「レンタカー、どうしよう! すっかり忘れてた!」「あぁ、安心しぃ。それなら俺が代わりに返してきたわ」「そっか、よかった。ありがとね」「ええんやで。それより、はよ休み」「うん、そうするね」 明里は小雪の部屋に行った。小雪は寝息を立てていた。もう日付が変わろうとしている時間なのだ、寝ていてもおかしくはない。「小雪、変なことに巻き込んでごめんね。ママ、もっとしっかりするから……」 小雪の寝息を聞く度に、睡魔が徐々に強くなっていく。(シャワー、浴びなきゃ……) 頭の片隅にやることを積み上げながら、そのまま眠ってしまった。「ママ、起きてよ。ねぇ、ママ!」 けたたましい声と揺さぶりで目を覚ます。体の節々が痛い。「うぅ……、小雪?」「ママ! もう、こんなところで寝ちゃダメでしょ? おふとんで寝ないと」 腰に手を当て、お姉さんぶる小雪が可愛くて、思わず抱きしめる。「わぁ、ママ!」「ふふ、小雪可愛い。本当に、無事でよかったぁ」 涙がボロボロ零れてくる。なんの涙なのか、自分でもよく分からない。「ママ、小雪はここにいるから泣かないで。よしよし」「小雪、小雪ぃ……。うわあぁ……!」 小さな手は背中を優しく叩き、頭を撫でてくれる。明里はしばらく、小雪の小さな胸で泣いていた。「ごめん、ありがとう」「どういたしまして」 えっへんと胸を張る小雪が可愛くて、また抱きしめる。「はぁ、ママ、お風呂入ってくるね」「うん、そうしたほうがいいよ」 小雪に見送られ、部屋を出ると花蓮と遭遇する。「あ、お嬢様。お風呂湧いてますよ。着替えも置いてあるので、ゆっくりしてください」「ありがとう、花蓮ちゃん」 泣き顔を見られた恥ずかしさで、そそくさと浴室に向かう。「はぁ、やっちゃった……」 湯船に浸かりながら、明里はひとり反省会をした。あんなことがあったから仕方ないのかもしれないが、6歳の娘の胸で子供のように泣くのは、思い出しただけでも恥ずかしさで死にそうだ。「けど、無事で本当によかった……」 湯船から出て身支度をすると、再び病院に向かう。成也の手術をしないといけない。その前に準備だ。他にもやることは山のようにある。「さて、頑張りますか」 頬を叩き、気合を入れた。
Terakhir Diperbarui : 2026-01-16 Baca selengkapnya