そんなミーシャの様子に、アリアがにこやかに口を挟んだ。「ユウくんが持ってて使ってよ。ユウくんが、見つけて回収したんだからっ」 その表情は当然のように優しく、ユウヤを気遣う気持ちが伝わってくる。「まぁ……欲しい物があったら言ってな。皆で、使おうな」 ユウヤがそう言うと、ふたりは元気よく返事をした。「はぁい♪」「分かったー。お菓子が、欲しいー♪」 ミーシャは、やはり財宝よりお菓子の方が良いらしい。アリアも元々お金に不自由をしていないようで、財宝には興味がないようだった。ユウヤも今の暮らしに満足しているので、無いに越したことはないが、あった方が良いとは思った。 ここでシャルが居たら大騒ぎになっていただろうな、とユウヤは想像した。山分けね、とか言って、村に帰って自慢気に場所を言うんだろうな、と。「帰ったら、アリアに作ってもらおうな」「うんっ♪」 ユウヤとミーシャに見つめられて、アリアは嬉しそうに返事をした。その頬がほんのりピンク色に染まり、照れたような笑顔を見せてくれた。「うん。良いよぉ♪美味しかったんだぁ?帰ったら作るねっ」「美味しかったな」「うん。美味しかったー。早く帰ろぉー」 ユウヤとミーシャが笑顔で返事をすると、アリアもご機嫌になり、ニコニコと笑顔になった。多分、帰ってから作るお菓子のことを考えているのだろう。その瞳はすでに甘いお菓子でいっぱいに見えた。ユウヤもアリアが作るお菓子が楽しみになった。 ユウヤはアリアと顔を見合わせてニコッと微笑み合った。温かい空気がふたりの間に流れるのを感じた。 宝物を収納し終え、ユウヤはなぜこんな大量の財宝がこんな場所にあったのかを考えた。 思い当たる理由はひとつ。ダンジョンの途中でこんなに大量の宝物を発見したら、普通は引き返すだろう。こんなに重い財宝を背負ってダンジョンを進む者はいない。しかし戻るにしても、かなりの重量で一苦労するはずだ。たとえ大人数で財宝を背負って進んだとしても、魔物や魔獣と戦闘になったら戦力は確
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-09-13 อ่านเพิ่มเติม