Todos los capítulos de その声、独り占めしてもいいですか?: Capítulo 11 - Capítulo 20

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episode.11

「本当にごめん!!大丈夫だった!?」 次の収録日、スタジオへ入るなり真っ先に那奈さんに頭を下げられた。驚いて一歩後退ってしまったほど勢いと圧が凄かった。 「いえいえ、大丈夫ですよ。那奈さんが無事に帰れたようで良かったです」 本当は色々とあったけど、まあ、それは言う必要がないので黙っておく。 「本当?あの日さ、仲佐さんから電話あったんだよね。何処にいるだって」 「え?」 「結構切羽詰まった感じだったから教えてやったんだけどさ」 申し訳なさそうにする那奈さんを見て、あの日、何故あの場所に仲佐さんが現れたのか合点がいった。 (なるほど。そういう事か) ずっと疑問だった。なんで場所を教えてないのに、迷うことなく迎えに来れたのか。那奈さんの行動範囲を知ってしても、あそこまでピンポイントで迎えに来れるはずがない。 「ねぇ、本当に大丈夫だった?」 「だ、大丈夫ですよ!」 黙って考え込む私の顔を覗き込むようにして問いかけてきた。笑顔を作り返事を返すと、何やら思い詰めたような表情に変わった。 「あのさ……もしかして、紗千香ちゃんと仲佐さんって付き合ってる?」 「ええ!?」 唐突もない言葉に目を見開いて飛び退いてしまった。 「あれ?違う?」 「違いますよ!仲佐さんとはそんな関係じゃありません!というか、仲佐さんに失礼ですよ!」 「えぇ?」 那奈さんは自分の勘が外れて首を傾げているが、残念なら本当の事。 私が男性に慣れるために相手をしてもらってるだけで、特別な関係じゃない。それも役作りの為の期間限定のもの。 本音を言えば、私だって仲佐さんみたいな素敵な人と付き合ってみたいさ。だけど、私にはその資格がない。告白する勇
last updateÚltima actualización : 2026-03-04
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episode.12

紗千香ちゃんの様子がおかしい。 「あ、お、おはようございます!」 朝、顔を合わせたら分かり易く目を逸らされた。 「……おはよう。あのさ、昨日って」 「すみません!今日早出なので先に行きますね!」 挨拶もそこそこに俺から逃げるように飛び出して行った。 「……何かやったな……」 起きた時、ソファーに寝ていたから嫌な予感はしていた。 「はぁぁ~」と壁に背中を預け、溜息を吐きながらその場にしゃがみこんだ。 あの感じは少なくともキスぐらいはしている反応だった。何がイラつくって、その場面を覚えていない自分に腹が立つ。 あの子はどんな顔でキスをした?顔を蕩けさせて俺を欲しがった? 「一番大事なところを覚えていないなんて……」 この歳で一回りも違う子に本気になるとは思わなかった。 第一印象は小さくて可愛らしくて子ウサギの様だと思った。俺の事を慕ってくれるのは目に見えて分かっていたが、特別な想いは沸かなかった。 いざ声を当ててみると、あの子の声は華やかではないが人を惹きつける声色をしていた。全身の毛が逆立つような感覚なんて初めてで、あの子の声に聴き惚れた。 もっと聴きたい。そう思ってしまった。 まあ、そこからは、自分に憧れていると言う彼女の気持ちを最大限に利用させてもらった。少し卑怯な手だとは思ったが、彼女を傍に置けるなら構わない。 毎日違う表情を見せてくれる彼女を見ているのが楽しくて、気付けば年甲斐もなく恋をしている事に気が付いた。 相手は一回りも離れているのだから諦めるように自分自身に言い聞かせたが無理だった。 俺にすら見せた事のないような可愛らしい服に身を包み、合コンに行くと聞いた時
last updateÚltima actualización : 2026-03-05
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episode.13

「久々に帰って来たなぁ」 紗千香は仲佐のマンションではなく、久しぶりに自分のアパートへ戻っていた。 「はぁ~、やっぱり自宅が一番落ち着く」 着替えもしないでベッドに寝転がっても罪悪感ないし、大声で文句を言ったって平気だ。私以外いないから気を遣わないでいいし、キッチンなんて3歩で行ける。 単なる強がりにしか聞こえないが、そう言って誤魔化してないと泣いてしまいそうだから…… 枕を抱きしめ顔を埋めると、仲佐さんの匂いのしない枕に、ジワッと目頭が熱くなってくる。 (あぁ~、駄目だ) いくら誤魔化そうとしても、あの人の匂いや温もりは私の記憶から消えてくれない。 涙の溢れる目を覆うように腕を押し当てていると、トゥルル……スマホの着信音が部屋に響いた。 画面には『仲佐』の文字。 出ないと言う選択肢もあるが、万が一にも仕事関連だと困る。「ふぅ」と気持ちを落ち着かせるように息を吐くと、通話ボタンを押した。 「……はい」 『あ、紗千香ちゃん?今どこ?』 受話口から聞こえる仲佐さんの声にホッと喜ぶ自分がいる。 「えっと──」 話を進めようとした時『皓也?』遠くから仲佐さんを呼ぶ声が聞こえた。 あの現場で仲佐さんを名前で呼ぶ女性は一人しかいない。 『誰と話してるの?早く行きましょう?』 『お前ッ!人が話している時に入って来るな!』 『ええ?何よ。私より大事なの?』 痴話喧嘩のような会話が聞こえてくる
last updateÚltima actualización : 2026-03-06
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episode.14

同窓会の会場はホテルのお手頃なホールを貸し切って行われた。 久しぶりに会う級友は、大人びて雰囲気が様変わりしていたり、結婚して子連れで参加していたり、それぞれが今を楽しく過ごしているのがよく分かった。 会話も弾み、あっという間に時間が過ぎて行った。 「紗千香はこの後どうする?二次会行くでしょ?」 二次会組と帰宅組と分かれているようで、紗千香も二次会に誘われていた。 「ん~」 まだ話し足りない気もするが、優弥との約束もあって行くのを躊躇っている。 まあ、優弥が勝手に決めた事であって、私が気にする必要はないんだけど……と、考えていると手にしていたスマホが鳴った。画面には『優弥』の名前。随分と早い連絡に驚きつつ、通話ボタンを押した。 『あ、オレオレ!今どこ?』 開口一番、新た手の詐欺のような早口で捲し立てられた。 「今ちょうど二次会行こうか話してた所」 『ふ~ん。何処でやる?俺も行くわ』 「え!?」 『場所、送っといて』 言うだけ言って電話を切られた。 あまりの強引さに「は?」と理解が追いつかない。昔から強引な所はあったが、ここまで酷かった訳じゃない。 流石にフツフツと苛立ちが湧いてくる。 *** 二次会はクラスメイトの実家である居酒屋。既に出来上がっている者もいて、他の客に迷惑がかからないかと心配になったが、大将が気を使って貸切にしてくれていた。 「久しぶり」 「お!来
last updateÚltima actualización : 2026-03-09
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episode.16

「俺は諦めないから」 別れ際、優弥に言われた言葉。 電車に揺られている間も優弥の顔がチラついて離れない。まさか、何年も会っていない幼馴染みに告白されるとは思いもしなかった。 優弥ならば、私なんかよりもっとずっと素敵な女性がいたはず。何故、私?と率直に疑問が浮かぶ。昔を思い出しても、そんな素振りは一切なかった。なんなら雑に扱われた方だと思う。 「ごめんなさい」その一言で片付くと思っていたが、違った。そんな執着される意味が分からない。 プライドが傷付けられて意地になっている節も無くはないが…… (なんなんだ……) 悶々としながら考えこんでいたら、いつの間にか降りる駅に着いていた。 着いたら電話をしろと言われていたが、只今の時刻は深夜を回っている。流石に待ちくたびれて寝ているかもしれない。迎えに来てもらうほどの子供でもないし、来てもらう義理もない。……とまあ、それらしい事を並べてはいるが、要は会いにくいってだけ。 香里さんに嫉妬してマンションを飛び出し、同窓会へ来たら勇也に告白され、仲佐さんに変な疑惑まで持たれた。この上で、どの面下げて会えばいいんだよ。 紗千香はそのままスマホを手に改札口を出た。 そのまま駅の外へ歩いていると「紗千香ちゃん」と呼び止められた。 まさか?と思いつつ声のした方を振り返ると、そこには仲佐が腕を組みながら立っていた。 「なんで?」 「なんで?は酷いなぁ。……家で待ってようかと思ったんだけどね。幼馴染み君に煽られちゃ、どうしてもジッとしていられなくて」 困ったように目を細めて微笑んだ。 「それに、ここで待っていな
last updateÚltima actualización : 2026-03-13
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episode.17

紗千香はまだ夢を見ているような心地で、仕事場であるスタジオへとやってきた。 昨夜、お互いの存在を確かめるように体を重ねた。何度も何度も名前を呼び、キスを交わし、身体を求めた。 今も仲佐さんの温もりが体に残っていて、全身が包まれているような感じがする。 「紗千香ちゃん、おはよう」 「あ、那奈さんおはようございます!」 「あら?あらあらあら?何かあった?」 察しの良い那奈はすぐに紗千香の変化に気が付き顔を緩ませて近付いて来た。 「もしかして、彼氏でも出来た?」 ニヤつく口元を手で隠しながら耳打ちされ、思わず肩が跳ねた。 「え!ウソ、本当に!?」 「いや、彼し……」 言葉を続けようとしたが、声が詰まって出てこない。 (あれ?私と仲佐さんの関係って何だろ) 身体を重ねている間は「好きだよ」なんて甘い言葉をかけられていたが、目が覚めてからは普段と変わらない態度だったし、一言も付き合うとは明言していない。 (……あ、れ?) 先程まで舞い上がっていた気持ちがスーと引いていくのが分かる。 「え、ちょっと、どうしたの?」 那奈さんの声が遠く聞こえた…… *** 「浩也!」 「ん?」 スタジオを出た俺を引き留めたのは、同じスタジオで収録をしていた香里だった。 「今終わり?」 「ああ、お前も終わりか?」 「もう少しで終わるから待ってってくれる?」 「なんで俺が」 「いいじゃない。暇でしょ?」 香里は俺の言う事を聞かず、強引
last updateÚltima actualización : 2026-03-16
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episode.18

「ん……今何時……」 重い瞼をこじ開け、寝返りを打ちながらスマホを探すと、目の前にスマホを置く手が見えた。 きっと紗千香が気を利かせてくれたのだろうと、顔を上げお礼を言おうとした。 「あ、ありが──……」 顔を上げ、目が合った人物に思わず息を飲んだ。 「なに、その顔」 「え、は……?なんでお前が……?」 不満げに眉を顰め、睨みつける香里がそこにいた。 「飽きれた……覚えてないの?」 溜息を交えながら、これまでの経緯を説明してくれたが、どうやら酒に酔って潰れてしまったらしい。 「珍しいわね。貴方が潰れるなんて」 これには流石の俺も驚いた。自慢ではないが、今まで酒で潰れた事なんて片手の指で数えるほど。それでなくとも、女性と飲むとなればそれなりに気を引き締めていたはず。例え気心知れていた相手だとしても…… (まさか……) ハッとして自分の衣類を確かめた。少し開けてはいたが、ちゃんと着ていたことにホッとした。 「ちょっと、私を信用してないの?」 介抱したのに貞操を疑われ、香里は苛立ったように言い返した。 「いや、そう言う訳じゃない。俺が手を出していないか心配だっただけだ」 「ふ~ん」 明らかに安堵の表情をする仲佐を目にして、香里は眉を顰めた。 「別に、手を出してくれても良かったのよ?」 仲佐に跨るようにベッドに上がると、羽織っていたガウンを脱ぎ捨てた。レースをあしらったキャミソール姿で豊満な胸を見せつけるように覆いかぶさってくる。 「ねぇ。昔のように抱いて?」 香里は仲佐の手を取
last updateÚltima actualización : 2026-03-18
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episode.19

仲佐さんの帰りが遅い…… 今日は早く帰るって連絡があったのに、時計の針は深夜を回り3時にかかろうとしている。 (何かあった?) 事故?事件?それとも……他の誰かと……? 仲佐さんはモテる。自分ではそんな事ないと言っているが、否が応でも考えてしまう。 「やっぱり、私とは一夜限りだったのかな」 仲佐さんに限ってそんなことないと頭では分かっていても、昨日の今日でこの対応……心が追い付いてこないよ…… 考えれば考えるほど、底なしの沼にはまっていっているようで涙が込み上げてくる。 カチャ…… 玄関のドアが開く音がして、リビングの扉に目をやった。 「あれ?まだ起きてたの?」 「な、仲佐さん!」 「──っと、どうした?」 仲佐さんの顔を見たら、今まで色々考えていた不安なんてどうでもよくなってしまって、その胸に飛び込んだ。 「ごめんね。寂しかった?」 勢いよく飛び込んでも、文句の一つ言わずに受け止めてくれる。ようやく感じられた温もりに安心ししかかった時、フワッと嗅ぎ覚えのある匂いが鼻を掠めた。 (もしかして、今まで香里さんの所に……?) 「紗千香ちゃん?」 顔を俯かせ、黙る私の顔を覗きこんできた。 「あの……今まで何処にいたんですか……?」 「ん?」 居場所を探るような発言なんて面倒臭い女だと思われるかもしれない。でも、聞かずにはいられなかった。 紗千香の強張った表情を見た仲佐は、しばらく考えたあと口を開いた。 「あ~……連絡できなくてごめんね。ちょっと酒に酔ったらしくて、知り合
last updateÚltima actualización : 2026-03-20
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episode.20

 優弥この日、休暇の紗千香は最寄り駅へと来ていた。 先日の同窓会で会えなかった友達から「会いたい」という連絡があったからだ。「紗千香!」 「亜美!」 笑顔で駆け寄り、再会を喜ぶように強く抱きしめ合った。  柏木亜美は幼稚園から仲で、優弥と三人よく一緒にいた。同窓会の日は、亜美の子が熱を出してしまったので欠席だった。「元気だった!?随分と都会染みた格好してんじゃん!」 「見ての通り。そっちこそ、大丈夫なの?」 「子供?もう全然よ。今日は旦那に押し付けてきたわ」 「あははは!相変わらずだなぁ」 この変わらないノリが昔に戻ったようで心地よい。「おいおい、俺を忘れないでくれよ」 「!?」 肩を叩かれ振り返って見れば、そこには優弥が「よっ」とニヤッと口角を吊り上げていた。「な、ななななななんで!?」 思わず亜美を盾に後ろに隠れた。「お前さぁ、その反応は流石に傷付くって」 「いや、だって……」 優弥が一緒なんて聞いてない。 鳩が豆鉄砲を食ったような顔で亜美を見ると「ごめんごめん。言うの忘れてたわ」なんて軽い謝罪が返って来た。「まあ、いいじゃない。学生に戻った気分で三人で遊びましょ」 亜美は飛び掛かるように私の肩と優弥の肩に腕を回して言った。(ウソでしょ……) 紗千香は前を歩く二人の姿を目にしながら困惑していた。 今日は亜美と会うからと外出したのに、優弥までいるんじゃ話が違う。(気まずい……) あんな事があってから初めて顔を合わせる。気まずくないはずない。一体、どういうつもりで会いに来たのか……もしかして、また仲佐さんとの仲を引き離す為に?「置いてくぞ!」 色んな思いが巡るが当の本人はいつも通りで、亜美と一緒になって私の事を呼んでくる。 あれ?私、コイツから告白受けたよね?と自問自答してしまうほどには困惑していた。そんな思いを知ってか知らずか、優弥がそっと私の側に寄ってきた。「そんな顔するな。今日は純粋に遊びに来ただけだ。まあ、半分はお前に会う口実だけど」 「ッ!?」 亜美に気付かれないように耳打ちすると、ニカッといい笑顔を向けてきた。「ほら、行くぞ」 私の手を取り走り出す優弥に呆れつつも「ふふっ」と笑みがこぼれた。 何も知らない亜美は「?」顔だが、すぐに笑顔で
last updateÚltima actualización : 2026-03-23
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