オーティン通りから東側に数えて四本目の街道沿い、その途中に空いた空間に、奇妙な五人の男女の姿が有った。 それぞれ男女のペアと、三人の男達とに分かれて対峙していた。 人数的には三人組の方が有利。しかし、現況は全く真逆だった。 男女のペアの方は、余裕の笑みを浮かべながら自然体で立っていた。 対して三人組の方は、それぞれの厳めしい顔に引きつった表情をしながら、奇妙な片足立ちをしていた。 何の意味が有ってか、男達は右腕を真上に突き上げて、左手を胸元に添えていた。更に右膝を曲げて、足の裏を上向きにしながら左脚に重ねていた。彼らの格好を見ていると、「シェーッ」という幻聴が聞こえた。 そのポーズの意味は「驚き」だった。彼らは「人生最大級の奇跡(或いは絶望)」に遭遇していた。彼らの視線は「それ」に釘付けになっていた。 三人組の視線は、男女のペアの「頭部」に集中していた。 そこには「角」が生えていた。 角。彼らの国、ティン王国では「ティン」と呼称する。 尤も、ティンならば三人の男達の額からも「指の第二関節から先程の大きさ」のものが一本ずつ生えていた。「ティンが有る」程度のことならば、驚くに値しない。 しかし、三人組は驚いた。恐怖した。その理由が、彼らの脳内に何度もリフレインしていた。 デカい、絶対にデカい。デカ過ぎるっ!! 男女のペアの内、男性(実年齢十五の男子)の方、そ額に生えたティンは「大人の男性の腕、その肘から先」と思えるほど長大だった。その先端から中ほどまでが「金属的な光沢を持つど漆黒」に染まっていた。 女性(実年齢十五の女子)ほう、その両蟀谷辺りから生えたティン(二本有るので『ティンティン』)は、「大人の女性の腕、その肘から先」と思えるほど長大だった。その先端部分から中ほどまでが、「金属的な光沢を持つ紅蓮」に染まっていた。 こんなデカいティン、見たこと無い。 三人組の男達の常識が、それぞれ音を立てて崩れ掛けた。さもありなん、宜なるかな。 ティン王国の歴史に於いて、「最大」と言われたティンの大きさは「手」と表現されていた。 しかし今、三人の男達の目に映っているティンは「腕」なのだ。歴史を逸脱するほどのデカいティンを目の当たりにして、「目と常識を疑うな」と言う方が無理な話だろう。 しかし、男
Last Updated : 2025-07-19 Read more