かつて天空の光を美しく反射していた湖は、今やひどく見知らぬ場所のように感じられた。まるで瞬きする間に、全く別の何かに変貌してしまったかのようだ。高くそびえる防壁が周囲を取り囲んでいる。堅牢で冷たく、上部が完全に塞がれたその場所は、もはや自然の神秘などではなく、立ち入ることを許されない禁忌の建造物にしか見えない。分厚い石壁と神聖な封印の向こう側には、ただ空虚な空間だけが残されている――モルウェンナの骸が幽閉され、世界から完全に隔絶され、水と時間の中にゆっくりと同化していくのを待つだけの空間が。全てが、終わったのだ。杖をついて立つ老神官は、完成したばかりの神聖な記号を見つめ、満足げに頷いた。封印は完全に機能しており、もはやいかなる妨害も起こり得ず、全ては上手くいくのだと彼は告げる。それはひどく単純な言葉だったが、恐怖に満ちた夜を幾度も乗り越えてきた者たちにとって、その響きは紛れもない救済そのものだった。セレーネがディリアンへと顔を向ける。長らく強張っていたその顔つきが、ゆっくりと和らいでいく。「ディリアン。私たち、このまま家に帰れるの?」ディリアンは少しの間彼女を見つめ、やがて微かに微笑んだ。「もちろんだ。明日には出発する」無意識のうちに、セレーネの顔に笑みが咲き誇る。これほど長い時間を経て初めて、帰還というものが、脅威や義務によって先延ばしにされるものではなくなったのだ。その夜の空気は、これまでとは全く違って感じられた。あちこちで焚き火が熾され、疲労の色と深い安堵が入り混じった顔を炎が照らし出している。人々は輪になって座り、その日仕留められた鹿の肉を頬張り、冷えた白ビールを喉に流し込んでいた。これまでの苛烈な日々を思えば、そんな素朴な飲食でさえもがひどく特別なものに思える。あちこちから笑い声が弾けていた。ほんのひとときではあるが、世界がようやく本来の平穏を取り戻したかのようだった。ディリアンもまた部下たちの輪に加わり、武勇伝や冗談に耳を傾けている。一方のセレーネは焚き火の反対側に腰を下ろし、ラミア、アイレ、ルナたちと肩を並べていた。炎の光が彼女たちの瞳に反射し、夜の冷気とは対照的な、ひどく温かな影を落としている。セレーネはラミアへと顔を向け、やがて問いかけた。「これから、どうするつもり?今や何もかも、終わ
Read more