◇◇◇◇◇◇◇◇第二十七話◇◇◇◇◇◇◇◇ 二人の様子を伺っていたファウストは声をかけるタイミングを逃していた。気楽に話しかけられる雰囲気ではない。頭を抱えながらも、ゆっくりと近づいていく。 時間が止まったまま動かない二人に声をかける。彼の言葉で現実に戻ってきた実感が湧いてきたあたしは急に立ち上がった。 「ごめんなさい」 急にファウストに向かって謝る。状況が掴めないファウストはただただ唖然としていた。そんな彼に手をかけ、耳元で囁きかけてくるダーシャ。気を抜いていた彼は「ひゃぁ」と可愛らしい声を漏らしながら、跳ねた。 「耳元で話しかけてくるなよ」 「悪い……」 「いいけど、それより顔色悪いぞ?」 「お前に頼みがある」 自分が動く事を前提で考えると、どうしてもファウストの力が必要になってくると判断した、ダーシャはあたしに聞かれないように小声で指示をしていく。ダーシャは何を言ったのだろうと眺めていると、真っ青にして震えそうになっているファウストの姿が目に映った。 「お前、それ」 「僕達は間違えたんだ、選択を」 「……伝達始動を使う」 「それがいいな」 伝達始動と言う言葉が聞こえてきた。それが何を意味するのかを把握出来ないあたしは、二人の会話に混ざろうと問いかけていく。 「伝達始動って何?」 「緊急の時に使う通信の事さ。詳しい事はダーシャから聞いた。ミレニア鉱石の正体も」 「……」 「辛かったな、サリア」 口調が変わっている事に気づかない程、焦っている。二人の会話を聞いていたダーシャは言いたい気持ちを
最終更新日 : 2025-11-08 続きを読む