夜の帳が完全に下り、静かで重々しい闇が空を覆い尽くした。待ち望んでいた赤い月は姿を見せない。以前モルウェンナが言っていた通り、そこにはただ一つの巨大な月が空に懸かっているだけだった――不自然なほど大きく、あまりにも近くに迫り、銀色の蒼白い光を放って静寂に沈む湖面を優しく照らしていた。水面は静まり返り、空と、周囲をほぼ三百六十度にわたって取り囲む山々や丘のシルエットを鏡のように映し出していた。息を呑むほど美しく、同時にどこかひどく異質な光景であり、まるでこの世界そのものが息を潜めているかのように感じられた。湖の畔で、ディリアンは小さく燃える焚き火の前に座っていた。乾いた薪が微かな音を立てて爆ぜ、小さな火の粉を散らしては、すぐに夜の空気の中へ消えていった。オレンジ色の揺らめく光が顔を照らし出し、決して完全に消え去ることのない疲労と緊張の皺を浮き上がらせる。夕暮れ時からそこに座り、ほとんど身動き一つしなかった。まるで、絶え間なく脳裏を巡る思考によって、全身が縛り付けられてしまったかのように。炎を見つめているが、その実、何も見てはいなかった。思考は宙を彷徨い、幾多の方向へと分岐していく――歩んできた長い旅路へ、果たされるべき約束へ、そして、決して表面に浮かび上がることを許さないまま、絶えず胸につきまとう「何か」へと。湖の方角から吹き付ける夜風は冷たく、骨の髄まで刺し貫くようで、水と湿った土の匂いを運んでくる。それでも微動だにしない。まるで、寒さなど気にするに値しないものであるとでも言うように。そこからそう遠くない場所。しっかりと張られた小さなテントの傍らで、モルウェンナが背筋を伸ばして座っている。月光の下で、その姿ははっきりと見て取れた――落ち着き払い、優雅で、絶対の確信に満ちている。赤髪が解かれ、微かな艶を帯びながら夜風に揺れていた。彼女は先ほどからずっとディリアンを観察していた。強張った背中、決して力の抜けることのない肩、そして夜がどれほど更けようとも決して薄れることのない、その警戒しきった態度を。やがてゆっくりと体勢を崩し、手を地面について体を支えながら、少しだけ上体を前に乗り出した。ディリアンを見つめるその眼差しは深く、彼が常に張り巡らせている防壁の層を突き透かそうとしているかのようだった。そこには興味があり、渇望があ
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