ギルドマスターからの異例の依頼に、ユウヤは内心で言葉を失った。 (国王陛下からの指名依頼?そんなことあるわけないでしょ……王都から離れているし、そんな情報が早く行き来できるわけないだろ。早馬でも数日、数週間はかかる距離だぞ?俺が引き受けないと思って、国王陛下の名前を出しただけだろ。それってダメなやつじゃ?俺が子供だと思っているからだと思うけど、勝手に国王陛下の名前を使っちゃって良いのかよ) ユウヤは半ば呆れながら、それでも冷静にギルドマスター(ギルマス)に問いかけた。その視線は、ギルマスの嘘を見抜こうと鋭く光っている。「国王陛下ですか?そんなに早く情報が?」 ギルマスは、ユウヤの挑戦的な視線を受けても動じることなく、落ち着いた表情で答えた。 (子供だと思って舐めてもらっちゃ困るよ?この質問に俺が納得できる答えを返せるかな?)「えぇ、それはギルド同士を繋ぐ魔石を利用した音声通信がありますので。それに、魔石と数人の魔術師を使って書類を転移させる技術がありまして……これです」 ギルマスはそう言いながら立ち上がり、机の引き出しから他の書類とは明らかに違う、立派で豪華な書類を取り出してユウヤに見せた。それは国王陛下からの指名依頼書で、国王陛下の直筆のサインと印も押されていた。その重厚な雰囲気は、偽造ではないことを物語っていた。 (俺に依頼をさせるために、こんな手の込んだ偽造書類を危険を冒してまで作るわけがないか) ユウヤは納得せざるを得なかった。しかし、まだ疑問が残る。「……分かりました。でも、俺たちはCランク冒険者ですよ?そんな重要な討伐依頼を出してもいいんですか?」 ユウヤが尋ねると、ギルマスは即座に答えた。その声には、一切の迷いがなかった。「それは問題ありません。私の権限というより、国王陛下からの推薦もあり……これより、ユウヤ殿はSランク、アリア殿、ミーシャ殿をAランク冒険者とする」 ギルマスの後ろで控えていた受付のお姉さんが、ギルマスの横に恭しく立つと、小箱から出した真新しい冒険者証とゴールドのタグがギルマスから直接ユウヤに手渡された。そのタグは、光を反射
Terakhir Diperbarui : 2025-10-08 Baca selengkapnya