@霧の森への旅立ち 帝国の追っ手を振り切ったセリスたちは、夜のゼルヴァニアの街を慎重に抜け出し、郊外へと向かっていた。 夜風が冷たく肌を撫で、遠くではフクロウの鳴き声が響く。「……ふぅ、ひとまず撒けたみたいだな」 ライルが警戒を解かずに背後を振り返る。 セリスも息を整えながら、これからの行動を考えていた。 目指すのは《霧の森》——ゼルヴァニアの北東に広がる広大な森林地帯。 そこには、かつてエルセリア王国の賢者たちが研究していた施設があったという。「《王の書庫》の情報を探るには、まずそこに向かうべきね」 セリスは決意を込めて言った。 ライルも頷き、剣の柄を軽く叩く。「問題は森の中だな……霧が濃く、道が分かりにくいと聞く」「それだけじゃないよ」 エドガーから得た情報によれば、《霧の森》には今もなお “守護者” がいるという噂がある。 エルセリア王国の滅亡後も、外敵の侵入を防ぐために設けられた 魔術的な仕掛け、そして 強力な獣 が森を守り続けているという。「……簡単には辿り着けそうにないわね」 それでも、行くしかない。 二人は夜明けを待たず、馬を駆り、《霧の森》へと向かった。 *** 霧の森の試練 森に入ると、途端に世界が変わった。 白く濃密な霧が視界を覆い、木々の影が揺らめく。 まるで森そのものが生きているような、不気味な雰囲気が漂っていた。「……本当に道が見えないな」 ライルが慎重に周囲を見回す。 セリスもまた、霧の奥へと視線を向けた。「普通の霧じゃない……魔術が混ざってる」 まるで意図的
Zuletzt aktualisiert : 2026-01-14 Mehr lesen