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第15話

مؤلف: 時庭夕夏
病院を出た後、遥香は実家には戻らず、すぐに入居できるアパートを見つけて引っ越した。

今の遥香には、一人で腰を据えて考えるための空間が必要だったのだ。

だが、玲司の写真がまだ残っているあの場所へは、もう二度と戻りたくなかった。

そこで遥香は、当座の生活用品を簡単にまとめるため、かつて住んでいた家へ向かった。

しかしドアを開けた瞬間、つけっぱなしになっていたテレビに映る結婚式の映像が、視界に飛び込んできた。

「ねぇ、どうしておとぎ話って、王子様とお姫様が結婚するところまでしか書かれていないんだろうね」

遥香の脳裏に、かつてどこかで目にした一文が、ふと蘇る。

「たぶんそれは、結婚前の姫の人生には無限の可能性があるから。

でも彼女は、その無限の可能性の中からたった一人の王子様を選び、他のすべての素晴らしいものを手放した。だからこそ、二人の愛はこの上なくロマンチックに見えるの。

そして結婚後。姫は姫でなくなり、王妃になる。王妃の結末は、物語の冒頭ですでに描かれているじゃないか。

たとえば、白雪姫の早くに亡くなった実の母親や、シンデレラの若くして死んだ母親のように」

遥香は黙って歩み寄り、結婚式のビデオを止めた。

再生が終わる直前、欧文フォントで表示された「THE END」の文字は、まるで二人にとってとっくに定められていた必然の結末を暗示しているかのようだった。

まるで、「こうして王子様とお姫様は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ」という一文そのものが、呪いであるかのように。

だから、玲司との結婚式のビデオがどれほど幸せそうに映ろうと、今の彼女はもう思い出すことはないし、思い出すべきでもなかった。

遥香は荷物をまとめ、アパートへと戻った。

昨日、実家の父の書斎で玲司に関する資料を一通り目にしたことで、雨音が自分に嘘をついていなかったことを、遥香はほぼ確信していた。

玲司は確かに、裏社会と浅からぬ関係を持っていた。

それどころか、父の傍に現れる以前は、F国でグレーな産業や武器の密輸ビジネスにまで手を染めていたとさえ言える。

ただ、遥香に理解できなかったのは、父と母、そして弟を殺したのが同じ一味であると、なぜ雨音が知っていたのか、という点だった。

遥香の視線は、目の前に広がる無数の資料の上へと、ゆっくりと落ちていく。

にわかに、遥香もまた途
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