彼女の思っていた「訓練」とは、午前中や午後に数時間素振りをするか、獣の討伐を少し行う程度のことだった。しかし、ユウの説明からすると、それはもはや丸一日、あるいはそれ以上の時間をこの場所で訓練に費やし、生活していたという口ぶりだったからだ。(家に帰らずに寝ちゃうって……! それって、ほぼ住んでるってことじゃん!) その徹底した鍛錬への姿勢に、リリは驚きを隠せなかった。そして、ギルドでユウの手を握った時に感じた、あの常人とは比べ物にならない分厚い剣ダコがあるのも、彼のこの生活を聞けば納得ができた。「そっかーそれじゃ、剣術を見せてもらおうかなぁ♪たのしみっ☆」 リリは、ユウの訓練への熱心さに感心しつつ、すぐに本題へと移った。彼女の瞳は、期待に満ちて輝いている。 だが、その指示にユウは戸惑いを覚えた。ユウにとっての剣術の練習とは、もっぱら森で魔獣や獣を相手にした実戦だった。もちろん、日々の素振りは欠かしていなかったが、「剣術を見せる」という、いわゆる型や形を披露するという指示は、リーナからは習っていなかったからだ。「えっと……剣術を見せるって……どうやってですか?」 ユウが正直に尋ねると、リリは質問の意味が分からなかったのか、小首を傾げた。その仕草は、とても可愛らしいものだった。 リリは、首をコテリと傾げたまま、しばらく固まってしまった。そして、周囲を見回して見た。一般的な剣術の練習場でよく見かける、木に藁を巻いて打ち込みの練習をするためのものが、この場所には一つもない。「いつも、どうやって練習をしてるの?」 リリが改めて尋ねた。「獣の討伐や、素振りくらいですね……」 ユウの答えは、彼が普段から実戦形式の訓練を主体にしていたことを、リリに明確に伝えた。「……なるほど♪ 実戦形式ってわけかぁ……それじゃあ、わたしに打ち込んできて……って、剣は?」 リリは、
Última atualização : 2026-02-10 Ler mais