Tous les chapitres de : Chapitre 21

21

救急車

智也は、本当にそんな予感がした。でも、多分大成の知り合いなので立ち止まらざるを得なかった。だが、すぐには振り返らなかった。そうしたら、本当に嫌な事が起こる予感しかしなかった。「鈴木だろ?」仕方なく智也は、わからないように小さな溜め息をついてから振り返った。するとやはり、智也の予想通りそこにいたのは、あの佐久だった。今日は子分のように後に誰も連れてなくて一人。佐久も下校途中のようで、智也とは違う学校のブレザーの制服だった。「遠くからでもすぐにわかった。鈴木、スゲー目立つから」ヘラヘラ笑う佐久のその言葉に、内心智也はギクっとした。智也は、日頃から出来るだけ目立たないよう、道も端っこを歩いていたつもりなのに。正直言って、小さな頃から智也がその美貌で得する事もあったが、目立ったが為に色々巻き込まれ逆に悪い事の方が多かった。智也が大成みたいな性格ならば、もっと智也の顔をフルに使い武器にして上手く世間を渡りのし上がる事も可能だったろうが、智也はそんなタイプでもないし、今、目の前の佐久にすらどう対処したらいいかわからない。しかも、数日前に大成の家であんな事があったから、普通に「どうしてこんな所に?」すら普通に聞きずらいし、尚更智也から佐久にかける言葉が思い浮かばない。「どう?不破と上手くやってんの?」悩む智也とは対照的に、そう聞く佐久はやはり実に金持ちの子息らしくあけすけで奔放だ。「あっ……」智也は、下を向き返事に迷った。無論智也は、智也と大成は付き合ってると思ってるし、大成は毎日凄く優しい。でも、それを言うべき存在に佐久が値するのかは疑問だった。本当ならテキトーに「うん、まぁ……」くらい言っといて、笑顔でその場をやり過ごせばいい話だが。何にもつけて、全て真面目に考えるのが良くも悪くも智也と言う人間だった。すると、その表情を見て佐久は、急に真顔になって言った。「なぁ……鈴木……お前に話しがあるんだ」「話し?」智也は、不思議そうにして顔を上げた。「あっ……ああ。だからちょっとでいいから、そこら辺でお茶でもしないか?勿論、俺が奢るし。鈴木の好きな物、なんでも頼べばいい」やはり佐久は、大成の家で会った時と違い今は真剣な表情をしていた。しかし、佐久は信用できない男だし、大成の家に早く帰らないと、先に車で着いてる大成が待ってるし
last updateDernière mise à jour : 2026-06-09
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