指先をそっと沙良の襟元に添えると、布地が微かに擦れる音が静かな部屋の中に小さく響く。 ゆっくりと、丁寧に――まるで大切な贈り物を解くように、僕は彼女の服に手をかけた。 硬く閉じられていた沙良のまぶたが、そっと揺れて開き、僕の顔を見つめてくる。 お酒の力もあるだろうか。 全身がほんのり薄桃色に色付いた沙良《さら》の下着姿はとても魅力的で、全部見えないからこそ秘めたる部分にワクワクさせられてしまう。「あっ、……朔夜《さくや》、さっ……。ダ、メっ」 沙良の下着は彼女らしい、とても控え目なローズグレージュのレース付き。その柔らかな色合いの肩紐にそっと指をかけると、沙良の身体がわずかに震えた。 逃げるように伏せた目元が、どうしようもなく愛おしい。「大丈夫だよ、沙良。……怖くない」 そう囁きながら、僕は慎重に背中へまわした両手で丁寧にホックを外す。 プチッという頼りない音がした瞬間、彼女の肩から布がするりと滑り落ちて、その下に隠されていた柔らかなラインがシーリングライトの明かりに照らされた。 フワフワのふくらみを隠そうとするように、沙良が胸元を両腕で懸命にかばう。 僕はその腕に手を重ねて優しく撫でながら、もう一度沙良と目を合わせるんだ。「ちゃんと見せて? ……キミの全部が、欲しい」 僕は躊躇いがちにのけられた沙良の胸元へ、そっと手を添える。控え目で綺麗な形をした沙良の胸は、僕が触れる度に甘い芳香を放ちながら、手にしっとりと馴染んだ。 あえて触れないようにしている薄い色付きの先、愛らしい乳首が刺激してもいないのにツンと天を向いている様がたまらなく官能的で、見ているだけで腰にくる。「可愛い……」 散々焦らしておいて、先端の小さな果実をチュッと吸い上げた途端、沙良の身体がびくりと跳ねた。「気持ちいい?」 耳元でそっと問い掛けた僕に、沙良が恥ずかしそうに視線を逸らせる。「ねぇ、沙良。お願い? 言葉にしてくれなきゃ分からないよ?」 本当は聞かなくたって沙良が感じてくれていることは、蕩けたみたいな彼女の表情を見れば一目瞭然だった。 だけどごめんね? 僕は沙良の口からちゃんと聞きたいんだ。 だって……沙良が自分から僕を求めてくれないと意味がないんだから。「朔夜《さくや》さん。お願……、もぉ、許し……て?」 快感を得ることにこれほど拒絶反応
Huling Na-update : 2025-08-30 Magbasa pa