外から、再び大勢の人がなだれ込んできた。「動くな！全員、手を挙げろ！」待ち構えていた警察が、突然現れた。勇人は急に顔色を変え、前に出て祐介を連れて逃げようとした。だが、素早い警察官が彼の足に一発撃ち込んだ。弾丸が肉を貫き、血しぶきが飛び散る。勇人は痛みに倒れ、後から追いついた警官に地面に押さえつけられた。この逮捕劇を指揮した刑事が、前に出て人々をなだめた。「この一味は国外で犯罪を犯した重要容疑者で、国はずっと彼らを監視してきた。しかし、彼らは帰国せず、海外でのうのうと暮らしているため、我々警察も手が出せませんでした。しかし幸いなことに、古川夫婦のご協力により、重要容疑者の手がかりを得ることができました。皆さん、ご安心ください。我々が皆さんの身の安全を保障します！」警察を見て、人々はようやく安心した。心の中にあった不満も、敬服の念に変わった。祐介は、信じられないといった様子で夏澄を見た。思わず目を赤くした。「夏澄、俺は申し訳ないことをした。どう罰せられても構わない。だが、一度もチャンスをくれないのか？」夏澄は、ずっと落ち着いた様子で彼の目を見つめた。その眼差しには、もう昔のような温かい愛情はなかった。「祐介、どの面下げて私にチャンスをくれなんて言うの」その言葉は、まるで針のように祐介の肉に突き刺さった。彼は痛みに、わずかに身をかがめた。手下たちは、一人、また一人と、不満そうに警察に連行されていく。場内は、まったく混乱に包まれていた。完璧だったはずの結婚式は、台無しになった。そして、彼が最も愛した女は、今、別の男のそばに立っている。「夏澄、俺は――」突然、人ごみの中で連行されそうになっていた勇人が、激しく抵抗した。近くにいた増田紀美子（ますだ きみこ）を人質に取った。紀美子が祐介の憎き兄の母親であることを知っていた。テーブルの上のワインボトルを叩き割り、その首元に力いっぱい押し当てた。血が滲むのが見える。人々は大声で叫んだ。誰かが混乱に乗じて、裏口から入り、夏澄の方向へ煙幕弾を投げ込むと、素早く祐介を連れ去った。孝弘は、とっさに夏澄を背後にかばった。警察は急いで追いかけ、残りのメンバーをここに後処理にあたらせた。目の前の男を見て、夏澄はゆっ
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