Semua Bab 私にだけ塩対応の義兄が溺愛モンスターにジョブチェンだと?: Bab 11 - Bab 20

22 Bab

11

「こんにちは」 「……」 シャルロットに客だと呼ばれて来てみれば、相変わらず胡散臭い笑顔を振り撒くシャオがいた。「何の用?」 ゴミを見るような目を向けながら、冷えきった態度で問いかければ「君も相変わらず」そう言われた。「僕の贈ったプレゼントは気に入らなかった?」 「……」 「いやぁ、初めてだよ、プレゼントを送り返されたのは」 その表情は送り返された事に対する怒りなどなく、むしろ不気味なほど嬉々ととしてる。 実際のところ、シャルロット自身は勿体ない精神で受け取るつもりだった。それを送り返したのはクライヴなのだが…(もう、黙ってよう) いちいち否定するのが面倒臭い。「そんな事はどうでもいいのよ。何しに来たのって話」 「ん?そりゃぁ、君に会いに」 「お客様のおかえりよ!」 間髪入れずに、使用人らに見送りをお願いすると、慌てたシャオが止めてきた。「うそうそうそうそ!めっちゃ用事ある!ちょっとしたお茶目じゃん。そんな簡単に追い返さないでよ」 シャルロットは呆れながらも、向かい合うように座った。「君だって、僕に聞きたいことあるんじゃない?」 ニヤッと含みのある笑みを浮かべてる。 こういう言い方する奴は大概、何を聞きたいか分かった上で言ってる。素直に教えてくれる相手なら、こっちだって素直に聞いている。 こんな恩着せがましい言い方する奴が、素直に教えてくれるはずがない。「…聞いたところで教えてくれるの?」 「顧客に関する情報は守秘義務があるからねぇ」 回りくどい言ってるけど、要は教える事は出来ないってこと。最初から素直にそう言えばいいのに…本当、ムカつく奴。「けど、ヒントは出すこと出来るよ?」 「ヒント~?」 シャルロットは不快そうに眉間に皺を
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-31
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12

その頃、クライヴは仏頂面顔で国王であるエミディオの前で跪いていた。「お前…その顔はないだろ?」 「何を仰っているのかわかりませんが、元よりこの顔です」 男前が台無しだと言っているのに、表情を変えることはしない。エミディオは頭を抱えながら、何とか宥めようと声をかける。「文句を言いたいのも分かるが、国同士でいざこざは起こしたくないのだ。分かってくれ」 「ほお?では、私の意見は鼻っから聞く気がないと…?」 「そうは言っておらんだろ!」 国王相手でも一切怯むことなく睨みつけるクライヴに、もはや溜息も尽きた。 一言えば十言い返してくる者を相手にするのは骨が折れる。「お前の気持ちを尊重したいのは山々だが、今回の件の仕掛け人が誰なのか…知らんとは言わせんぞ」 「……」 「お前の義理の叔母であるリッツ夫人だ」 分かってはいたが、いざ名を聞くと厭悪感が全身を駆け巡る。「どうやら、噂は本当のようだな」 「…ええ、だいぶ焦りが見えてきました」 噂と言うのは、ミランダの夫リッツ伯爵の事。 伯爵はここ数年の業績が悪く、新たな事業を展開し、軌道修正を試みたが上手くいかず資金繰りに窮しているらしいというもの。 使用人らの賃金も払えず、だいぶ困窮しているとセウからの報告があった。 贅沢な暮らしに慣れ親しんだミランダが、そんな困窮した生活に耐えれるはずもなく、何とかこの窮地を脱したいと目論んだ。そして、出した答えが実弟の遺したヴァレンティンと言う地位と名誉を我々から奪う事。 その為に、邪魔な兄妹を屋敷から追い出そうと縁談を持ちかている。何とも陳腐で愚かな事を…「叔母の事を大切に思っているシャルロットには知られたくないんです。あんなのでも叔母には変わりありませんからね」 「相変わらず妹に甘いな」 「なんとでも言ってください。あ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-03
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リリアンが滞在する部屋からガシャンッ!という大きな音と共に、必死に宥めるような声が響いている。「姫様!落ち着いてください!」 床には割れた花瓶が散乱し、クッションは破れて綿が飛び出ている。リリアンは肩で息を吐きながら、床に落ちた花を踏みつけた。「王女であるわたくしが、わざわざこんなちんけな国まで来てやったのよ!?それが何!?わたくしは愛せないですって!?このわたくしをよ!?」 リリアンは怒りが収まらず、手当たり次第に壁に投げつける。周りの者達は慌てふためくだけで、止めることが出来ない。「許せない…!このままでは国に帰れない」 ギリッと爪を噛みながら呟いた。 散々馬鹿にされた挙句、黙って帰っては負けを認めたようなもの。それはどうしても許せない。「あの方の愛する人…」 一体誰のことを言っているのか…自分よりも勝る者がこの国にいるはずがない。苛立ちながら考えていると「それは、あの人の妹さんだよ」 唐突にかけられた言葉。 振り返ると、そこにはニヤニヤしながら壁にもたれ掛かるシャオがいた。「誰?」 「突然失礼します。僕はヴァーチュ商会で代表をしているシャオと名乗るものです。以後、お見知り置きを」 「──ああ、貴方があのヴァーチュ商会の…」 名は知っているが、こうして顔を合わせたのは初めて。「で?その商会の代表者が何用ですの?」 不機嫌を隠すことなくシャオにぶつけるが、当のシャオは気にせずに部屋に入り、ソファに腰掛けた。 あまりにも堂々と自然に入って来たので、リリアンに仕える者らも呆然と見ている事しか出来なかった。「王女様さぁ、僕と組まない?」 「は?」 不適な笑みを浮かべるシャオをリリアンは怪訝な表情で睨みつけた。 *** カツカツ…
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-07
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ゴーンゴーン…と鐘が鳴り響く教会に、真っ白なタキシード姿のクライヴ。向かい合うのは、純白のドレスを身に纏った……私? 「ロティ、一生貴女を愛すること誓います」 「私も…愛することを誓います」 頬を染め、照れながらも誓いの言葉を口にする。ゲスト席からは祝福の拍手が降り注ぐ。 「それでは、誓いのキスを」 神父の言葉で、見つめ合う二人。ゆっくりとクライヴの顔が近づき、ドキドキと胸が高鳴る。 そして、唇が触れそうになった時── 「うわぁぁぁぁぁ!!」 叫び声をあげながら、シャルロットは飛び起きた。 ハアハアと荒い息を吐きながら辺りを見渡した。そこは、教会ではない見慣れた自分の部屋。 「…夢…?」 悪夢にも程があると、未だに高鳴る胸を押さえながら呟いた。 「どうしました?怖い夢でも見ましたか?」 ふと、かけられた声に横を見れば、上半身裸のクライヴが肘をつきながら寝転がっていた。 「・・・・」 人間、驚きすぎると声も出なければ思考も停止するんだなって初めて知った。 「おはよう、ロティ」 時間が止まったように動かなくなったシャルロットの額に軽くキスをする。 まるで恋人のような振る舞いに、まだ夢を見ているのかと錯覚してしまいそうになる。 「えぇ~…一応お聞きしますが、何故お兄様が私のベッドに?」 「愚問ですね」 ようやく頭が働き始めたのでクライヴに問いかけるが、鼻で笑われた。 同じベッドで寝起きするのは今始まった事では無いので別に咎めることはしないし焦りもないが
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-12
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「こ~んにちはぁ!シャルロット嬢いる?」 陽気な声と共にやって来たのはシャオ。「おや?なんか疲れてる?」 シャオが目にしたのは、げっそりとした顔でソファーに寝転がるシャルロットがいた。 シャルロットはニヤニヤしながら向かい合って座るシャオを恨めしそうに睨みつける。 こうなった原因は言わなずもがなクライヴ。あの日以降、セウが懸念した通りになっている。 やたらめったら絡んでくるし、隙を見せたら軽々しくキスが降ってくる。気恥しさもあり、何度も「やめてください!」と叱りつけるように言うが、聞く耳持ちやしない。 そもそも、塩耐性が出来上がった所に糖分を投入されたら、驚いて拒絶反応だって出よう。 そんな感じで心が落ち着けるのは、クライヴが屋敷に居ない僅かな時間だけ。 そんな貴重な時間に、また面倒な客がやって来た。「なんの用?悪いけど、あんたに構える状況じゃないの」 「そうみたいだね。酷い顔してる」 「悪かったわね」 「やだなぁ、心配してるんだよぉ。そうなった要因は団長様かな?」 的確に的を突かれ、平然を装ったつもりだったが、微かに肩が震えたのをシャオは見逃さなかった。本当、目敏い男は鬱陶しい。「ふ~ん。なんか面白そうだけど、これ以上お嬢様の機嫌を損なう訳にはいかないから聞かないでおいてあげる」 商人だけあって空気の読み方が上手いのは有難いが、なんか腹が立つ。「それなら、丁度いいや。どう?気分転換に僕とデートしない?」 「は?」 *** シャオの口車には乗せられて連れてこられたのは、街を一望できる丘に佇む大きな屋敷だった。「……なに、ここ?」 「ん?滞在用の僕の屋敷。商談なんかもここでやるからね、部屋数多くしたらこんななっちゃった」 立派な屋敷に言葉を失っていると、あっけらかん
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-18
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シャルロットは、どうやって自分の屋敷に帰りついたのか分からずにいた。 ボーと放心状態で帰ってきたシャルロットを、使用人達が心配して声をかけたが、心ここに在らずで返答はなく、自室に籠ったまま。「お嬢様!大丈夫ですか!?」 部屋の外で声をかけるが、応答は無い。「どうしました?」 「あ!旦那様!」 帰ってきたばかりのクライヴが声を掛けた。「それが…」と事の次第を話すと、クライヴの表情が曇りだし、力任せにシャルロットの部屋の扉を開けた。「ロティ!」 バンッ!と言う大きな音に驚いたシャルロットが振り返ると、目の前にクライヴの顔があった。 正直、今一番見たくない顔だった事もあり、無意識に視線を逸らしてしまった。 まあ、そんなに態度を取ればクライヴ的には面白くない訳で…「…シャルロット。こちらを向きなさい」 静かに落ち着いた声で、怒気を含んでくる。 こういう時は、大人しく従った方が無難だと知っているシャルロットは、そっと視線を戻した。「あの男と何があった?」 「……」 「俺に言えないことか?」 「……」 「シャルロット!」 怒鳴り声が部屋に響き渡る。 相当動揺していると見えて、いつもの仮面が剥がれている。肩を掴む手に力が込められ痛みが走るが、そんな痛みすらも気にならないほどに、怒りが込み上げてくる。(…自分だって、他の女性と一緒にいたくせに) 何故、私だけが責められなければならない?愛してるなんてやっぱり口だけじゃないか… そんな事を考えれば考えるほど目頭が熱くなり、涙が込み上げてくる。ここで、泣くわけにはいかないと必死に堪え、クライヴを思い切り突き飛ばした。「私が誰と何をしようとお兄様には関係ない事でしょ!もう、放っておいて!」 「ロティ!ちょっと待って!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-21
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「…ん…んん……!」 シーンと静まり返った部屋に、荒い吐息と水音が響いている。 ベッドの上でシャルロットを組み敷くクライヴの姿が影となって床に映る。 「お、お兄…ん…ッ!」 口を開けば唇で塞がれ、舌を絡め取られる。 どうしてこんな事になったのか…何故、この人はこんなにも嬉しそうなのか… 見せつけるかのように濡れた唇を舌で舐めとる姿は、妖艶で官能的。このままでは雰囲気に飲まれる…! 「ちょ、本当に待って…!」 必死に押し退けようとするが、両手を拘束され執拗にキスしてくる。唇、頬、首筋とこちらがいくら待てと言っても聞きゃしない。 「いい加減に………しろッ!!!!」 舐めまかしい雰囲気を払拭するゴンッ!という鈍い音と声。 我慢の限界を迎えたシャルロットが渾身の頭突きをかました。 この場合、仕掛けた本人も痛みを伴うが、貞操が守られるのならこの程度の痛み…! 「とりあえず、弁解があるようようなら聞きますが?」 痛む額を誤魔化すように、蹲るクライヴを仁王立ちで睨みつけた。ここまでして、ようやく正気に戻ったのか、か細い声で「すみません」と呟いたのが聞こえた。 「ロティが…」 「私が?」 「リリアン王女に嫉妬したと聞いて嬉しくて、つい…」 「は?」 赤らむ顔を手で覆いながら言われた。 嫉妬?誰が?誰に?この人は何を言っているの? シャルロットは困惑しながら、クライヴを見つめていた。 「──ですが、嬉しい反面、憎さもあります」 腕を引かれ、再び押し倒さ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-23
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ある日、シャオが訪ねてきた。 「おや、随分雰囲気が変わったね。団長様と何かあった?」 顔を見るなり唐突に言われて、言葉に詰まった。 正直、この関係を何と説明していいのか解らない。兄妹だが、兄妹よりも深い仲。付き合っているのかと聞かれれば、それはノー。 シスコンだのブラコンだのと言われたら否定できない部分はある。 「ははっ、一歩前進と言った所かな。まあ、まだそんな感じなら僕の隙いる間もあるって訳だ」 「まだそんな事言ってるの?」 「僕は諦めが悪いんだよ。欲しいものは何としてでも欲しい性分なんだよね」 面倒臭い者に目を付けられた… そんな事を思いながら、用意されたお茶に手を伸ばした。 「そんな君に朗報。今度、舞踏会が開かれるのは知ってるね?」 「?ええ」 それは三日後に行われる城での催し物。リリアン王女が滞在中に是非にと、早急に日程を決めたらしい。 私達兄妹も招待されているのだから、知らないはずが無い。 「団長様は例のお姫様と参加するらしいよ?」 「は?」 足を組み、優雅にお茶を啜るシャオの言葉が上手く聞き取れなかった。 「だから、君の兄上でもある団長殿は、リリアン王女のエスコートをするんだって」 もう一度聞き返して、ようやく頭が理解した。 鈍器で頭を殴られたような衝撃だったが、すぐに「ふ~ん」と、自分でも驚くほど冷静になれた。 今回の舞踏会の話は義兄であるクライヴから直接聞き、その場で私のエスコートは自分がすると自らが宣言していた。当然、私もそのつもりでいた。 (な・の・に・だ) この裏切り。 人間は、怒りが沸点を超えると冷静になるんだと、今知った。それと同時に、クライヴに振り回される自分が馬鹿らしく思えてきた。 「私のエスコートは貴方にお願いするわ」 真剣な表情でシャオに向かって言った。 「ええ~?そんな急に?僕のエスコート待ってる子結構いるんだけどなぁ?」 困った風を装っているが、顔がほくそ笑んでいる時点で嘘だと言っている。 「そう。それなら、他を当たるわ」 「あ、ちょっと待って!空いてる空いてる!僕にエスコートさせて!」 私が縋るとでも思っていたのか、あっさりと切り捨てるとシャオが慌てて引き止めてきた。 「ふはっ!貴方、そんなに焦らなくても嘘だって分かっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-27
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19

扉を開けた先には、煌びやかな装いをした貴族達がおだやかな雰囲気の中、ガヤガヤと賑わいを見せていた。 「あらぁ?シャルロットちゃんじゃないの」 真っ先に声をかけてきたのは、叔母であるミランダだった。その隣には、いかにも紳士という風貌の男性、ミランダの夫であるリッツ伯爵だ。 「御機嫌よう。叔母様、叔父様」 軽く会釈して挨拶を交わした。 「驚いたわぁ。あの男がエスコートを貴方に譲るなんて」 「ははっ、まあ、お願いされちゃったらね?」 チラッとこちらに目配せしてくる。そんな意味あり気にすれば、どんな馬鹿でも察しがつく。 現に、ミランダは「あらぁ?」なんて顔をニヤつかせている。 「やっぱり、噂は本当だったみたいね」 「噂?」 「あら、シャルロットちゃんは知らない?リリアン王女とあの男の婚約の話」 「え?」 一瞬、心臓が止まったかと思った。 「陛下直々の縁談だったようで、断りきれなかったのねぇ。今日はその報告も兼ねているって話しよ?」 ミランダが続けて話してくれるが、耳に入って来ない。 「リリアン王女には兄弟がいない。あの男は必然的に婿として彼女の国へ嫁ぐことになる。貴女もそこの彼と一緒になれば、あちこちの国を回る事になる。そうなると、ヴァレンティンの屋敷は人がいなくなってしまうわねぇ?」 「そうだ、私達が――」そう、切り出したところでワッと歓声が上がった。 「ああ、団長様のご登場みたいだね」 シャオの言葉で顔を上げると、クライヴとリリアンの姿が見えた。 クライヴの腕にリリアンが身体を密着させて手を絡ませている。二人で目を合わせて楽しそうにしている。 (ああ……そう言う事……) 自分以外にそういう表情を見せているという事は、そう言う事なんだろう。 頭の何処かでは疑っていたが、こうして目にしてしまうと現実を見せつけられているようで、悲しさよりも腹が立って仕方がない。 正直、涙の一つでも流れると思っていたが、殴りたい衝動を必死に抑えているのが現実。 「大丈夫?」 「何が?」 前を見据えて微動だにしなくなったシャルロットを心配したシャオが耳打ちしたが、間髪入れずに睨みつけられた。思わずシャオも苦笑いを浮かべていた。 「皆の者に報せがある」 国王であるエミディオが、クライヴとリリアンの隣で声を上げる
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-25
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リリアンに責められ、顔面蒼白で蹲るミランダ。 そんな妻の様子を見たリッツ伯爵は、ゆっくりと後退りし、この場を逃れようとしたが、後ろに控えていた騎士に両腕を拘束され、項垂れるように肩を落としている。 この異様な雰囲気に、シャルロットは呆然としたままミランダを見つめていた。 「リッツ夫人」 次に口を開いたのはクライヴだった。 「貴女は叔母としてシャルロットを愛してましたか?」 クライヴの言葉に、ミランダもシャルロットも目を見開いた。 「な、何を言うの!?そんなの当たり前じゃない!」 「そうですか?私にはそうは見えませんでしたね」 「は!?」 クライヴに食ってかかるようにミランダが声を上げる。 「血の繋がらない紛い物が知ったような口を聞くんじゃないわよ!幼い頃からシャルロットの面倒を見てきたのよ!私にとっては娘同然なの!」 「その娘を自分の私利私欲の為に、道具にしようとしたのはどなたです?」 声を荒らげるミランダに対し、クライヴは冷静沈着に問いかけた。 「な、何を言っているの…?」 声を震わせ、動揺しているのが見て取れる。 「調べはついているんですよ」 ミランダの目の前にドサッと置かれた書類の束に目をやると、大量の借用書やリッツ家の財産目録。見る限り、リッツ伯爵家が随分困窮しているのが分かった。 そして、その中にはシャルロット達の屋敷であるヴァレンティン伯爵邸の相続登記まである。 「叔母様…これは…」 これではまるで、ヴァレンティン邸を叔母であるミランダが管理すると言っているようなもの。 証拠を突きつけられたミランダは、悔しそうにギリッと歯を食いしばりクライヴを睨
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-28
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