五年間、陰ながら支えてきた私は、彼氏をパラリーガルから大手法律事務所のパートナーにまで押し上げてきた。事務所の年間表彰式で、私は心から祝福するつもりで、サプライズを用意していた。しかしそこで目にしたのは、親密に並んでステージに上がる彼と、女性同僚の姿だ。「深沢俊也(ふかざわ しゅんや)が今日ここまで来られましたのは、すべて私が裏で知恵を貸したおかげですよ」新田結衣(にった ゆい)は誇らしげに言い放つ。彼も笑みを浮かべてうなずく。「確かに。結衣がいなければ、今の私はなかったです」会場は拍手喝采に包まれ、次々と祝辞が寄せられる。人々の影に立ち、私はまるで氷穴に突き落とされたかのように感じた。会場を出た私は、アシスタントに電話をかける。「俊也への人脈支援はすべて撤回して、今後の協力も打ち切る。彼が前に引き受けたあの違法案件もこれ以上は関与しないで、自分で始末をつけさせなさい」「水野社長、本当によろしいですか?一度打ち切れば、後戻りはできません」アシスタントがためらいながら口を開く。「先方は相当な実力者です。もし事を収められなければ、深沢弁護士は賠償金を支払うどころか、刑務所行きにもなりかねません。彼の人生もこれで台無しです!」私は会場を出ると、目にしたのは栄誉に飾られた壁で、その一番上には満面の笑みを浮かべる俊也の写真だ。五年間の付き合い。彼は私との結婚について、いつも曖昧な態度をとり続けてきた。「今は仕事に全力を注ぐ時期だ。落ち着いたら必ず結婚する!」そんな言葉を、私は何度も何度も聞かされ、その度に無条件で信じ、彼のために道を整え、全てを注いで彼を大手法律事務所のパートナーにまで押し上げてきた。だが、その報いは目の前での裏切りだけだ。「これ以上彼の肩を持つなら、あなたもクビよ」私は電話を切った瞬間、誰かに手をつかまれ、ぐるりと振り向かされる。「どういうつもりだ」俊也は息を切らせ、眉をひそめて問い詰める。「こんな大勢の前で、俺が話し終える前に席を立つなんて、周りがどう思うか考えろよ!」「あのまま残って、あなたたちのいちゃつきを見るっていうの?」私は手を振り払って、彼を睨む。俊也は腰に手を当て、うんざりした表情を浮かべる。「頼むから、やきもちするにしても場をわきまえて
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