Semua Bab 愛の行方〜天才外科医の華麗なる転身〜: Bab 51 - Bab 59

59 Bab

51話

「うぅ、ママぁ……」「チッ、うるせぇ!」 茂樹はイライラしていた。自分が置かれた状況にも、小雪にも、明里にも。すべてにイライラしていた。(ガキのくせに、こんないい服着やがって。俺なんかそのへんで捨てられてた服だぞ) 彼の人生は凄惨なものだった。歳の離れた姉は優秀で、ことあるごとに比べられ、親に失望されてきた。両親は姉に金をかけ、愛情を注ぎ、茂樹には、あまり金もかけなければ、愛情も大して注がなかった。 例えば、姉がほしいといえば、1着3000円の服だって買ってもらえていた。だが、茂樹が半額の1500円の服をほしいと言っても、買ってもらえたことなど1回か2回で、いつもセール品ばかり。 姉は文房具屋に売ってるいい筆記用具やノートを買ってもらえるが、茂樹は安物ばかり。 絵の具セットだって、姉には使い切れないほど種類がある絵の具を買うが、茂樹には知り合いのお下がりと言った具合だ。 ハーモニカだって、誰が使っていたか分からない中古を我慢しながら使っていた。 両親がキツくあたる中、姉だけは優しくしてくれたが、その優しさが茂樹を更に惨めにした。まるで、「私は優秀だからこんな出来損ないにも優しくするのよ」と言われているようで、嫌だった。 そんな姉の子供である明里の面倒を見てやったのだ。少しくらい恩恵を受けてもいいだろう。 明里が医大に通って外科医になれたのも、成也のような金持ちと結婚できたのも、すべて自分のおかげ。明里はもっと感謝して、金を渡せばいい。そうでもなきゃ、割に合わない。 だというのに、明里は成也と離婚した上に行方をくらました。 明里がいなくなってから、茂樹の人生は再び惨めなものになっていった。せっかく成也の会社で役員として甘い汁を吸っていたのに、もう関係ないからと解雇され、たった50万しか退職金も支払われなかった。「明里が大人しくしてれば、あなたはもっと遊べたのにね」「あなたのおかげで明里は外科医になったんだから、もっと感謝して、大金を渡すべきよ」 ミアの言う通りだ。明里が大人しくしていれば、茂樹は今も立派な服を着て、役職に寄りかかって高い給料をもらえた。 成也の会社が潰れたのも、明里のせいに違いない。もし会社が潰れていなかったら、復帰するチャンスだってあったかもしれない。いや、あった。 ミアがそう言ったのだから。(明里も、そのガキ
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52話

「おい、神宮寺明里はまだか!? はやくアイツと話をさせろ!」「今こちらに向かっている。待っていろ」「バカにしやがって……」 警察の荒い口調にイライラする。もちろん警察としてはバカにしたつもりは微塵もないが、茂樹は自分に向けられた言葉や視線をすべて見下したものと思い込んでしまう節がある。 明里は少し離れたところから、このやりとりを聞いていた。近くにいる警察官を見つけると、彼に声を掛ける。「あの、通してください」「民間人を通すわけにはいきません」「私、神宮寺明里です」 身分証を見せながら自己紹介をすると、警察官は明里を警察車両に連れて行った。中には様々な機械があって、中年男性が座っていた。中年男性は増岡と自己紹介をすると、明里を機械の前に座らせた。「このボタンを押すと犯人と会話ができます」 増岡はマイクの前にあるボタンを指さしながら説明する。「話してもいいですか?」「お願いします」 恐る恐るボタンを押す。「明里です、聞こえますか?」「やっと来やがったな! 顔を見せろ! このクソ女! お前のせいで俺の人生台無しなんだよ!」 理不尽な怒鳴り声が聞こえてくる。間違いなく茂樹の声だ。「小雪は無事なの?」「あぁ、なんもしてねーよ。このガキを返してほしけりゃ、ありったけの金を用意しろ。じゃねえとテメェのガキを殺す」(どうして小雪ばかり、こんな目に……) 怒りや悔しさで震える。だが、冷静にならなければいけない。怒りに任せて茂樹に何か言ったら、小雪の命が危ぶまれる。「おい、聞いてんのか? クソアマ。バカにしやがって! 土下座しろ! 金よこせ!」「お金は兄さんに用意させます。私と小雪、交換してください。私が人質になります」 増岡は咎めるような視線を向けるが、かまってられない。小雪が無事なら、それでいい。1秒でもはやく、小雪を安全な場所に移したい。そのためなら、人質にだってなる覚悟はある。「人質交換だと? ふざけやがって」 茂樹はイライラしていた。交換したところでメリットなんてあるわけがない。「いや、待てよ」 人質交換をすれば、明里の泣き顔を拝むことができる。最高のストレス解消になるではないか。「ちょうど風俗にも行けなくて溜まってたところだ。あの女をブチ犯してやるか」 邪悪な笑みが広がる。小雪を犯したほうがダメージを与えられるだろ
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53話

 交渉成立してから5分後、警察に付き添われた明里が見える。俯いているため、明里の顔は見えないが、あの白衣と背格好は間違いなく彼女だ。「おい、ひとりで来いって言ったろ。付き添いのサツは下がれ。1歩でも近づいたら、このガキ殺すぞ」 明里と警官は言葉を交わすと、明里だけがこちらに向かって歩いてくる。「白衣か、いいね。好きだぜ、そういうプレイ」 小雪の腕を掴み、息を荒げながら外に出る。明里との距離が1メートルほどになると、乱雑に小雪を手放した。「ひへへ、その白衣、ひん剥いてやるよ」 茂樹は明里の腕を掴んだ。途端、茂樹の体は宙に舞う。かと思えば、地べたに叩きつけられ、その上に明里が乗った。「確保!」 張り上げられる声は明里のものではない。「クソ、偽物か! ふざけやがって! クソ、降りろ!」 暴れるが、女性警官はビクともしない。警察官が一斉に数人集まり、茂樹を取り押さえ、小雪を保護する。「クソ、こんなところで終わってたまるか!」 必死にもがくが、武道もかじったことすらない初老の男が、複数人の警察相手にできることなど、なにもない。茂樹はパトカーに押し込められ、警察署に運ばれていった。「ママ、ママはどこ?」「小雪!」 婦警達に誘導され、親子は感動の再会を果たした。「ママ、ママぁ!」「小雪、よかった……! 本当によかった!」 親子の再会をカメラに収めようとするマスコミが押しかけたが、警察が対処してくれる。親子はパトカーに乗り、警察病院に向かった。
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54話

 茂樹の供述によって、世間は再びミアに注目した。茂樹はミアと面会し、彼女に言われて立てこもり事件を起こしたという。 更にミアに弱みを握られ、他の犯行を行ったり、行う予定だった人達の名前も茂樹が暴露したことにより、様々なことが判明した。 茂樹の供述によれば、月ノ宮家に強盗が入ったのも、ミアの手下だと言う。茂樹が立てこもり事件で小雪と明里にダメージを与えた後、他の人が神宮寺家の者を襲い、成也を精神的に追い詰める予定だったそうだ。 警察はミアの捜査に、更に力を入れるだろう。「失礼します」 涼の書斎に来たのは秘書の吉崎だ。彼は書類の束を持って現れた。「こちらは私の弟からです」 そう言って吉崎は、涼、明里、成也に調書を手渡す。「どうやら榎本ミアは、行き場のない青少年に声をかけ、愚連隊を作って悪さをしていたようですね」「闇バイトの斡旋がメインみたいやなぁ。ほんま、悪どい女」「成也様を利用して、例のマスコットで盗聴器や隠しカメラを仕込み、弱みを握ったりもしていたそうですよ。ここまでの悪女、そうお目にかかれるものではありませんね」「お目にかかりたくないんだけど……」 明里の言葉に、その場にいた全員がうなずいた。「小雪様を水族館で突き落としたのも、愚連隊のようですね。あらかじめカメラの場所を把握して、レジャーシートで隠して、落としたそうで……」「人の弱みにつけ込んで犯罪をさせるなんて、本当に許せない……」「少なくとも、榎本ミアは最低でも無期懲役になるでしょうね。数々の罪。そして今回の殺人未遂示唆。篠崎茂樹も、無期懲役になる可能性が高いでしょう。それと、榎本ミアは面会不可能になるかもしれませんね」「ほぉん、なんでそう思うん?」「篠崎茂樹は、榎本ミアに面会してやりとりをしていました。その際、メモをこっそり見せて犯行を促したそうですよ」「なんて奴だ……」 成也は苦虫を噛み潰したような顔をする。「そんな女に騙され続けてた自分が恥ずかしい……」「まぁまぁ、手痛いやろけど、高い勉強代やったと思えばええ」「兄さん、たぶんそれ、慰めになってない……」「悪気はないねん」「気にしませんよ」 話が終わると涼と吉崎は仕事に向かい、明里も小雪の部屋に向かおうとしたが、成也に呼び止められた。「明里、ちょっといいか?」「どうしたの?」「俺が口出ししていい問
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55話

 立てこもり事件から半月後、家に帰ると成也の両親がいた。ふたりは明里を見るなり深々と頭を下げた。「明里さん、今までごめんなさい」「私達はミアに騙されていたんだ。本当に申し訳ない」「え? あの……」 困惑する明里をよそに、ふたりは話し続ける。「ニュース、見たわ。ミアって本当に最低な女だったのね。失望したわ」「それにくらべて君は、外科医として立派にやっていってる。どうだ、許してやるから成也と再婚しないか?」 ふたりの言葉を聞いて、明里の中でスーッと冷めていく。冷静に喋るために、息を吐いた。「正直、あなた達を許す気にはなれません」 明里の言葉に老夫妻は顔を上げ、怒りで真っ赤になる。「謝ってるじゃない!」「老い先短いんだ、許して同居させろ!」(あぁ、やっぱりこのふたりはこの程度の人なのね。こんなのに怯えてたなんて、バカみたい) 冷静になればなるほど、ふたりが哀れで滑稽に見えてくる。「成也との再婚を許してやるって言ってんだ!」「面倒見なさいよ!」「いい加減にしろ!」 声を荒げたのは明里でも涼でもなく、成也だった。「俺も明里も、お前達の財布や召使じゃない。それに言ったよな? この家にも俺にも近づくなって。謝罪したいっていうから渋々了承したけど、結局自分のことしか考えてないじゃないか! 恥を知れ」「まぁ、なんてこと言うの……!」 数秒後、口を開いたのは悦子だ。明里は反論しようとする成也を遮った。「完全に見捨てることもできません」 明里の言葉に老夫妻は目を輝かせ、成也は正気を疑うような目で明里を見た。「老人ホームに入ってはいかがでしょうか?」 期待してたぶんショックが大きかったのか、老夫妻は黙り込む。「成也さん。あなたは自己破産したけど、おふたりの財産に影響はないのでは?」「あぁ、そうだな。この前強盗入ったけど、大したものは盗まれてないって言ってたし」「それだけは嫌! あんなところ生きたくないわ」「頼む、面倒を見てくれ」 成也はため息をつくと、老夫妻から守るように、明里の前に立つ。「俺も、ふたりも、明里に許してもらうなんて思っちゃいけないんだよ」 成也の言葉に、老夫妻はうなだれた。(成也さん……) 成也の後ろで、明里の心は揺らいでいた。
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56話

 2ヶ月後、成也は久方ぶりに東京に来ていた。今日東京に来たのは、両親を老人ホームに入れるためだ。素直に言うとついてこないのは分かっていたため、小旅行と嘘をついている。「私達を旅行に連れて行ってくれるなんて、どういう風の吹き回し?」「改心して、親のありがたみが分かったんだろ。どうだ、資産を分けてやるから、新しい会社を始めないか?」「あぁ、そうだな」 適当に返事をしてやり過ごす。あと数十分でふたりと縁を切れると思うと、このやりとりも苦ではない。「着いたよ。降りて」 停車すると、数人の介護ヘルパーが来る。成也が手配したため、彼らはフロントマンのような格好をしている。「いらっしゃいませ、月ノ宮ご夫妻」「どうぞこちらへ」「あら、出迎えなんて気が利くじゃない」 機嫌を良くしたふたりは、荷物を介護ヘルパーに持たせ、施設に入る。成也はあらかじめトランクに積んでいた荷物を取って、後から施設に入った。「ちょっと、何なのここ!」「成也、お前、俺達を騙したのか!」「ふたりを老人ホームに入れる。それがベストだ」「あの家は!」「あの家は俺の名義になってただろ。ここに着替えがある」 荷物を押し付けるように渡すと、まっすぐふたりを見た。「ふたりにはもう、会いに来ない。金はもう払ってある。ふたりが死んでも、骨を受け取りに来ることもないから」 泣き叫ぶ両親を置いて、車に戻る。もっと罪悪感に苛まれるかと思ったが、思いの外心が軽い。「もうひとつ、けじめをつけなくちゃな」 そうつぶやき、明里に電話をかける。「もしもし、成也さん? どうしたの?」「さっき、両親を老人ホームに入れてきた」「そう、お疲れ様。大変だったでしょ?」「まぁな。なぁ、急で悪いんだけど、今夜空いてるか?」「え? まぁ、空けようと思えば空けられるけど」 成也は心の中でガッツポーズをする。第1関門クリアだ。「ディナーでもどうだ? ちょっと、話したい」「ディナー? いいよ」「よかった。7時半、迎えに行くから、ドレスコードをして待ってて」「そんなにいいところに行くつもりなの? 無理してない?」 明里の心配そうな声に、不甲斐なさを感じる。きっと、成也にまだ借金があると思って気遣っているのだろう。「あぁ、借金は全額返済できたんだ。だから、心配しないで」「そういうことなら……。楽しみにし
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57話

「どうしよう、ディナーだなんて」 電話を切った後、明里は両手で口元を覆った。年甲斐もなくときめいている自分に戸惑うが、それ以上に胸が高鳴った。 成也への愛が再び芽生えていたのは、そこそこ前から自覚している。だが、これといった進展は特になかった。というより、進展しそうになる度に、明里の方から話題をそらしたりしていた。 小雪のことを考えると、今更父親が増えるのはストレスではないだろうかと心配になる。何より、母親になった自分が、恋をしていいものだろうか?「いけない、仕事仕事」 自分に言い聞かせ、スマホをしまって仕事に戻った。 19時20分、約束より少しはやい時間に、成也は神宮寺家に着いた。インターホンを押すと、紺色のドレスを身にまとった明里が出てくる。「変じゃない?」「綺麗だよ。さぁ、どうぞ」 助手席にエスコートをすると、車を走らせた。「今日は誘ってくれてありがとう。どこに行くの?」「ついてからのお楽しみ」「そう。そういえば、体調はどう?」「あぁ、おかげさまで結構いいよ」「よかった」 緊張で会話がぎこちない。(懐かしいな……) 成也は昔のことを思い出していた。初めてデートした時も、こんな風にぎこちない雰囲気だった。(あの頃は、映画デートをして、距離を縮めたっけ)「また、映画観に行きたいな」「映画?」「昔、よく行っただろ」「えぇ、そうだったわね。楽しかった」「俺も、楽しかったよ」 レストランに着き、名前を伝えると、奥の個室に通された。「個室だなんて、高かったんじゃない?」「そういうこと言うなよ……。ここ、肉料理が美味しいらしい。魚介、苦手だったろ?」「覚えててくれたの?」 驚きつつも嬉しそうな顔をする明里に、不意をつかれる。「まぁ、な。好きなの頼んで」「うん、ありがとう」 メニューを見る明里を見て、そっと胸を押さえる。(さっきの顔は反則だろ……) 美味しい食事というのは、魔法に似ている。あれだけぎこちなかったのに、いつの間にかほぐれ、会話が弾む。 デザートを食べてる間、成也は再び緊張しだした。彼にとって、本題を持ち出すのはこれからだ。 デザートを食べ終え、ホットドリンクを楽しむ明里を見つめ、声を掛ける。「明里、実は話があるんだ」「何?」「俺は1回、君にひどい裏切りをした。許されないことだって分かっ
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58話

「そうだよな……。あんなことあったし、俺なんかとじゃ、嫌だよな……」「ちが、違うの……! 嬉しくて……」「え?」 改めて明里の顔を見ると、確かに悲しんでいるようには見えない。わずかにだが、口角が上がっている。「私、いつの間にか、成也さんのこと、また好きになってたの。それで、ずっと悩んでて……。まさか、こんな奇跡が起きるなんて……」 嬉し涙を流す明里に胸がいっぱいになり、気づけば彼女を抱きしめていた。「成也さん……」「今度こそ、大事にする。絶対に守る。明里も小雪も、俺が幸せにする」「うん、うん……!」 明里の涙がシャツに染み込んでいく感覚が分かった。幸せの雨だ。自分はこの雨を大事にするのだと実感する。 泣き止み、目元をこする明里にハンカチを差し出す。「ありがとう」「なぁ、ずっと気になってたんだけど、小雪って……」「えぇ、あなたの子よ」「本当か!?」「私、あなたとしか、その……、関係を持ってなかったし。けど、あとでDNA鑑定はしましょう。こういうのって、はっきりさせたいし」「あぁ、そうだな……。そうか、俺が、父親に……。ますます頑張らないとな」「無理はしないで。私、あなたを支えるから。それとね、考え直したの」「何を?」「仕事」 成也は目を丸くする。明里が外科医の仕事をどれだけ大事にしているのかも、どれだけ成功しているのかも知っている。だからこそ、あの時余計な口出しをしたと後悔し続けていた。「あなたの言う通り、もっと小雪に寄り添ったほうがいいと思って。あの子には、事件のことを除いても、つらい思いさせてきただろうし……」「明里……。無理してないか?」「無理してるというか、外科医としてやりたいことはまだある。けど、小雪とのことを考えると、優先スべきは小雪だし、違う方法で叶えることもできると思う。だからね、小さな病院を始めようと思ってるの」「あぁ、君ならきっと、いい病院を作れるはずだ。応援する」「ありがとう……」 ふたつのシルエットがひとつに重なり、ふたりは喜びの涙を流した。
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59話

 半年後、華やかなホテルで結婚式が行われた。 扉が開き、兄と共にバージンロードを歩く花嫁。「綺麗やで、明里。幸せになってな」「ありがとう、兄さん……」 小声の祝いの言葉に目頭が熱くなる。 美しいドレスの裾を持って歩くのは、水色のドレスを着た小雪だ。 バージンロードを歩き終え、成也の前に立つと、小雪はふたりにハグをしてから、涼と一緒に席に戻る。涼の隣では花蓮が感動の涙を流しながら、シャッターを押し続ける。「新郎成也。あなたはここにいる明里を、病める時も 健やかなる時も、富める時も 貧しき時も、妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」「はい、誓います」「新婦明里。あなたはここにいる成也を、病める時も 健やかなる時も、富める時も 貧しき時も、夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」「はい、誓います」「では、指輪の交換を」 緊張で震える手で指輪を交換し、目が合うと微笑みあった。「誓いのキスを」 明里は軽くつま先立ちをし、成也は彼女の腰に手を回して支え、そっとキスをする。幸福の味がした。「もうあんな思いはさせない。ふたりのことは、俺が守る」「成也さん……。嬉しい。今度こそ、一緒に幸せになろう」 周りに冷やかされながら、ふたりは再びキスをした。
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