プロジェクト開始から六ヶ月。 ついに、研究は完成した。 タンパク質フォールディング制御技術を用いた新しい医薬品開発の基礎理論が、完全に確立された。 その成果を発表する国際学会が、東京で開催されることになった。 R.H.も、初めて公の場に姿を現すことが決まった。「柊さん、準備はいいですか?」 学会当日の朝、神宮寺が麗華のラボを訪れた。「はい……少し緊張していますが」 麗華は、新しいスーツに身を包んでいた。黒のパンツスーツに、白いブラウス。髪は、きっちりとまとめている。「あなたは、美しいですね」 神宮寺の言葉に、麗華は顔を赤らめた。「そんな……」「本当です。内面の強さが、外見にも現れています」 麗華は、鏡に映る自分を見た。 そこには、自信に満ちた女性が立っていた。「神宮寺さん、一つ決めました」「何を?」「今日の発表で、私は正体を明かします」 神宮寺は、驚いた顔をした。「R.H.が、柊麗華だと?」「はい。もう、隠す必要はありません」 麗華は、神宮寺を見た。「私は、柊麗華として、堂々と研究者であり続けたい」 神宮寺は、長い間麗華を見つめた。 そして、微笑んだ。「分かりました。あなたの決断を、尊重します」 国際学会の会場は、東京国際フォーラムの大ホールだった。 五百人以上の研究者が集まり、R.H.の初登壇を待ち構えていた。 舞台裏で、麗華は深呼吸をした。「大丈夫ですか?」 神宮寺が、隣に立っていた。「はい。もう、迷いはありません」「では、行きましょう」 司会者が、マイクを手に取った。「それでは、本日の基調講演者をご紹介します。生物工学界の新星、数々の画期的な研究成果
Last Updated : 2025-12-11 Read more