誕生日の日、私・竹村静子 (たけむら しずこ)のスマホにあるスレッドが流れてきた。【本当の「愛の献身」って何だと思う?】そのスレッドには、すぐにスレ主の自問自答が続く。【この質問なら私が答えられるわ。あるチョロ男が、私に近づくために、親友の彼氏になったの。大学時代、私がブランドバッグを買うお金がなくて困っていた時、クラス委員長だった彼は私の親友の奨学金申請書をこっそり取り下げて、代わりに私を推薦してくれたわ。私が奨学金をゲットした時、そのお馬鹿な親友は「自分がどこか条件を満たしてなかったのかな」なんて悩んでたっけ(笑)。その後、親友が大学院の推薦枠を取ったことが公示された。私が「悔しい」って一言漏らしたら、彼がすぐに「彼女は推薦の条件を満たしていない」と大学に通報してくれたの。結局、親友は二回も試験を受ける羽目になって、やっと合格できたってわけ】行間から滲み出る「偏愛されている自分」への優越感に、コメント欄は批判の炎上となっていた。しかし、スレ主は恥じるどころかそれを誇りに思っているようで、傲慢にもダイヤの指輪の写真をアップした。【あんたたちがいくら妬んでも無駄よ。今日は親友の誕生日なんだけど、彼は私にダイヤの指輪をプレゼントしてくれたわ。で、親友がもらったのは私の「おまけ」の指輪ってわけ。ていうか、私の一言で彼、彼女の誕生日祝いを後回しにしちゃったし】スマホが突然振動し、彼氏である今井亮平(いまい りょうへい)からLINEが届いた。【静子、仕事でトラブルが起きちゃってさ。遅刻お許し券を使わせてくれ】【誕生日プレゼントはベッドサイドに置いてあるよ。気に入ってくれるといいな】私はプレゼントボックスを開けた。中には銀色のシンプルなプレーンリングが静かに横たわっていた。私は何かに操られるようにQRコードスキャナーを起動し、箱についているコードを読み込んだ。画面には「景品」の二文字と、さっきのスレッドにあったものと全く同じダイヤの指輪が表示された。奨学金、大学院試験、誕生日、そして景品の指輪。私は全てを悟った。スレッドに書かれている「大馬鹿者の親友」とは、私のことだったのだ。【スレ主:私が酷い? どこがよ?私達の厚い友情に免じて、彼氏と別れさせてないだけ感謝してほしいくらいだわ。今に至るまで二人の関
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