創太は手に取ると、最初のページを開いた。それは寧々の筆跡だとすぐにわかった。彼の知る限り、彼女ほど字が美しい人間はいなかった。彼はページをめくり続け、日付を追って、あの自分が病気になった頃の記述をすぐに見つけ出した。【今日は三つのバイトでくたくた……でも、これで創太の手術費がやっと揃う。嬉しい……】【ついに手術費が揃った。適合する腎臓の提供者も見つかった。なのに、それが創太が一番嫌っている人物だなんて……あんなに誇り高い彼が、実の父さえ認めようとしないのに、異母兄弟に頭を下げるはずがない。彼の気持ちはわかる。でも、どうあれ、私はやってみる。創太、あなたがやりたくないこと、嫌がることは、私が代わりにやる。あなたが下げたくない頭は、私が下げる……】【三日三晩、吹雪の中に跪いて、ようやく浦上拓巳が面会を許してくれた。腎臓を提供することにも同意した。なのに……なんと、私に偽証をさせて、創太に代わりに刑務所に入れろなんて、そんな途方もない条件を出してきた……】【創太の病はどんどん悪化している。もし彼が死んだら……私も生きていけない……】【今日、決めた。創太に三年の刑を務めてもらう代わりに、彼の命を救う。たとえ彼に一生恨まれても、私はそれでいい……】【法廷で偽証をした。創太が私を怨むその目、一生忘れないだろう。彼はもう私を愛していない……】【今日、鬱病だと診断された。道理で、あんなにたくさんの睡眠薬を飲んでしまったわけだ。偽証をした私が死ななかったのは確かに罰当たりだけど……なぜ私を死なせてくれなかったんだろう……】……一文字一文字が、鋭い刃となって創太の心臓を貫き、ズタズタに切り裂いた。彼の涙が、黄ばんだ日記帳のページに落ち、ひとしずく、またひとしずくと滲んでいった。全ては、寧々が彼のためにしてくれたことだったのか。法廷で証言したことさえ、拓巳に強要されていたのか。彼女には言いようのない事情があったのだ。そして……自分を責め、鬱病になり、睡眠薬を飲んで死のうとしたのか。あの時、自分は何をしていた?浦上家の実権を握り、成功した暁には彼女をどう報復し、苦しめるかを考えていた。なんて愚かな男だったのだろう。ちょうどその時、秘書から監視カメラの映像が送られてきた。創太は我に返り、ビデオを再生した。会場で豪華なドレ
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