を聞く間もなく、転移魔法で自宅へと帰還させた。♢悪魔との邂逅(魔石が勝手に消え、三つが一つの魔獣になるか? この仕組みを作った奴がいるはずだな……迷惑なことをするやつがいるな) ユウヤは、目の前のケルベロスを見据えながら、怒りを覚えた。(今回は、やり過ぎたな……アリアに傷を負わせるとはな。最悪だ……許せる訳がないだろ) ケルベロスは攻撃目標を失い、ユウヤに集中攻撃を仕掛けてきたが、ユウヤはそれを片手で軽々と押さえつけた。もう片方の手は、まるで空間に手を入れるかのように、腕が消えたように見えた。次の瞬間、異空間から掴み出されたのは、おぞましい姿の悪魔だった。悪魔は首を掴まれ、慌てた様子で藻掻いて
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