アルトゥールが腰を打ちつけるたび、パーシヴァルの喉の奥から呻きがもれる。「う……ぐぅ……っ!」──傷つけたいわけでは……、ないのに! 脳の片隅に、そんな思いがかすめるが。 パーシヴァルのフェロモンに、理性的な思考はどんどん削られていく。「──ううっ!」 びくんっ! と、パーシヴァルの体が跳ねる。 だが、根本に嵌められた環によって、熱は解放されない。 見開かれた金茶の瞳から、涙が溢れ落ちる。 オメガという、どこにあっても必ず迫害される性を持つパーシヴァルだが──。 決して、折れて泣いたことなどない。 その彼が、呻きながら泣き、同時にアルトゥールによって体を暴かれる熱に、イキ狂っている。 抱きしめた腕が、パーシヴァルの背中の傷に触れた瞬間。 明らかに快感とは違う反応で、彼の体が震えた。──この傷が……。 アルトゥールがこよなく愛した高潔なる騎士を、隷奴に貶めた傷。 未だ癒えきっていないその傷の感触に、アルトゥールはギリと奥歯を噛み締める。 再びびくんっと、パーシヴァルの体が跳ねた。 背は仰け反り、縛られ固定された足のつま先だけで立ったまま、健を切られた利き腕だけが、シーツの上に落ちている。 全身を震わせるたびに、力の入らない右手が微かにシーツを掴むような動きを見せた。 アルトゥールは、その手を掴んだ。──こんなにも……。 幼少の頃。 護衛の目をかすめ、アルトゥールは街に出た。 皇太子とは気づかれなかったものの、身につけた高価な装飾や衣服から、暴漢に襲われ、誘拐されそうになった。 その時、スラムに連れ込まれたアルトゥールを助けたのが、当時まだ少年であったパーシヴァルだった。 幼少の自分が、暴漢の前に成すすべもなく衣服を剥ぎ取られ、暴力に晒された時。
Last Updated : 2026-02-11 Read more