女性の院長は終始落ち着いた様子で言った。「精神に問題があるからといって、日常生活が送れないわけではありません。ただ、自分の精神をコントロールしにくい、というだけです」「行かないで!わ、私……あなたと話がしたいの!」由紀子は院長の腕を必死につかんだ。男性看護師たちが一瞬顔を見合わせると、院長は軽くうなずいた。「大丈夫よ。あなたたちは先に出ていて」部屋の扉は閉められなかった。由紀子が閉めるのを許さなかった。一度閉められたら、もう二度とここから出られなくなる気がしたのだ。「座って話しましょう」院長はそう促した。由紀子は感情を抑えきれない様子で言い募る。「わ……私は本当に病気なんかじゃない!
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