「なあ紫音、少しだけチャンスをくれないか。あの子に近づいて、俺たちに少しでも可能性があるのか、俺の感情が本物なのか、確かめさせてほしいんだ。……もし、本気であの子を愛していると確信できたら、俺は全力であの子にアプローチする。絶対に手放さない。でも、もしこれが俺の勘違いで、ただの錯覚だったと気づいたら……その時は未練がましく付き纏ったりせず、きれいさっぱり身を引く。絶対に傷つけないって約束する。昔のことだって、本当に申し訳なかったと思ってるんだ」浩一の眼差しは真剣そのものだった。ただ自分の未練を晴らしたいだけではなく、お互いが本当に幸せになれる道を真摯に探りたいという、彼なりの強い決意が込められていた。「……あなたがそこまで言うなら、私からはもう何も言わないわ。でも、これだけは覚えておいて。これから何があろうとも、蘭を傷つけることだけは絶対に許さない。もし本当に二人が付き合うことになったら、あの子のことを一番に大切にしてあげてね。蘭は本当にいい子なの。仕事には真剣で、人一倍優しくて……」紫音は念を押すように、真剣な眼差しで真っ直ぐに忠告した。「私にとって大切な親友であるあなたのせいで、あの子が再び傷つく姿なんて絶対に見たくないわ。人の想いを無下にするような真似はしないで。感情って、そんな中途半端な覚悟で触れていいものじゃない。もしあの子と向き合うと決めたなら、最後まで誠実に接しなさい」最初は真っ向から反対していた紫音だったが、浩一の引かない姿勢を見て、自分がこれ以上止めても無駄だと悟った。だからこそ、あえて厳しい言葉で先にキツく釘を刺したのだ。「安心してくれ。俺が恋愛に対してどれだけ真面目かは、お前が一番よく分かってるだろ?でなきゃ、叶いもしない相手を何年も一途に想い続けたりしないさ」浩一自身、自分がまた別の誰かを好きになる日が来るとは、つい最近まで微塵も思っていなかった。心の中にいる紫音への思い入れは一生もので、同時にそれは一生の徒労に終わる永遠の後悔だと信じていたからだ。どうせ手に入らない愛なら、もう誰かに報われない想いを懸ける気も起きないし、恋愛そのものに意味などない——そう悟り、すっかり諦めていたはずだった。しかし、蘭の存在は彼にまったく違う感情をもたらした。彼女の真っ直ぐで不器用な姿が、もう誰も好きになることはないと思って
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