△△(side:リリアーゼ)「リリアーゼ!ロゼ!今すぐ起きなさい!!」 アクアルお姉様の必死な怒号が飛ぶと同時にわたくしとロゼはテントをぶち破って外に出ましたわ。 お姉様が叫ぶ以前に先程の地響きでとっくに目は覚めてましてよ? さて、わたくし達以外にこの第8階層まで辿り着ける者がいただけでも驚きですけれど、一体どんな低俗な輩が喧嘩を売って…… 「は?」 外に出たわたくしの目に映ったのは完全に想定外の……あまりにも馬鹿げた光景でしたわ。 隣にいるロゼは可愛らしい小さい口を開けてポカンとしてますの。 第9階層へと続く階段前に鎮座してるのは5mは優に超える水色の鱗に覆われた巨体に加えて鮫のように大きく裂けた品のない口にギザギザのきったない牙を剥き出しにした竜。「【幻竜王(げんりゅうおう)シャーク・ドレイク】じゃねぇですの!?お姉様、これは一体どういう事ですのよ!?」 まさかテントごとボスのいる第9階層に来ちゃったとかいうオチじゃないですわよね!?「私だって分からないわよ!とにかく逃げ––––」 「GYAAAAAAAAA!!!」 まだ話終わってないというのに幻竜王はその背に引っ付いた巨大な翼をはためかせると、真っ直ぐわたくし目掛けて突っ込んで来やがりましたわ!「危ない!」 咄嗟に横にいたロゼが声を上げてわたくしに抱きつくと、そのまま横に跳ぶ事で幻竜王の体当たりを回避しましたわ。 ––––って、ロゼ!? 何を無茶してやがりますのよ! あんなデカい図体の攻撃ぐらい、わたくしだって当然回避できてましたわ! ……庇ってくれたのはちょっとだけ嬉しかったですけれど。「リリアーゼ、どうするの!?」「もちろんここでぶっ倒しますわ」 既に体当たりから退避していたお姉様からの問いに答えますわ。 何でこいつがセーフティエリアに現れやがったのかは知りませんけれど、下の階に逃げたところで追いかけてくるのは目に見えてますの。 ならば雑魚がいる下の階で戦うよりも、魔物が入ってこれない(目の前の例外は除く)セーフティエリアで倒した方が安全という物なのですわ。「ロゼは待機!お姉様は足止め!アレはわたくしがぶち◯しますわ!」「分かったわ!」「分かりました!」 真っ当な作戦なんて立ててる暇はないし、今はこれが精一杯ですの。 とりあえずロゼが
Huling Na-update : 2025-07-18 Magbasa pa