翌朝、私はお腹にかかる圧迫感で目を覚ました。見ればルナがお腹の上で丸くなっている。 足元ではマロンが眠っていて、温かさを感じた。(川の字ならぬ何の字だろうね、これは) 一人と二匹で一緒に寝たのが、嬉しくてたまらない。「おはよう、ルナ、マロン」 二匹の頭を順に撫でる。(重い……けど、なんて幸せな重さなんだろう。この子たちが、今の私の全部だ) 二匹を起こさないようにそっと布団を抜け出して、朝食の準備を始めた。 キッチンに立つ私の足元に、いつの間にか起きてきたルナとマロンが寄り添って、朝食を待っていた。 二匹が並んでいる姿は、まるでずっと昔からそうであったかのように自然だった。 マロンはまだ少しお皿に怯える素振りを見せるけど、ルナが先に食べ始めると、安心したように自分も食べ始める。 一日一日、少しずつ。マロンの傷ついた心が、癒えていくのが分かった。◇ 日差しが差し込むリビングで、私はパソコンに向かっていた。 生活費を稼ぐための、データ入力の仕事だ。 本音を言えば、トリマーの仕事を増やしたい。 だがルナとマロンのことを思えば、長時間家を空けるのは難しかった。 マロンはまだ不安定だし、ルナだって子猫。少なくとも二匹がもっと落ち着いて、ストレスが少なく留守番ができるようになるまで、在宅の仕事をやっていくつもりだ。 パソコンに向かう私の傍らで、ルナは窓辺で日向ぼっこ、マロンは少し離れたラグの上で丸くなっている。(マロンがこんなに頑張っている姿を、誰かに知ってほしい) ふと、そんな思いが胸をよぎる。 けれどすぐに拓也の顔が浮かんで、私はその考えを打ち消した。(もしこのアカウントで投稿して、拓也に見つかったら。またマロンを奪いに来るかもしれないし、ルナにまで危害が及ぶかも……) ダメだ。危険すぎる。 でも……。 よく考えた末、私は一つの
Last Updated : 2025-09-08 Read more