昼間はメイド、夜は彼の慰み物。あの日、いつものように、痛みに耐えながら小泉京志(こいずみ ちかゆき)とやった。用が済むと、乱暴にも私をベッドから引きずり起こした。「明日から来なくていい」と、吐き捨てるような声だった。それを聞くなり、私は思わず足元が崩れ、ドシンとその場にひざまずいた。「わ、私……何か粗相をしましたか?どうか、どうかお追い出しにならないでください」ついさっきまで優しく囁いてくれた男が、今は冷たい目で私を見下ろしている。「栞が結婚を承諾してくれた。彼女は痛がりだからな。お前はただの練習台だ。使い終われば、それで終わり」さらに、唇を歪めて続ける。「お前は従順だろ、どうするか分かっているよな」……頭が真っ白になった。彼は結婚する?そんな現実を受け止める力は私にはなかった。立ち尽くす私を、京志は眉をひそめるようになった。「まだいるのか?」私は慌てて、破れた服をかき集めた。「かしこまりました」かすれた声で答え、破れた服を丁寧に身にまとい、足の痛みを我慢しながら、部屋を出ようとした、そのとき――「待て」短い声が背後から追っかけてくる。私は思わず振り返り、微かな希望が萌えだしたところ、頭に彼の上着が無造作にかけられた。結局、勘違いだった。「その格好、みっともない。せめて上着着ろ。あと、避妊薬も忘れるな」その言葉が氷水のように心の奥まで染み渡る。息潜めた希望は跡形もなく消え去った。私はぎこちない足取りで部屋を出て、静かにドアを閉じた。長年、京志に期待していること自体が間違いだったかもしてない。涙をこらえながら自室に戻ると、引き出しを漁り、手当たり次第に避妊薬を飲み込んだ。三年間、こんな日々が続いている。手鏡を見て、身なりを整え、仕事に行く支度をしている私、不意に首筋に残るキスマークに指先を当て、昔の記憶が蘇ってくる。京志との始まりは単に偶然だった。パーティーで、小泉家のライバルが彼の飲み物に薬を入れた。それを私が飲んでしまったのだ。常に彼のそばに控えるよう命じられていたから、薬が効いた時は二人きりだった。理性を失った私は、地面にひざまずき、泣きながら「助けて」とすがった。他の女性とは常に距離感を保っている京志はそういうことを好んでやってくれる
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