Semua Bab 本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます: Bab 41 - Bab 50

52 Bab

第3章 17 言い争い

 どうして隆司さんは私と亮平の話の内容を知っているんだろう……? でもその疑問はすぐに消えた。『何だよ、お前は一体誰だ? 俺は鈴音と話をしているんだよ。勝手に話に割り込んでくるな』亮平の声が外に丸聞こえになっている! どうやらスマホをタップする時におかしな操作をしてしまったらしく、電話はスピーカーホンになっていた。「随分お前は横柄な口の利き方をするんだな? そっちこそ一体何者なんだ? どうして鈴音にあんな口を叩くんだ?」『俺は鈴音の幼馴染だ。俺と鈴音は守らなきゃならない女性がいるんだよ! それなのに鈴音の奴……忍さんをほったらかしにして男と一緒にいるのかよ……』ズキリお姉ちゃんをほったらかしにして……。その言葉は私の心を大きく抉った。「隆司さん……。電話、変わってもらえますか?」隆司さんの袖を両手で握りしめた。「え……? 鈴音……?」「お願いします」真剣な目で隆司さんを見つめた。「……分かった」隆司さんは頷くと、私にスマホを渡してきた。「もしもし……」『鈴音か? とにかく俺はまだ帰宅できるのに時間がかかるからお前は今すぐ家に帰れよ。忍さんに何かあったら、お前は責任とれるのかよ? 俺たちにとって忍さんは大事な人だってこと分かってるんだろう?」「うん……分かってるよ。今すぐ帰るから……。ごめんね、亮平」『謝るなら俺じゃなく、忍さんに謝れ。じゃあな』そして電話は切れた。私は隆司さんを見つめる。「隆司さん、せっかく誘っていただいたのに……不快な思いをさせてしまってすみません。私、もう帰ります」席を立つと、なぜか隆司さんも立ち上がる。「鈴音。家まで送らせてくれ」「え……? でも」「大丈夫、鈴音の家には絶対に上がらない。もう夜も遅いだろう? 鈴音を1人で帰らせるのは心配なんだ」「隆司さん……。すみません。ありがとうございます」そして私は隆司さんと2人で店を出た――****――タクシー乗り場の前。私は半ば強引に隆司さんに腕を引かれ、タクシー乗り場付近へと連れてこられていた。「そんな。タクシーなんて使わなくても電車で大丈夫ですから!」「駄目だ、鈴音。相当あの店で度数の高いアルコールをかなりの量飲んでいるんだから、今夜は電車じゃなくてタクシーを使おう」隆司さんは頑として譲らない。「で、でも……」「鈴音…言う通りにし
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-01
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第3章 18 不毛な恋

「……音、鈴音」誰かに身体を揺さぶられる気配で私はゆっくり目を開け……。「わっ!」思わず大声を出してしまった。だって目と鼻の先に隆司さんの顔があったから。「あ、あの。隆司さん。何でしょうか?」まだドキドキする心臓を押さえながら隆司さんを見た。「ここが鈴音の家なのか?」窓の外を見ながら隆司さんが尋ねる。私も慌て窓から外を眺めると、そこは間違いなく我が家だった。「あ、はい! ここです。それで、運賃はいくらでしたか?」「大丈夫、もう払ってあるから」「払って……ってえええ!?」すると運転手さんがこちらを見た。「お客さん……降りないのですか?」「あ、すみません。降ります」するとドアがガチャリと開けられ、タクシーから降り立った。するとなぜか隆司さんも一緒に降りる。「あの……?」なぜ隆司さんは降りたのだろう? だけどタクシーはまだ停車しているし。「ここが鈴音の家なんだな。うん。覚えておくよ」隆司さんは家の門に立つと頷く・「隆司さん……?」不思議に思い、首をかしげると隆司さんが振り返る。「鈴音。また……会ってくれるよな?」「え?」「それとも誰か付き合っている男でもいるのか?」「まさか!そ んな人はいませんよ!」慌てて、手と首を振る。そう、私には付き合っている人はいない。ただ、ずっと好きだった人はいるけども……。「なら……いいよな?」次の瞬間、隆司さんに右手をグイッと引かれた。え?気づけば隆司さんにキスされていた。「!」あまりにも突然のことで、頭の中が真っ白になる。隆司さんは唇を離すと私を強く抱きしめ、耳元で囁いてきた。「俺はまだ……鈴音のことが好きだ」「!!」突然のキスと告白で思わず顔が真っ赤になる。すると隆司さんはフッと笑みを浮かべ、もう一度唇を重ねてきた。更に頭の中がパニックになる。「お休み。鈴音」「あ……は、はい……」返事をするのがやっとだった。隆司さんはフッと笑みを浮かべ、再びタクシーに乗り込む。隆司さんがタクシーに乗ると、すぐにドアは閉じられ、あっという間に走り去ってしまった。「隆司さん……」思わずポツリと呟くと背後に人の気配を感じ、慌てて振りむくと……。「りょ、亮平……」そこには不機嫌そうに立っている亮平がいた。そんな……まさか、今の亮平に見られた? 心臓の音がドクドク耳障りなくら
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-02
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第4章 1 気のりしない食事会

 あの日以来、定期的に隆司さんから誘いの連絡が入ってきた。けれども姉のことを理由にあげて隆司さんとは会うのを避けていた。だって私のことを好きと言ってくれている人に曖昧な気持ちで会うのはあまりにも不誠実だと思ったから。それにあんなことされたらどんな顔して合えばいいか分からないし。すると隆司さんは残念そうにしていたけれども、せめて電話やメールくらいは連絡を取らせて欲しいと懇願され、どうしても断り切れず、今私と隆司さんはオンラインでつながる友達のような関係になっていた。「せめて告白なんかしてくれなければ良かったのに…」思わずポツリと呟くと、隣で旅行ガイドツアーのチラシを入れ替えている井上君に聞かれてしまった。「え? 何? 加藤さん……ひょっとして告白されたの!?」思わず大声になる井上君に大慌てで私は人差し指を立てた。「ちょ、ちょっと! しー! お願いだから、そんなに大声出さないで! いくらお店の外だからと言って聞かれちゃうでしょう!?」「ああ……分かったよ、それで告白されたって言うのは?」2人でチラシを入れ替えながら、井上君が突っ込んでくる。「ええ~何でそれを井上君に言わなくちゃならないかなあ?」口をとんがらせる。「う! た、確かに言われてみれば……。ごめん。俺、全く関係なかったのに」何故か激しく項垂れながらチラシの入れ替え作業を行う井上君を見て、私は少しだけ罪悪感を感じてしまった―。18時――「お疲れさまでした」今日は早番なので、この時間に退社できる。職場の皆さんに挨拶をして、代理店を出て50m程歩いた所で背後から声をかけられた。「加藤さん」「え?」振り向くと、井上君だった。彼は隣に並んで歩くと話し始めた。「今日はごめん。あの……さ、お詫びと言ってはなんだけど……ほら、今日は久々に俺と加藤さん早番だろう? 時間もあることだし一緒に居酒屋に行かないか? 実はさ、最近近くに酎ハイとつまみが300円から楽しめる店が出来たんだよ」「別に気にしてないからいいよ。大体私達給料日前でお金無いでしょう? それにどっちみち今夜は駄目なんだ」今夜のことを考えると気が重くなり、つい顔が暗くなってしまう。「どうしたんだよ? 何か元気ないみたいだけど? 今夜何かあるのか?」「そんなことないよ。ただ今夜は家で食事会なんだ。それが…¥¥¥」「食事会?
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-03
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第4章 2 姉の変化

 私は階段の上から思いがけない光景を目にしてしまった。姉は私に背を向ける形で立っていて、亮平は私の方を向いて目を閉じている。お姉ちゃん……亮平……!見てはいけないものを見てしまった。2人にばれないようにそっと後ろ向きで2階へ戻ろうとしたとき、運悪く亮平が目を開け、私と視線が合ってしまった。「!」その瞬間、亮平の目に驚愕の色が宿り、お姉ちゃんをバッと引き離した。私は慌てて2階の廊下に戻ると、階下で姉の声が聞こえてきた。「亮平君……どうかしたの?」「あ……い、いや。何でもない。忍さん、それじゃお言葉に甘えて今夜は御馳走になるよ」「ええ、遠慮しないで沢山食べてね」2人の楽しそうな会話が聞こえてくる。そのとき気付いた。亮平はいつの間にか姉に対して敬語を使うことが無くなっていたことに……。でも、考えてみればそれは当然のことなんだ。だって2人は恋人同士なんだから。きっとあの調子なら(仮)恋人関係じゃなくなったんだろうな…。その時――「鈴音ちゃ~ん、ご飯よ~。降りてきてちょうだ~い」階下から姉の声が聞こえてきた。「はーい、今行くね」私は今から平静を装って、姉と亮平の前に姿を見せなければならない。「よし、頑張ろう」自分に言い聞かせ、階段を下りて行った。 ダイニングルームへ行くと、すでにそこには椅子に座っている亮平がいた。「あ……」亮平は私を見てバツが悪そうな顔をする。何でそんな顔するの? むしろ私がその顔をするべきなのに……。「あ、いらっしゃい。亮平、もう来てたんだね」亮平は一瞬キョトンとした顔で私を見た。まるで、え? お前何言ってるの? って言いたげな表情を見せたけど、すぐに私の話に合わせてきた。「あ、ああ。つい今さっきな」するとそこへキッチンにいた姉から声がかかった。「鈴音ちゃん。料理を運ぶの手伝ってくれる?」「うん、いいよ」私は立ち上がって姉の傍に行くと、ハンバーグが乗ったお皿を手渡されて、そっと耳打ちされた。「鈴音ちゃん……あんまり亮平君とは親しくしないでね」「!」驚いて姉の顔を見上げた。すると姉はニッコリ笑うと小声で言った。「私……もうこれ以上大切な人を失いたくないの。鈴音ちゃんならお姉ちゃんの気持ち、分ってくれるわよね?」「お、お姉ちゃん……」「はい、それじゃお料理運ぶの手伝ってね」相変わらず笑顔の姉
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-04
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第4章 3 耳を疑う言葉

 食事が終わり、私は自分から片づけを申し出た。「お姉ちゃん。私が食器洗いの片付けするからお姉ちゃんは亮平とリビングにいたら? 後でコーヒーを持って行くから」「あらそう? 悪いわね? 鈴音ちゃん。それじゃ亮平君、リビングに行きましょう」「あ、ああ……」姉に腕を引かれて立たされた亮平は一瞬チラリと私を見たが、すぐに2人は奥のリビングルームへと向かった。「ふう……」ダイニングルームから2人が去り、溜息をついた。それにしても苦痛の食事時間だった。私と向かい合わせに座った2人は仲良さげに会話をしていたけれども、私は1人、蚊帳の外だった。姉はまるきり私がそこにいないように目を合わせることも無く振る舞っていたし、亮平はそれを何処か不審に思っているようにも見えたけど、特に口にすることも無かった。「存在を消すようにしていないといけないって、こんなに息がつまるものだったんだ……」ぽつんと独り言のように呟くと、エプロンをしめて腕まくりをした。「さて、食器洗いを始めようかな……・」私は流しへ向かった――2人分のコーヒーを淹れて、リビングをチラリと覗いた。姉と亮平は並んでソファに座り、テレビの方を向いている。私は2人分のコーヒーをお盆に乗せて運ぶと、テーブルの前に置いた。「はい、コーヒーどうぞ」すると置かれたコーヒーが2つしかないことに亮平が不思議に思ったのか尋ねてきた。「鈴音? どうしたんだ? お前の分のコーヒーは?」その時、姉が何か言いたげに一瞬私を見た。「ううん。いいの、私は。自分の部屋でコーヒー飲むから」わざとへらへら笑って答えた。「何で?」亮平が話しかけてくる。でも、お願いだから姉の前で私に話しかけないで。だって姉が私のことをじっと見てる。亮平を取らないでって目で訴えかけている。私は姉の心を傷つけたくない。何より大切な人だから嫌われたくないんだもの。「あ、あのね。電話したい人がいるの。だから部屋で飲むの。それじゃあ」咄嗟に嘘をついて私は逃げるようにリビングルームを後にした。****「ふう……」コーヒーを持って自分の部屋に来ると、ローテーブルにコーヒーを置いて坐椅子に座るとため息をついた。「これからどうしよう……。もう今まで通りではいられない。亮平と距離を取らないと。そうだ、明日、亮平にメールをいれよう。もう私には話しかけないでって
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-05
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第4章 4 姉の要求

「お、お姉ちゃん……1人暮らしって……私が?」思わず震え声で尋ねると姉はニッコリ笑みを浮かべた。「ええ。もちろんよ。とりあえずお茶でも飲んで話しましょう?」「う、うん……」私の心臓は今にも口から飛び出すのではないかと思う位にドキドキしている。でも平静を装って姉の後に続きリビングルームへ向かうと2人でソファに向かい合わせに座る。一体どんな話を聞かされるのだろう? それなのに姉の口からはいつまで待っても言葉が出てこない。「あの……お姉ちゃん……?」とうとう我慢出来なくなり、恐る恐る声をかけた。すると……。「そうだ、大事なお話にはお茶が欠かせないわね。待っていて、鈴音ちゃん。今お茶をいれてくるから」姉はポンと手を叩くと、立ち上がりパタパタとキッチンへと向かった。そんな後ろ姿を茫然と見送る私。だ、駄目だ。やっぱりどこかおかしくなっている。どうしよう。姉がおかしくなったのは……一緒に暮らしている私がもっと早く異常に気付かなかったからだ。気付いていればこんなことにはならなかったのに……!自分のふがいなさに腿の上置いた手をギュッと握りしめ、悔しさで唇をかみしめていると姉がお茶を入れて運んできた。「はい、どうぞ。鈴音ちゃん」私の座るテーブルの前にコトンと湯のみが置かれた。「さあ、まずはお茶を飲んでくれる?」私は喉なんか少しも乾いていなかったけど、今は言うことを聞いておかなくちゃ。「ありがとう、お姉ちゃん」湯のみを持つと、フウフウ冷ましながらお茶を一口飲んだ。うっ何、これ……にっが~い……。だけど、姉は平然とお茶を飲んでいる。……ひょっとして味覚迄おかしくなってしまったのかな……?一口しかお茶を飲まない私を見て姉が尋ねてきた。「あら? 鈴音ちゃん。もう飲まないの?」「う、ううん。飲むよ」そこで仕方なく私は熱くて、とっても苦いお茶を無理に飲み干した。「ありがとう、お姉ちゃん。お茶淹れてくれて」笑顔で言うと姉は首をかしげた。「あら~鈴音ちゃん。よくあの苦いお茶飲めたわねえ……」え?姉の言葉に耳を疑った。まさか……わざとあの苦いお茶を私に……? そのことを想像して、思わず背筋に悪寒が走ってしまった。「それでね、鈴音ちゃん。さっきの引っ越しの話なんだけど、いつ頃なら引越しできそうかしら?」「え……?」「私としては今すぐにでも鈴音ちゃん
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-06
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第4章 5 涙が枯れるまで

「お姉ちゃん……で、でも私がこの家から出て行きたくないって言ったら……?」声を震わせながら姉を見た。「そうね。鈴音ちゃんのこと、嫌いになるかな?」「!」「どうしても出て行かないって言うなら、もう鈴音ちゃんのこと嫌いになるから。口も聞かないし、姉妹の縁も切らせてもらうね?」そんな恐ろしいことをニコニコしながら話す姉。もう完全に狂気に囚われている。どうしよう……誰に相談したらいいの? 亮平とはもう口を聞くことは出来ないし……。思わず目頭に熱いものがこみあげてくるのを必死に耐えた。「それで、いつ出て行ってくれるかしら?」姉が迫ってくる。「……」「ねえ~鈴音ちゃん。お姉ちゃんを困らせないで」頬杖をついてむくれる姉の姿は……まるで子供の様だった。こんなになってしまった姉を置いて家を出るなんて、私には出来ない。「だ、だけど……お姉ちゃんを1人ここに残すのは心配なんだ……けど……」俯いて返事をすると、姉は溜息をついた。「全く……いつから鈴音ちゃんは聞き分けの無い子に育っちゃったの? はっきり言わなくちゃ分からないのかしら? それじゃあ言わせてもらうわね。鈴音ちゃん。貴女の存在自体が邪魔なの。だからどうか早く私と亮平君の前から消えてください。お願いします」そして頭を下げてきた。「! お、お姉ちゃん……!」駄目だ……。姉が今普通じゃないのは分かっているけど、今にも涙が出てきそうだ。大好きな姉に存在自体が邪魔だとか、消えてくださいって言われると心が折れそうになってくる。でも、このまま私がこの家に住み続けてもきっと姉の精神状態は悪化していくだろうし、私だって心が傷ついてどうにかなってしまうかもしれない。だったら、やっぱり私はこの家を出ていくべきなんだろうな……。「わ、分かったよ……。お姉ちゃん……」必死で声を振り絞る。「え? 本当に?」姉は嬉しそうにぴょこんと頭を上げた。「うん……私、この家出て行くよ……。でも、いきなり今夜は無理だから出て行くのは……明日でもいい……?」私は期待していた。一瞬でも姉が正気を取り戻して、引っ越さないで! と縋りついてきてくれるのを。だけど――「ええ、いいわよ。明日出て行ってくれるのね? ありがとう、とっても嬉しいわ。それでお部屋の荷物はどうするのかしら? 当然全部運んで行ってくれるのよね? 鈴音ちゃんが
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-07
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第4章 6 別れの日

 翌朝7時―― 目が覚めて部屋にあるドレッサーで鏡を覗いてみた。すると瞼は腫れ、目は赤く充血していた。「やだ……酷い顔……」昨夜は結局泣きながら眠ってしまった。だから頭はぼーっとするし、頭痛はするしで最悪の目覚めだった。それにしても今朝は妙に静かな朝だった。いつもなら姉が朝ごはんを作っている時間なのに。着替えを済ませ、階下に降りてみると驚いた。もうすでに姉は起きていてテレビを観ていた。「あら、おはよう。鈴音ちゃん」姉は私を見ると笑顔で挨拶してきた。「お、おはよう。お姉ちゃん」ぎこちなく私は挨拶を返した。でも良かった。姉が笑ってくれている。昨夜の出来事が嘘みたいだ。やっぱりあれは一過性の物だったのかな……。でも次の瞬間、姉の言葉に凍り付いた。「鈴音ちゃん。今日から貴女はこの家を出るまではただの同居人として見ることにしたから。食事の支度も洗濯も自分でやってね。お風呂は仕方ないから使わせてあげるわ」そしてニッコリとほほ笑む。「う……うん、分ったよ。お姉ちゃん……」無理矢理笑うと、すぐに出かける準備を始めた。駄目だ、こんな生活環境はもう耐えられない……。何処かに朝ごはんを食べに行って、すぐに今日から入居できるウィークリーマンションを探さなくちゃ。私はお財布とスマホをミニリュックに詰め込むとお姉ちゃんに声をかけた。「お姉ちゃん、ちょっと出かけて来るね」「……」だけど姉は聞こえているのかいないのか、全く返事をしてくれない。まさか……もう私の声も聞こえないふりをしてしまうの?再び目頭が熱くなってくるのをこらえて、逃げるように家を飛び出した――****  駅前のオープンカフェでコーヒーを前に、私はぼんやり町を行き交人々を眺めていた。もう何も考えたくない……。だけど家には戻りにくい。私は一体これからどうすればいいの……?その時、偶然スーツ姿の亮平が駅に向かって歩いて行く姿を見かけた。亮平―!亮平にお姉ちゃんのことを相談したい。だけど私は亮平に近づかないように姉に言われているし、亮平だって私に連絡をくれない。ひょっとするともう2人で話し合いをして、私の存在は無視しようと決めてしまったのかもしれない……。そんなことをウジウジ考え、再び目頭が熱なってくる。でも、こんな人目のつくカフェで泣くなんて出来ない。とにかく姉にこれ以上嫌われ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-08
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第4章 7 私の新居

 広さ8畳、南向きのエアコン完備のワンルームマンション。キッチンは一口コンロだけど、冷蔵庫も電子レンジも完備されている。そしてユニットバスに洗濯機付き。ベッドもあるし、小さな2人掛けのダイニングテーブルもある。クローゼットもあるしWi-Fiだって使い放題だ。「ここなら何もなくても住めるな。この部屋で今度は賃貸マンションを探して、家電を買って……はあ~やる事が沢山あるなあ……」家から持参したノートパソコンを見ながら思わずため息が出てしまった。それにしても……。バフン部屋のベッドに身を投げ出すと、天井を見上げた。とても綺麗だけど見知らぬ部屋。そして窓の外から聞こえて来る外の町の喧騒……。そのどれもが、もうあの家には戻れないんだと言われているようで悲しかった。「お姉ちゃん……」駄目だ、姉のことを考えるだけで涙が出てきそうになる。「こんなことしてられない!」ベッドから起き上がると、PCの蓋を開いて電源を入れる。そして不動産屋のページを開いて物件を検索し始めた――**** ……どの位、PCを見ていただろうか? 気付けば部屋の中はオレンジ色に染まっている。「あ……もう夕方なんだ……」立ち上がって窓に近付き、カーテンを開けて窓の外を眺めると町を行きかう人々が溢れていた。ぐう~。その時私のお腹が鳴った。「はあ……。どんなに悩んでもお腹はすくんだな……。何か買いに行こう」とても今夜は自炊をする気力が無かった。この近くにどんな店があるのか把握する為にも少し出歩いた方がいいかもしれないし。お財布を持つとアパートを後にした――****「へえ~ここは職場とは反対側の場所だけどいろんなお店があるんだな……」コンビニの袋をぶら下げてブラブラ歩いて、スーパーに酔って缶チューハイを買ってから私はアパートへと帰って来た。「頂きまーす」備え付けの電子レンジで温めたお弁当を前に手を合わせて、ポチッとテレビをつけた。そして1人で時々観ているバラエティ番組にしてもちっとも面白くなかった。「不思議……。いつも観ているテレビなのに……少しも面白くない……」コンビニ弁当も好きなはずなのに……味を感じない。「……」モソモソとお弁当を食べ終え、着がえを持ってバスルームへと向かった。狭いユニットバスで身体と髪を洗って、バスルームから出るとバスタオルでゴシゴシ身
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-02-10
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第4章 8 悪者にされる私

『鈴音! この馬鹿! お前、何やってるんだよ!』いきなり電話越しから亮平の怒鳴り声が聞こえてきた私は心底驚いてしまった。「りょ、亮平……?」何とか声を振り絞ると、さらに亮平の怒鳴り声は続く。『お前、何で家を出たんだよ! 忍さんを1人残して! どうしてお前はあの広い家に忍さんを残して家を出たんだよ!』私は亮平の言葉を信じられない思いで聞いていた。「え……? ちょっと待って。な、何言ってるの? 亮平……」震える声を振り絞って何とか言葉を発する。『あのなあ……それはこっちの台詞だ! 驚いたよ……。お前の家にいったら、忍さんしかいなかったから。だから俺は尋ねたんだよ。何故忍さんしか家にいないのか、鈴音は忍さんを残して何所へ行ったのかって! そしたら忍さんが言ったんだよ。鈴音が家を出て行ってしまったって!』え……?私は亮平の言葉に耳を疑った。「ね、ねえ……待って。お姉ちゃんが言ったの? 私がお姉ちゃんを残して家を出て行ったって……?」『ああ、そうだよ。全く可愛そうに……。俺が鈴音のことを尋ねたら顔を真っ青にしていたよ。忍さん、お前が勝手に出て行ったから…‥‥怖くてお前に連絡も入れることが出来なかったって震えていたぞ?』嘘だ……。そんな………姉はどうしてそんな嘘を亮平についたの……?亮平の怒鳴り声と、あまりのショックに激しい頭痛が起こってきた。ズキズキする頭を押さえながら尋ねた。「亮平……お姉ちゃんの様子見ておかしいと思わなかった……?」一縷の望みをかけて亮平に尋ねてみた。これで亮平がお姉ちゃんの様子を疑ってくれれば病院に連れて行ってあげてとお願いできるはず……。『はあ……? 何言ってるんだ? 忍さんがおかしいだって? むしろおかしいのは鈴音。お前の方じゃないか?』「え……? 私がおかしいって……?」どうして亮平は私がおかしいって思うの?『おかしいに決まっているだろう? お前たち2人は本当に仲の良い姉妹だったのに。忍さんは辛い経験をしているんだから、お前が傍にいて支えてあげないといけないのに。その責任を放棄して、お前は勝手に家を出たんだろう? そんなに1人暮らしがしたかったのかよ!』そんな……! 亮平は私がおかしいって決めつけるの? もう駄目……これ以上我慢出来ない……。「ひ、酷いよ亮平……。どうしてそんなこと言うの……?」『何だ
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