All Chapters of チートスキル「ダンジョンクリエイト」で配信無双!ガトリング少女と共にこのハードモード人生を抜け出す!: Chapter 51 - Chapter 60

65 Chapters

第51話 新宿ダンジョン⑤

 ワラワラと寄ってくるのは、人喰いのモンスター・グールの軍団。  妖刀バイスの力を試すため、俺はある程度敵集団を引きつけたところで、ブンッ!  と刀を振った。  その時、合わせて「ダンジョンクリエイト」のスキルも発動するよう、念を込める。  すると、刀の振りに連動して、地下鉄の天井がグニャリと変化したかと思うと、ザンッ! と鋭く伸びて、グール軍団をまとめて斬り裂いた。 「おおお、すげええ!」  正直、刀の使い方なんて学んだことが無い。せいぜい学校の授業で剣道を軽く教わったくらいだ。それでも、「ダンジョンクリエイト」との合わせ技で、難なく敵を倒すことが出来る。  まさに、無双の気分。 「よし! 行くぞ!」  俺は一気に駆け出した。  妖刀バイスを駆使して、モンスター達を薙ぎ倒し、障害物をどかし、どんどん道を切り開いていく。  気が付けば、「西新宿」の駅に辿り着いていた。  ホームに上がった俺は、階段を駆け上がっていく。途中、崩落している箇所もあったけど、それは「ダンジョンクリエイト」で瓦礫を変形させて、難なく通過した。  地上に出ると、嘘みたいに爽やかな青空が広がっている。  大ボスのダンジョンなのだから、もっと禍々しい雰囲気であってもいいのに、ここまで爽やかだと、なんだか拍子抜けしてしまう。  だけど、油断は禁物だ。  ビルの陰から、サイクロプスが現れた。  さらに、背後からも、左右からも、一つ目巨人が姿を現す。 (上等だ。全部まとめてぶっ潰してやる
last updateLast Updated : 2025-12-22
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第52話 新宿ダンジョン⑥

 イワナガヒメは空中でスーッとゆっくり横に移動し始めた。  攻撃が来る。  そう思った俺は、咄嗟に、後方へと下がった。イワナガヒメのねじれ攻撃を回避するためだ。  ところが、 「読みが甘いのう」  イワナガヒメの声が、背後から聞こえてきた。  背中に、トンと指を当てられる感触。  バカだった。時を止めている間、イワナガヒメは自在に動ける。俺がどのように回避しようと関係ない。ただ固まっている俺に近付き、指を当てればいいだけだ。  殺される――そう覚悟した瞬間、横からドドドドド! と激しい銃撃音が聞こえてきた。 「ぬ⁉」  イワナガヒメはすかさず俺から離れる。俺の背後を、無数の銃弾が通過していった。 「何者じゃ!」  とどめを刺すところを邪魔された怒りからか、イワナガヒメは憎々しげに乱入者へ向かって問いかけた。 「私は御刀アナスタシアよ! 覚悟しなさい! 蜂の巣にしてやるから!」  ナーシャ⁉  どうして、ここにナーシャが⁉  ツインタワーを背後から奇襲するはずじゃなかったのか⁉ 「ほら、ボサッとすんな!」  ナーシャだけじゃない。シュリさんもいる。  さらに、四方から爆発が起きた。見れば、俺に向かって迫ってきていたサイクロプスの軍団が、頭を吹き飛ばされて、グラリと倒れている。 「説明は後です。今は、イワナガヒメ攻略を優先しましょう」
last updateLast Updated : 2025-12-23
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第53話 新宿ダンジョン⑦

「マジで……! 不死身なの、あいつ……⁉」  ナーシャはガトリングガンを構え直したが、すぐには攻撃を開始しない。様子見に入っている。  チハヤさんやシュリさんも同じだ。底の知れない敵の強さに、これ以上攻めかかるのをためらっている。  俺は、瞬時に頭を回転させた。  どうする? どうやってこの場を切り抜ける?  考えろ、考えるんだ。じゃないと、イワナガヒメと戦い続けていれば、いつかは俺達が負けてしまう。こいつは、まともに戦ってはいけない敵なんだ。戦うのではなくて、この戦いをいかに回避するか、そのことだけを考えろ。  そして、俺は閃いた。  閃いた、というより、半ばはヤケのような感覚だ。下手したら、負けてしまうかもしれない。全滅を早めるだけかもしれない。  でも、ここで覚悟を決めなければ、生き残るチャンスを掴むことは出来ない。 「ナーシャ、チハヤさん、シュリさん。俺の合図に合わせて、ツインタワーのほうへ走って」「え?」  ナーシャが首を傾げた。  作戦を説明したいところだけど、そんな余裕はない。イワナガヒメは空中で体勢を変えて、こちらへ向かって飛んでこようとしている。 「今だ! 走って!」  三人とも、いきなり俺の合図を受けて、ほんの少しだけスタートが遅れたけど、そこは何も言わずとも信頼してくれたのか、揃って走り出した。 「死にに来たか!」  凄絶な笑みを浮かべたイワナガヒメが、両腕を広げながら、空中をまっすぐ飛んでくる。  そこで、
last updateLast Updated : 2025-12-23
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第54話 新宿ダンジョン⑧

 塔の中は、驚くほどサクサクと進むことが出来た。  てっきり、ゲームよろしく、各階層にボスモンスターでもいるのかと思っていたけど、現れるのはオークとかゴブリンばかり。大した敵は現れなかった。  ものの数分で、俺とナーシャは最上階に辿り着いた。途端に、異様なものが目の前に現れた。  短毛種の猫が、丸まったニャンモナイト状態で寝転がっている。  だけど、ただの猫ではない。  サイズが馬鹿みたいに大きい。頭の大きさだけで人間くらいのデカさがある。ふわあ、と大あくびしているのを見ると、そのまま人一人飲み込んでしまうんじゃないか、と思われるほどの迫力がある。 「ニャ? 誰だニャ」  しかも、喋ってきた。  俺の横で、ナーシャがプルプルと震えている。  ヤバい。こいつに猫は危険だ。 「おい、ナーシャ、まさかあんな化け猫でも、可愛いとか言い出すんじゃ――」「かーわいいいいいいい!」「……言ったよ」「なに⁉ なんで⁉ あれってシンガプーラじゃない! カンナ、知ってる⁉ シンガプーラって、妖精さんって呼ばれるくらい、普通は猫の種類の中でも小柄なほうなんだよ! それなのに! なのに! 何よ、あのサイズうううう! モフモフじゃないのおおお! モフモフ祭りよ! モフモフ祭りぃぃぃ!」  ダメだ、ナーシャが壊れた。 「そうだニャ。あたしはシンガプーラのマキアだニャ。ゲンノウ様のペットだニャ」「ひいいいい! もうやめてええ! 声まで可愛すぎるぅぅぅ!」  もういい、ナーシャはこの際無視しよう。 「マキア、とか言ったな。ゲ
last updateLast Updated : 2025-12-24
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第55話 新宿ダンジョン⑨

 俺は身構えた。親父の口から、ようやく、あの時の真実が語られようとしている。  いったい、どんな理由で、俺やノコや母さんを見捨てて行ったのか。  続けて、親父が語り始めようとした、その時だった。 「見つけたぞ、小僧! わらわを愚弄しおって!」  下のフロアから床を突き破って、イワナガヒメがここ最上階へと飛び込んできた。 「ニャ! 大変だよ、ご主人様、姫様が帰ってきたニャ!」  マキアはそう言って、ナーシャの上からどくと、ゲンノウのそばへと駆け寄った。  大変? いま、あの化け猫、大変とか言ったか? それはどういう意味だ? ゲンノウはイワナガヒメと手を組んでいるんじゃなかったのか? 「ふん、ゲンノウ、うぬもおったか。わらわを追い出しおって」「イワナガヒメよ。もうお前に興味はない、と言ったはずだ」「この地に来るなり、言いおったな」「だからこそ、わざわざ二つの塔を建てて、私とお前で、別々の拠点を構えるようにはからったのだ。大人しく向こう側の塔に戻っていれば良いものを、どうして私の塔へ押しかけてきた」「その小僧を殺さねば、わらわの気が済まぬ」「それは困るな。いまから親子の大事な話をするところだったんだ」「大事な話? ふん、それはあれか。わらわに、うぬの亡き妻を蘇らせるよう頼みこんできた、あのことか」  親父の亡き妻――つまり、俺の母さんを、蘇らせる、ってことか⁉  そんなことを、親父はイワナガヒメに頼んでいたのか⁉ 「待ってくれよ。イワナガヒメ、あんたは不老長寿の力は持っているだろうけど、死者を蘇らせるなんて、そんな力は持っていないだろ」「そうじゃ。わらわに出来ることは、せいぜい永遠の命を授けることくらい
last updateLast Updated : 2025-12-24
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第56話 新宿ダンジョン⑩

「あなたのお父さん、控えめに言っても、その、あれね……だいぶイカれてるわね」「俺もそう思う」  まともな思考をしていたら、余命僅かの人間を救う方法なんてこの世にないと、わかりそうなものだ。  だけど、ゲンノウは、その手段を探し求めた。  愛する妻の残された時間を、大切に扱おうとは思わず、あり得ない道を模索し始めた。それは現実逃避としか言いようがない。  それに――ゲンノウが見ているのは、結局、母さんのことだけだ。  俺やノコは最初から眼中にない。あろうことか、常世から母さんを呼び戻すために、俺を生け贄に捧げようとまで考えている。  酷い男だ、と思った。 「さて、役者は揃った。そろそろ次のフェーズに移るべき時だと思わないかね」  ゲンノウは俺達とイワナガヒメを交互に見た後、両腕を広げて、身構えた。 「得たいものがあるのであれば、勝って、手に入れる。違うかな?」  直後、イワナガヒメが最初に動き出した。  彼女の姿がパッと消えたかと思うと、次の瞬間、ゲンノウの真横に接近していた。  そこから指を突き出し、ゲンノウの頭に触れようとする。 「おっと」  ゲンノウは腕を上げてガードした。  だが、イワナガヒメの魔の指が、ゲンノウの腕に触れてしまった。 「ねじれよ」  残酷な宣告の後、ブチィッ! と嫌な音を立てて、ゲンノウの左腕がちぎれ飛んだ。腕の切り口から、血が噴き出す。  それでも、
last updateLast Updated : 2025-12-25
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第57話 《ウキウキ動画》(ライブニュースとコメント)

「見てください! 我々はいま、信じがたい光景を目の当たりにしています! 新宿区が! あの新宿区が! 大地からえぐり取られて! 巨大なモンスターとなって進撃を開始しています!」   《:日本終了のお知らせ》 《:やべえよ、俺の実家、隣の中野区なんだけど》 《:亀ーーーーー!》 《:多脚砲台!》 《:祭りだ祭りだ!》 《:よく崩れないなあの図体で》 《:目が光ってるううう》 《:まさか他のダンジョンも巨大モンスターに変形したりする?》 《:おいおいおいおいおいおいおいおい》 《:うわあああああああああああ》 《:終わった!》 《:いよいよ最後さようなら皆さんさようなら!》   「信じられません! まったく信じられません! しかもその信じられない事件がいま我々の眼前において展開されているのであります! あの巨大な新宿亀は、ゆっくりと、しかし着実に、中野区方面へ侵攻中です! どうか、この放送を視聴中の中野区の皆様、すみやかに避難してください! 繰り返します! 中野区の皆様、すみやかに避難してください!」   《:俺中野区だけど病気の母ちゃんが寝込んでるから逃げられないオワタ》 《:こんなの自衛隊止められるのかよ》 《:誰か止めてええええ》 《:思った以上に進軍スピード速いな》 
last updateLast Updated : 2025-12-25
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第58話 ラスボス戦①

 ウキウキ動画に弾幕のようにコメントが流れてくる。  全部、俺のことを応援する声だ。  画面を、自分のチャンネルに切り替えると、いつの間にか登録者数は10万人を超えている。しかも、数はまだまだ伸びていく。  だけど、喜んでいられる状況ではない。  それだけ大変なことが起きていて、全ては俺にかかっている。 「やるしかないか……!」  とは言っても、この広大な新宿区そのものがモンスターなのである。  いったい、どうやって倒せというのだ。 「カンナさん、無理はしないでください」  チハヤさんが青ざめた顔で、首を横に振った。 「この敵は、核でも落とさない限り、倒せないです」「そうすかね」「え……?」「誰かがコメントで言ってましたけど、敵はダンジョンそのものです。ということは、その体は、俺の『ダンジョンクリエイト』で好きなように改変できる、ってことです」「それが出来たからと言って、どうにかなるものではないでしょう」  チハヤさんは吐き捨てるように言った。あなたは全然わかっていない、とでも言いたげな表情だ。  うん、その気持ちはわかる。敵はあまりにも巨大すぎる。俺の「ダンジョンクリエイト」で少しばかり改造したところで、痛くも痒くもないだろう。 「だけど、必ず弱点があるはずなんです」「これはゲームじゃないわ。現実に起こっていることよ」  その時、ナーシャが、「あ」と声を上げた。 「そうよ、ゲームじゃない…&h
last updateLast Updated : 2025-12-26
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第59話 ラスボス戦②

 俺達は地下道に入り、まっすぐ新宿駅へ向かって走っていく。  途中、コボルトやドワーフといったモンスターが行く手を遮ってきたが、全部叩きのめしていった。  とにかく急がないといけない。時間をかければ、かけた分、犠牲者はどんどん増えていってしまう。 「新宿駅も、それだけでダンジョンになるくらい広いから、イワナガヒメがいるかどうか、見つけるだけでもひと苦労ね」  ナーシャは懸念を口にしたけど、その心配は杞憂に終わった。  新宿駅西口地下広場。  「新宿の目」という、目の形をした大きなアクリル製オブジェがある、その前に、イワナガヒメはいた。  彼女は繭のようなものに包まれており、意識を失っているのか、目を閉じてピクリとも動かない。  繭のようなものからは触手が何本も伸びていて、ドクンドクンと脈打っている。繭の中から、エネルギーを送り出しているようだ。 「よーし、派手にいくわよ!」  ナーシャがガトリングガンを構えて、繭に狙いを定めたところで、俺は慌てて攻撃を中断させた。 「ちょっと待った! 撃たないで!」「なんでよ! あいつを倒せばいいんでしょ!」「イワナガヒメが普通には倒せないことは、さっき戦ってわかってるだろ。それに、あっちもゲンノウに恨みがあるはずだ。上手く立ち回れば、もしかしたら」「まさか、味方に付けられるとか、甘いこと考えてるんじゃないでしょうね。人間に恨みを持っているあいつが、私達に協力するわけないでしょ」「わかった。言い争いしている暇はない。だけど、まずは繭そのものじゃなくて、触手を切ったほうがいいと思う。エネルギーの流れを断つんだ」「オッケー、任せてよ!」  あらためてガトリン
last updateLast Updated : 2025-12-26
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第60話 ラスボス戦③

 新宿の目に向かって、俺はまっすぐ突っ込んでいく。両脇を、ナーシャとチハヤさん、シュリさんが併走しており、後方ではレミさんがスナイパーライフルで援護射撃の体勢を取っている。 「甘い」  ゲンノウはそう言って、ダンジョンの構造を変化させた。  さっきまで目の前にあった新宿の目が、グルンと移動し、天井へと移る。 「逃げるな!」  俺は妖刀バイスを振るのと同時に、天井の構造を作り変える。天井に張りついている新宿の目だけが突出するように、グニャリと歪んで、俺達の前まで下がってきた。 「えええい!」  そこへ、刀を叩き込んだ。  一気に爆散させるイメージで。  天井から柱のように伸びていた新宿の目が弾け飛んだ。 「やった!」  ナーシャが歓びの声を上げたのも束の間、今度は、天井一面、壁一面、床一面に、ビッシリと、無数の新宿の目が現れた。 「今のはダミーかよ!」  どれが本物の新宿の目で、ゲンノウの本体なのかわからない。  一つ一つ潰している暇はない。そんなことをしていたら、その隙に逃げられてしまうかもしれない。 (ん……? 逃げる……?)  ふと、疑問に思った。  どうしてゲンノウは、わざわざ俺の相手をしているのだろう。  俺が「ダンジョンクリエイト」持ちであり、いまやダンジョンと一体化したゲンノウにとっては必殺の攻撃手段を持っている天敵であるということは、わかっているはず
last updateLast Updated : 2025-12-27
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