@ 地下区画への潜入 オルディア連邦の地下区画――そこは、表の賑わいとは無縁の闇が支配する場所だった。かつて貿易の要所として栄えたものの、時代とともに忘れ去られ、今では犯罪者や密輸業者が暗躍する迷宮のような区画となっている。「本当にこんな場所に帝国の研究施設があるのか?」レオンが眉をひそめながら周囲を見回す。「帝国が表立って活動できない以上、こういう裏の世界を利用するのは理にかなっているわ」カイが低い声で答えた。「オルディアの評議会の目を欺くには、表向きはただの廃墟に見える場所のほうが都合がいい」「問題は、どうやって施設に侵入するか、ね……」セリスは辺りを慎重に観察しながら呟く。 ミアが懐から小さな紙片を取り出し、そっと広げた。「この地図によると、施設への入口は廃墟の奥にある“封鎖された地下道”の先にあるみたい」「封鎖ね……となると、普通のルートでは入れないってことか」ライルが顎に手を当てて考える。「鍵がかかっているか、あるいは帝国の兵が見張っているか……どちらにしても、強行突破は避けたいわね」「なら、俺に任せろ」カイが不敵に笑い、腰の道具袋を軽く叩いた。「帝国の連中がどんな仕掛けを用意していようと、俺の手にかかれば開かない扉はないさ」「……なら、慎重に行きましょう」セリスは決意を込めて頷いた。 四人は物陰に身を潜めながら、廃墟の奥へと進んでいった。通路の先には、苔むした鉄扉が重々しく佇んでいる。「ここが入口か」レオンが低く呟く。「……帝国の研究施設にしては、随分と古びているな」「表向きは廃墟だからね。でも、鍵がかかっているなら間違いなくここが正解よ」ミアが言う。 カイはしゃがみ込み、扉の鍵穴を観察した。「ふむ……単なる錠前じゃないな。魔法で強化されてる」「帝国の術式ね……解除できる?」セリスが問うと、カイはニヤリと笑った。「もちろん。時間をくれればな」 カイが細い金属の工具を取り出し、鍵穴に差し込んだ。カチャカチャと細かい音が響き、
Zuletzt aktualisiert : 2026-03-09 Mehr lesen