凑が結婚する前、真由美が彼に紹介しようと連れてきた見合い相手の数といったら、両手でも足りないくらいだった。真理はまだマシな方だ。少なくとも「会いたくない」とか「気に入らない」と嫌な顔をすることはなかった。美咲は遥に尋ねた。「うちのいとこ、どう思う?」遥と知り合ったばかりの頃、美咲は彼女がすでに子供までいるとは知らず、誠を遥に紹介しようと考えていたのだ。遥は単刀直入に答えた。「かっこいいとは思うけど、でも、どうしようもなくつまらない男ね」美咲は笑った。「うちの社長だって、相当つまらない男じゃない?」退屈さ加減で言えば、湊と誠はまさにいい勝負だ。遥は大真面目な顔をして首を横に振った。「仕方ないのよ。私が彼と出会った時、彼はあまりにもカッコ良すぎたの。私、そういうのには弱いのよ」遥は今でもはっきりと覚えている。初めて湊を見た時、彼は人混みの中でまるで自ら光を放っているかのように眩しかった。あんな存在を、誰もが見逃すはずがないのだ。美咲は真由美たちがこちらを見ていない隙を突き、口元を手で隠してこっそりと耳打ちした。「つまり、遥ちゃんは彼が一番元気だった時期を美味しくいただいちゃったってわけね?」遥は目を瞬かせ、同じく大真面目な顔で答えた。「今だって負けず劣らずよ。むしろ、あの頃よりもっと激しいくらい」美咲は遥を見つめ、思わず瞳孔を開いた。夫婦生活はおろか、夫の顔を半月も見ていない美咲は、死ぬほど羨ましくてもはや何の言葉も出てこなかった。遥ちゃんは、いい思いしてるわね。……庭園では、真理の左右を二人の男が挟むようにして歩いていた。三人とも無言だった。真理が口を開いた。「お二人とも、本当は来たくなかったんでしょ?家からのミッションをこなすためだけに来たんだよね?適当に写真を撮って、ご家族にはそれで報告したらどう?私も母にはそう言っておくから」二人の男はこくりと頷いた。真理はスマホを取り出し、それぞれの男とツーショット写真を撮って相手に送った。これで、三人はお見合いのミッションを無事にクリアしたことになる。もう一人の男は医者だった。スマホをしまうと「午後にオペが入っているから」と言い残し、足早に九条家を去っていった。真理は片眉を上げ、誠を見た。つまり
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