涼太は慌てて帰国し、山田が問題を起こしたことを知った。 山田は涼太の幼なじみで、山田家も名家だった。早川家には及ばないが、無視できる存在では決してない。 あの日からオケで、涼太が「葵を好きにしろ」と言った時、真っ先に葵の服を引き裂こうとしたのが山田だった。 涼太が戻ってきた時、目の前が真っ赤になり、山田を集中治療室送りにした。今では退院したものの、足は不自由になった。 山田家がこの屈辱をどうして甘受できよう? 山田家はあらゆる手段で早川家に圧力をかけ、涼太の父親も噂を聞きつけ、国外から戻ってくるらしい。 しかし今の問題は両家の争いではない。山田が直接「葵さんのプライベート写真を持っている」と宣言し、ネットに公開すると脅してきたのだ。 涼太は急いで山田の病室へ向かった。 ドアを蹴破り、怒鳴った。「山田!その写真はどこから手に入れた!」 ベッドに横たわる山田は、涼太を見る目に憎悪をたたえていた。 「どこからだと思う?」 冷笑しながら続けた。 「お前は寮で毎日のように自慢してただろ?『今日は葵をどこどこに連れて行った』って。適当な場所を予め調べて写真を撮るなんて簡単だったよ」 涼太の顔は鉄色に変わった。拳を固く握りしめ、「死にたいのか!」と叫ぶと、山田に殴りかかろうとした。 しかし山田が廃人同然になった今、山田家が無防備なわけがない。 複数のボディーガードが飛び出し、涼太を押さえつけた。 「やっぱりな」 山田は冷ややかに笑った。 「お前が葵さんに本気だって噂は本当だったのか。どうした、玲奈さんはもう要らないってか?今度は葵さんのために命懸けか?残念ながら、俺が持ってる写真を公開すれば、葵さんは確実に人生終了だ!あの合成写真とは違って、本物のネタだぜ?ははは、写真の中の葵さんは本当に魅力的だった。お前が本気になるのも無理ない。味見できなかったのが残念だがな……このクソ野郎が!」 下品な言葉に涼太はさらに激怒し、訓練されたボディーガードを振り切り、山田の首根っこを掴み上げた。 山田は恐怖に叫んだ。「警告する!殴れば即座に写真を公開する!」 涼太の拳は空中で止まった。 山田は涼太を手中に収めたと悟り、さらに得意げに笑った。 「葵さんの写真が公開されるのが怖い?簡単だ。今すぐ跪
Read more