「穂乃果。大丈夫だよ」 私が泣いているのを見て、彼は顔を近づけてきた。 私は、さらに大粒の涙が出てきた。流しても流しても涙は止まってくれない。「だって私には障害があるんでしょ? 発達障害のことは正直詳しくは知らないよ。でも障害っていうぐらいだから他の病気と違って、一生治ることってないんだよね??」 『障害』という言葉が私に重くのしかかる。 私がもし重い病気だったなら少しは心への負担は少なかったのだろうか。病気なら必ず完治するわけではないのはわかっている。病気には病気の辛さもきっとあるだろう。 でも、障害は治ることがないから。「そうだね」 彼は苦しそうな顔をしながら、頷いた。 「そんなことないよ」とたぶん私は言ってほしかったのだと思う。今の状況のどこかに、安心できることを見つけたいのだ。「一生今感じている苦しみは消えることはない。今後もずっとこの辛さはつきまとってくる。ずっとだよ? その辛さを蒼は想像できる?? 今まで生きてきて理由は知らなかったけどすごくすごく大変だったから、今後も変わらないことはこの私でも簡単に予想がつく。私はまだ耐えなきゃダメなの? 終わりはどこにもないの?? 希望なんて何もないじゃない。もうこれ以上耐えられないよ」 今までずっと押さえ込んでいた感情が一気にあふれ出した。 我慢なんてやはりするべきではない。 何事も人の三倍以上頑張ってやっと人並み程度にできた。勉強もクラブ活動も仕事を覚えることも全てそうだった。でもそれだけ努力してもできない時も結構あった。楽に何かができたと感じた時なんて一度もない。それなのにその大変さに誰も気づいてくれない。「すごいね」なんて言われる時さえあった。私は何もすごくはない。そうしなければできないからただ頑張っているだけだ。 それに何度も何度も失敗をしてきた。そのことを誰かに伝えることはほとんどなく、いつも一人落ち込んでいた。だってできなかったことを誰かに話してもできるようにはならなあだろうから。 できなかったことに落ち込むというよりは、またダメな自分を見つけてしまったことが辛かった。 それに、私が何も考えずに発言すれば、どこかズレているようで人に笑われた。私にはその理由は未だにわからないけど、何度も何度もたくさんの人に馬鹿にされてきた。 そもそも私は自分の気持ちをちゃんとわかってい
Last Updated : 2025-09-19 Read more