@ 交易都市の激闘 狭い路地裏に鋭い剣戟の音が響き渡る。 ライルは先頭に立ち、帝国兵の剣を弾き返した。その反動で生まれた隙を突き、セリスが踏み込む。「はっ!」 素早い剣の一閃が帝国兵の腕をかすめ、相手は苦悶の声を上げた。しかし、すぐに別の兵士が彼女の側面に回り込み、攻撃を仕掛けてくる。「甘いな」 その一撃は、横から割り込んだカイの短剣によって阻まれた。彼はにやりと笑い、相手の剣を巧みに絡め取ると、逆手に取った短剣で兵士の足元を払った。「っと、倒れてもらおうか!」 兵士は無様に転倒し、ミアの魔法がその体を縛りつける。「動かないでよ。じっとしてれば痛い目に遭わずに済むんだから」 ミアの指先が紫色に輝き、さらにもう一人の兵士の足元に幻影を走らせる。その兵士は錯覚にとらわれ、一瞬の隙を見せた。そこへライルが剣を叩きつけ、完全に戦闘不能にする。「……なるほど、なかなかやるじゃないか」 フードの男——エーリヒは、興味深そうに目を細めた。「だが、そろそろ潮時じゃないかな?」 そう言って彼が懐から小さな水晶を取り出す。すると、空間がわずかに歪み、帝国兵の増援が姿を現した。「転移魔法……!」 セリスは歯を食いしばる。先ほど倒した兵士たちの穴を埋めるように、新たな兵士たちが周囲を取り囲んでいた。「さあ、どうする? そろそろ逃げ道はなくなってきたぞ?」 エーリヒの声には余裕がある。しかし、セリスたちの目に諦めの色はなかった。「カイ、隠し通路は?」 ライルが短く問う。「へへっ、ちゃんと確保してるぜ」 カイが不敵に笑い、足元の石畳を軽く蹴る。その瞬間、カタリと鈍い音を立てて、地面に小さな穴が開いた。「ここから地下水路に抜けられる。ただし——」「ごちゃごちゃ言ってる暇はない! 早く行くわよ!」 ミアが言葉を遮りながら、先に飛び込んだ。
Zuletzt aktualisiert : 2026-02-04 Mehr lesen