로그인突如として世界各地にダンジョンが現れた。次々とダンジョンに挑む者が現れる中「ダンジョン配信」ブームが巻き起こる。 そんな中で病気の妹を養う少年・木南カンナは一攫千金を狙うため、自らもまたダンジョン配信へと挑む。 カンナはスキル持ち。その能力とは「ダンジョンクリエイト」。 自在にダンジョンを構造そのものから作り変えるチートスキル持ちの彼は、しかし、その能力ゆえにダンジョンの創造主と誤解されるため、思うように配信活動が出来ずにいた。 ある日、カンナは人気配信者・御刀アナスタシアを窮地から救うが それがきっかけでアナスタシアから大注目されてしまう。 底辺配信者だったカンナは、この時を境に、劇的に変化していく。
더 보기それから五日後。 異例の早さでパスポートを発行してもらった俺は、リュックに着替えとか生活必需品とかを詰めるだけ詰めて、空港へと行った。 ノコについては、リュカに面倒を頼んだ。友達を頼るのは気が引けたけど、リュカは事情を知った上で、そういうことならと、快諾してくれた。通院の対応や、定期的に寄っては状態を確認するなど、日々の世話をしてくれる。ありがたい話である。 空港に着くと、すでにタチアナとオリガが待っていた。「遅いです」 タチアナはむぅと頬をふくらませている。「タニャ姉、カンナさん時間通りに来たよー。遅くないよ」 オリガがすかさずフォローを入れてくれたけど、タチアナは、もっと早くに来てほしかったのだろう。不機嫌そうな様子を緩めることはない。 なかなか気難しい子だな、と扱いに困っていると、ちょうどそこへチハヤさん達もやって来た。「ああ、この子達が、ナーシャさんの妹の……」「タチアナです」「オリガ!」 温度差のある、二人の挨拶。 オリガとは仲良くやっていけそうだけど、タチアナはなかなか気難しいところがある。この先の旅は大丈夫だろうか、と心配になる。「先方は何か文句言ってました?」「ええ、かなり。宴席とかも設けていてくれたみたいで、それらの予定を全て一から作り直しですから、だいぶ激怒しています」 そう言いつつ、チハヤさんは涼しげな顔をしている。「なんか、だいぶ余裕ですね」「私、正直な話、中国って嫌いなんですよ。国家も、人民も。だから、迷惑かけてもあまり気にはならないです
チハヤさんとの通話を切り、急いで配信サイトを立ち上げた。 検索するまでもなかった。オススメの動画のトップに、虎剣のライブ配信が表示されている。 配信を覗いてみると、どこかのダンジョン内、石造りの通路の中で、虎剣がモンスターと戦っているところだった。 虎剣はカンフー服を着た筋骨隆々とした男である。短く刈り揃えた髪に、男前な顔立ち。格闘ゲームにでも出てきそうな見た目だ。 配信のタイトルには「始皇帝陵」と書かれている。たぶん、そういう名前の遺跡か何かなのだろう。そして、戦っているモンスターは、いわゆる兵馬俑というやつだろうか、古代中国の兵士の姿を模した人形だ。 そんな虎剣とともに、兵馬俑を駆逐しているのは――ナーシャだ。 トレードマークのガトリングガンこそ持っていないが、レオタード型のパワードスーツは着ており、徒手空拳で無敵の強さを見せている。 あっという間に、兵馬俑達を駆逐した後、虎剣とナーシャはカメラの前に並んで立った。 虎剣は、ナーシャの肩を親しげに抱くと、ニカッと笑って、何か中国語で喋り始めた。「她是我的新搭档阿纳斯塔西娅! 她很强!」 なんて言っているのかさっぱりだが、「阿纳斯塔西娅」だけは聞き取れた。ナーシャの正式な名前だ。 ナーシャは、あんなに感情豊かだった彼女らしくなく、やけに無表情だ。それに、ひと言も口をきいていない。何があったのか、どうして虎剣のパートナーとして戦っているのか、なぜ中国にいるのか、よくわからない。 わからないけど、俺はジワジワと湧き上がってくる喜びを噛み締めていた。&
あの戦いから一ヶ月が経った。 崩れ落ちた新宿区によって、中野区も壊滅的な被害を受けており、その避難民の受け入れをどうするかが社会問題となって、連日新聞やテレビ、ネットニュースを賑わせている。 中には、なぜか俺のことを悪者扱いする連中もいる。アクーパーラを倒さなければ、こんなことにならなかった、とかいう意味不明な論調で罵ってきている。まあ、そういうアホな奴らもいるだろう、と思って、全然気にしていない。 俺自身はだいぶ落ち着いてきたので、久々に、母さんの墓参りに行った。 ノコは連れていかなかった。俺だけだ。親父のことを報告したかったので、ノコにはいてほしくなかった。 東京の西部、丘陵地帯の眺めのいいところに、霊園はある。 花束を持って、母さんの墓まで行くと、おかしなことに気が付いた。 すでに花が供えられている。「誰だろう……?」 うちの親族で、墓参りするような人は思いつかない。そうしたら、母さんの友人とか、そんな人達だろうか。 空いているスペースに花を差し込んでいると、初老の痩せた男性が、水の入った桶を持って、こちらへ向かってくるのが見えた。 誰だろう、と思って見ていると、相手は俺のことを見た瞬間、にっこりと微笑んだ。「やあ、カンナ君。お母さんの墓参りかい」「どちら様でしょうか」「君のお母さんの主治医をしていた、東郷という者だよ。君の活躍は、配信で見させてもらった。いや、すごかったね。お陰で多くの人が助かったよ」「先生は、わざわざ、お墓参りに?」「いつもはお盆の時期にお墓参りしているんだけどね、今日は特別だ」
家に帰るのに、一週間はかかった。 理由は、各方面への対応に追われていたからだ。 まず、ダンジョン探索局にチハヤさん達が事態の報告をするのに当たり、俺の協力が必要だった。ゲンノウが人間である時に、最後に接触したのが俺だったからだ。 それと、警察やら、自衛隊やらの、聞き取り調査。 それらが終わったら、今度は、学校への謝罪に行かないといけなかった。校則で、ダンジョン配信は禁止、とされていたにもかかわらず、配信をやっていたことがバレてしまったからだ。 退学になりかねないところ、チハヤさんも説得に協力してくれて、なんとか停学処分で済むこととなった。 そこまで終わったところで、やっとひと段落つき、俺は家へと帰ることが出来た。「お兄ちゃん……!」 帰るなり、ノコが飛びついてきて、抱き締めてきた。その頭を、俺は優しく撫でてやる。 家に戻れない間は、電話でやり取りをしていた。声だけでも聞かせていたが、やっぱり、それだけでは不十分だったようだ。「もうダンジョン配信なんてやめてね! お願いだから!」「ああ、そうするよ。今度配信をやったら、学校を退学になるかもしれないし」 登録者数十万人超えの現在、ダンジョン配信をしないのはもったいないけど、致し方あるまい。 ちなみに、日本各地のダンジョンは、ゲンノウが倒されても変わらず存在している。あいつが作り出したダンジョンではあるけど、あいつを倒せば消える、というわけではないようだ。 なので、今日もどこかで、ダンジョン配信をしているDライバーがいることだろう。「お父さんが戻ってくれば&helli
ウキウキ動画に弾幕のようにコメントが流れてくる。 全部、俺のことを応援する声だ。 画面を、自分のチャンネルに切り替えると、いつの間にか登録者数は10万人を超えている。しかも、数はまだまだ伸びていく。 だけど、喜んでいられる状況ではない。 それだけ大変なことが起きていて、全ては俺にかかっている。「やるしかないか……!」 
「あなたのお父さん、控えめに言っても、その、あれね……だいぶイカれてるわね」「俺もそう思う」 まともな思考をしていたら、余命僅かの人間を救う方法なんてこの世にないと、わかりそうなものだ。 だけど、ゲンノウは、その手段を探し求めた。 愛する妻の残された時間を、大切に扱おうとは思わず、あり得ない道を模索し始めた。それは現実逃避としか言いようがない。 それに――ゲンノウが見てい
俺は身構えた。親父の口から、ようやく、あの時の真実が語られようとしている。 いったい、どんな理由で、俺やノコや母さんを見捨てて行ったのか。 続けて、親父が語り始めようとした、その時だった。「見つけたぞ、小僧! わらわを愚弄しおって!」 下のフロアから床を突き破って、イワナガヒメがここ最上階へと飛び込んできた。「ニャ! 大変だよ、ご主人様、姫様が帰ってきたニャ!」
そこから先は、とにかく一直線だった。 地下鉄の線路上を駆けながら、時には障害物を「ダンジョンクリエイト」でどかして、道を切り開いていく。 幸い、モンスターと遭遇することは稀だった。 現れても、ゴブリンのような、俺でもなんとか倒せる相手だった。「せやあ!」 日本刀でゴブリンを斬り裂いた後、俺は急にこの刀のことが気になり、銘を確認してみた。