弟の頭から血が流れ、脚も不自然に曲がっているのを見た若葉は、恐怖で大声を上げて泣き出した。担任の先生が長いことなだめて、ようやく少し落ち着いた。蒼司は娘をしっかり抱きしめ、優しく言った。「大丈夫、大丈夫だよ。パパが絶対に陽翔を守るから。もう泣かないで、な?」若葉は涙をこぼしながら小さくうなずき、しゃくり上げる声で言った。「でも……でも陽翔が目を覚まさないの……」「大丈夫、ちゃんと目を覚ますよ。先生がもう手術の準備をしてくれてるから」医者の話では、陽翔はすでに命の危険は脱していたが、頭蓋内出血の処置が必要とのことだった。さらに、折れた脚の手術も控えている。娘を落ち着かせたあと、蒼司は医
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