@ 聖なる泉の神殿 霧の谷を抜け、一行はついに目的地へと辿り着いた。 聖なる泉の神殿——かつてエルセリア王家が守護していた場所。だが今、その神殿は帝国の手に落ちている。「……ここが、聖なる泉」 セリスは目の前に広がる光景に息をのんだ。 神殿の奥、蒼く輝く泉が神秘的な光を放っている。水面はまるで鏡のように滑らかで、触れれば過去の記憶が蘇ると言われている場所——まさに、彼女が『記憶の継承』を完成させるために必要な場所だった。 しかし、その泉の前に立つ黒い影があった。「……来たか」 重厚な鎧に身を包み、巨大な剣を携えた男——ヴァルドリッヒ・カインツ。 帝国最強の将軍が、彼女たちの前に立ちはだかる。「王家の継承者よ」ヴァルドリッヒが低く告げた。「お前がここへ来ることは、最初からわかっていた」 セリスは剣を握りしめ、一歩前へ出た。「なら、話は早いわね」 静かな声。しかし、その瞳には決意が宿っていた。「私は、王の記憶を継ぐ。そして、この帝国の支配を終わらせる」 ヴァルドリッヒの表情に、わずかに影が差した。「そうか……ならば、力を示せ」 彼は剣を構える。「お前が王の剣を継ぐにふさわしい者かどうか……私が見極める!」 刃と刃がぶつかり合う音が、神殿に響き渡る。「くっ……!」 ヴァルドリッヒの一撃は重い。セリスはその剛剣を受け流しながら、隙を狙う。「これが……帝国最強の剣士……!」 ライルやレオンも援護しようとするが、ヴァルドリッヒの気迫に圧倒され、迂闊に近づけない。「セリス、やれるか……?」カイが歯を食いしばる。「……やるしかない!」 セリスは深く息を吸い、王の剣を掲げた。 ——王家の記憶が、彼女の中で呼応する。 (今なら……!) 彼女は泉に向かって跳躍し、剣を水面
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