隠し通路 – 闇に包まれた道 冷たい石壁が周囲を覆い、足音が静かに響く。隠し通路の中はほとんど光がなく、ミアが魔法の灯りを手のひらに浮かべて進んでいた。「……随分と古い通路だな」 カイが壁を軽く叩きながら呟く。「王の書庫とつながっている以上、建国時代からあった可能性が高いわね。ここを知っていたのは、おそらく王族だけでしょう」 ミアが壁に刻まれた古い紋様を指でなぞる。「なら、帝国のやつらは知らないってことか」 ライルが警戒を緩めぬまま、剣を片手に進む。 セリスは無言で歩きながら、脳裏に刻まれたばかりの記憶を反芻していた。 王家に受け継がれる最後の使命 それが何を意味するのか、まだ全てを思い出せたわけではない。しかし、確かに彼女は「果たすべきこと」を知っている。「……セリス、大丈夫か?」 ライルが彼女の横に並び、そっと尋ねた。「ええ……大丈夫。でも、ここを抜けたら話したいことがあるわ」 セリスは前を見据えながら答える。「ふむ。わかった」 そのとき、カイが突然足を止めた。「……待て。何かある」 彼の手が宙を探るように動き、壁の隙間に触れると、小さな機械仕掛けの音が鳴った。「罠か?」 ライルが身構える。「いや……扉だな。でも、これは普通の仕掛けじゃない。魔法と連動してる」「魔法の封印なら私が——」 ミアが進み出るが、セリスはふと違和感を覚えた。「待って。……私がやる」 彼女はそっと壁に手を当てた。すると、指先から微かな温もりが広がるような感覚がした。「……やっぱり」 封印は、王家の血を持つ者にしか
Zuletzt aktualisiert : 2026-01-24 Mehr lesen