本当の友達なら、足を引っ張ったり、あの手この手で傷つけたりするはずがない……「知恵、一体何があったの?」和幸から少し話は聞いたものの、断片的なことしか分からず、事情を十分には理解できていなかった。もし知恵の身に危険が及ぶようなことだったのなら、それは決して小さな問題ではない。知恵はお椀を持つ手に力を込め、うつむいていた。何から話せばいいのか分からなかったのだ。真帆は、知恵がこれほどまでに落ち込んでいる姿をほとんど見たことがなかった。本当に踏み込まれたくないことに触れられたのだろう。その時、和幸の頭に、美波が言っていた言葉がふと浮かび、恐る恐る尋ねた。「……口唇裂が原因なのか?」口唇裂!?真帆は目を見開いて知恵の顔に目を向けた。整った美しい顔立ちは、化粧をしていなくても清楚で愛らしく、整形したような痕跡はまったく見当たらない……真帆の視線を受け、知恵は苦く笑った。「ほら、真帆も不思議だと思ったでしょ……」知恵は自分の唇にそっと触れた。「十三歳までは、ずっと口唇裂だったの。普通の口唇裂とは少し違っていて、お父さんとお母さんはいろいろな病院を回ったけど、どの病院でも治療は難しいって言われてた……でも十三歳の時、おじいちゃんが偶然昔の友人と再会したの。その人とは二十年近く会っていなかったんだけど、私を診てもらって初めて、その人がこの分野で有名な専門医だと知ったの。しかも、口唇裂の治療を専門にしている先生だった」そう話す知恵の目には涙が浮かんでいた。それでも必死に涙をこらえて続けた。「おじいちゃんは、『お前は運がいい。大人になる前に恩人に出会えたんだから』って言ってた……そのあと、そのことがテレビで取り上げられて、その先生はますます有名になって、私もテレビ局によく取り上げられるようになったの」知恵は苦笑した。「でも私は……」「そのことを宣伝みたいに扱われるのは嫌だったし、口唇裂だったことを誰にも知られたくなかったんでしょう?」真帆は知恵のことをよく分かっていた。大学で知り合ってから七、八年になるが、知恵は一度もこの話をしたことがなかった。きっと、その過去を完全に隠したかったのだろう。あの頃、周りから心ない言葉を浴びせられた日々は……知恵にとって、一番つらい時期だったに違いない。「ちょっと真帆、知恵
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