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月が紡ぐ心〜君と僕が再び出会う時 のすべてのチャプター: チャプター 11 - チャプター 12

12 チャプター

断ち切る過去

◇◇◇◇◇◇◇◇第二十七話◇◇◇◇◇◇◇◇ 二人の様子を伺っていたファウストは声をかけるタイミングを逃していた。気楽に話しかけられる雰囲気ではない。頭を抱えながらも、ゆっくりと近づいていく。 時間が止まったまま動かない二人に声をかける。彼の言葉で現実に戻ってきた実感が湧いてきたあたしは急に立ち上がった。 「ごめんなさい」 急にファウストに向かって謝る。状況が掴めないファウストはただただ唖然としていた。そんな彼に手をかけ、耳元で囁きかけてくるダーシャ。気を抜いていた彼は「ひゃぁ」と可愛らしい声を漏らしながら、跳ねた。 「耳元で話しかけてくるなよ」 「悪い……」 「いいけど、それより顔色悪いぞ?」 「お前に頼みがある」 自分が動く事を前提で考えると、どうしてもファウストの力が必要になってくると判断した、ダーシャはあたしに聞かれないように小声で指示をしていく。ダーシャは何を言ったのだろうと眺めていると、真っ青にして震えそうになっているファウストの姿が目に映った。 「お前、それ」 「僕達は間違えたんだ、選択を」 「……伝達始動を使う」 「それがいいな」 伝達始動と言う言葉が聞こえてきた。それが何を意味するのかを把握出来ないあたしは、二人の会話に混ざろうと問いかけていく。 「伝達始動って何?」 「緊急の時に使う通信の事さ。詳しい事はダーシャから聞いた。ミレニア鉱石の正体も」 「……」 「辛かったな、サリア」 口調が変わっている事に気づかない程、焦っている。二人の会話を聞いていたダーシャは言いたい気持ちを
last update最終更新日 : 2025-11-08
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終焉

◇◇◇◇◇◇◇◇第二十九話◇◇◇◇◇◇◇◇ サリアを世界追放してから事実をダーシャに知られてしまったヒエンは自由を失った。あの世界で存在していたはずなのに、沈めば沈むほど綻びていく。どちらかしか選ばれない。そんな現実を受け入れられる訳がなかった。 「最低ね、私」 輝いていた二人の背中が遠くなっていく。ヒエンはダーシャを愛していたが、それ以上にサリアを愛していた。その事に気付く事になるなんて、どれほど自分は愚かなのだろうと口にしていく。 今までの感情を吐き出すように、沢山の言葉を重ねていった。誰にも届く訳がないのに、それでも彼女は語る事しか出来ない。 鏡の女神ーーその存在を知って以来、ヒエンの中で知らない自分が生まれていた。もう一人の彼女は本来のヒエンとは別人のように感情を荒ぶっていく。抑えれる所まで我慢していたヒエンは、痛みと呪詛に苦しみながら、綺麗な涙を流して呟いた。 「サ……リア」 同じ人を愛した。 二人が相思相愛だった事を理解しているはずなのに 止める事が出来なかったーー 空間の一部となって揺れていく彼女の行き着く先は誰にも分からない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 空から降ってくる声はあたしを呼んでいる。その声はずっとあたし見守ってくれていた存在、姉のヒエンの声だった。昔のように優しく語りかけてくるような声に涙が溢れていく。自分が知らない所で彼女は何を想い、何を隠したのだろう。 あたしはヒエの声の洗礼を受けるように両手を天井に掲げていく。すると祝福するように流れ星が天井を突き破り、あたしの体へと注がれていった。 物体化されていない星屑達は、まるで映像
last update最終更新日 : 2025-11-09
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