「本当にごめん!!大丈夫だった!?」 次の収録日、スタジオへ入るなり真っ先に那奈さんに頭を下げられた。驚いて一歩後退ってしまったほど勢いと圧が凄かった。 「いえいえ、大丈夫ですよ。那奈さんが無事に帰れたようで良かったです」 本当は色々とあったけど、まあ、それは言う必要がないので黙っておく。 「本当?あの日さ、仲佐さんから電話あったんだよね。何処にいるだって」 「え?」 「結構切羽詰まった感じだったから教えてやったんだけどさ」 申し訳なさそうにする那奈さんを見て、あの日、何故あの場所に仲佐さんが現れたのか合点がいった。 (なるほど。そういう事か) ずっと疑問だった。なんで場所を教えてないのに、迷うことなく迎えに来れたのか。那奈さんの行動範囲を知ってしても、あそこまでピンポイントで迎えに来れるはずがない。 「ねぇ、本当に大丈夫だった?」 「だ、大丈夫ですよ!」 黙って考え込む私の顔を覗き込むようにして問いかけてきた。笑顔を作り返事を返すと、何やら思い詰めたような表情に変わった。 「あのさ……もしかして、紗千香ちゃんと仲佐さんって付き合ってる?」 「ええ!?」 唐突もない言葉に目を見開いて飛び退いてしまった。 「あれ?違う?」 「違いますよ!仲佐さんとはそんな関係じゃありません!というか、仲佐さんに失礼ですよ!」 「えぇ?」 那奈さんは自分の勘が外れて首を傾げているが、残念なら本当の事。 私が男性に慣れるために相手をしてもらってるだけで、特別な関係じゃない。それも役作りの為の期間限定のもの。 本音を言えば、私だって仲佐さんみたいな素敵な人と付き合ってみたいさ。だけど、私にはその資格がない。告白する勇
Última actualización : 2026-03-04 Leer más