しかし、玲司が喜ぶ暇はなかった。最新のメッセージが、一年以上前で途切れていることに気づいたのだ。そして最後の着信は、遥香がP市まで彼を訪ねてきた、その日のものだった。それ以来、この番号には、遥香に関するいかなる情報も一切届いていない。遥香は、本当にいなくなってしまったのだ。その瞬間、玲司の胸を、鋭い痛みが貫いた。遥香は何の手がかりも残さず、玲司が彼女を探し出す術も、完全に断ち切っていた。遥香は、まるで最初からそのつもりだったかのように、決別を選んだのだ。二人を繋ぐ唯一の連絡手段だったこの番号さえ、彼女は容赦なく捨て去った。玲司は、これまで感じたことのない苦痛と恐怖に襲われた。七年前、初めて出会ったとき。玲司は、遥香が自分に向けている明確な敵意を、はっきりと感じ取っていた。だが、時が経つにつれ、彼女の態度が少しずつ変わっていくことにも、確かに気づいていた。もっとも、その頃の彼の心には、常に雨音がいた。長年想い続け、深く愛してきた、初恋の相手。もし遥香の父親が恩義を盾に迫ってこなければ、遥香を守り、世話をするなどという選択肢は、最初から存在しなかっただろう。ましてや、遥香の心を射止めることなど、あり得るはずもなかった。それでも、玲司はやってのけた。遥香は、どうしようもないほどに、彼に恋をしてしまったのだ。だが、それがどうしたというのか。玲司は、一度たりとも遥香を愛したことはなかった。たとえ遥香が、すべての記念日を覚え、分厚い日記を綴り、朝四時に二日酔いのためのスープを用意してくれたとしても。最初から最後まで、玲司は遥香を愛してなどいなかった。そして玲司は、遥香のその想いにつけ込み、死んだふりをして彼女の前から姿を消した。自分が生きていると知って会いに来た遥香を見たとき、彼は確信していた。この女は、決して自分から離れない、と。それなのに、今は……遥香は、本当に去ってしまった。そのとき、ドアの外からごそごそと物音がした。だが玲司は、信じられないというように、その場に立ち尽くしていた。視線が、見慣れた瞳とぶつかる、その瞬間までは。遥香……玲司の目がわずかに見開かれ、何度も発信を繰り返していたスマートフォンが、手から滑り落ちた。「はる……」次の瞬間
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