弓弦と初めて会ったのは、倫が18歳で市丹へと勉学に向かった最初の年、新入生の入学式だった。学生でいっぱいのホールで、弓弦は新入生代表として壇上に立ち、挨拶を述べていた。今回外区から来た新入生は百人ちょっとしかおらず、講堂の片隅を埋める程度だった。他の席はすべて市丹の地元学生で占められていた。市丹の人間は総じて傲慢で、裕福な家に生まれるだけあって、骨の髄まで優越感が染みついていた。彼らにとって、外から来た「田舎者」に視線を向ける価値などなく、まるで見るだけで目が汚れると言わんばかりだった。だが、そんな自尊心の塊みたいな連中でさえ、弓弦を前にすると態度を変えた。ひそひそと囁き合い、その
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