そう思うと、隼人の後悔はさらに深まった。もし自分がもう少し早く気づいていたら、きっとためらわずに飛び込んでいただろう。一方それを聞いた、澪は何とも言えない気持ちになった。結婚していた3年間、慎也は自分を大切にしてこなかった。それなのに、離婚した今になって、彼は命をかけて自分を助けようとしたのだ。澪はそれ以上は何も言わず、ただ慎也が目を覚ましたらすぐに知らせてほしいとだけ伝えた。片や慎也が目を覚ましたのは、翌日の朝になってからだった。知らせを聞いた澪は、隼人が止めるのも聞かず、点滴を抜いて慎也の病室に向かった。澪の姿を見た瞬間、慎也の目にパッと光が宿った。「澪、無事でよかった。ゴホッ……」彼の容体は澪よりもずっと重く、体はまだ弱りきっていた。すると澪は複雑な表情で彼を一瞥し、そばにいた隼人に言った。「隼人さん、少し二人だけで話がしたいの」そう言われ隼人は目に見えて落ち込んだ。でも彼は黙って病室を出ていくと、二人きりにしてあげた。一方、澪の行動を、自分を許してくれた証だと受け取った慎也は思わず胸が高鳴った。「澪……ゴホッ、やっと俺を許してくれる気になったのか?」「まずは落ち着いて」澪は唇を引き結んだ。「助けてくれたことには本当に感謝してる。でも、だからといって、私たちの失敗した結婚生活が帳消しになるわけじゃない」それを聞いて慎也は喜びに満ちた表情が一瞬で凍りつき、しどろもどろに言った。「どうしてだ、澪。俺はお前のためなら命も惜しくない。これでも俺の愛を信じられないのか。前は自分の気持ちが分かっていなくて、お前をないがしろにした。でも、もう二度とそんなことはしないと誓う。それでも許してくれないのか……」「そういうことじゃないの」澪は慎也の言葉を遮った。彼を見る目には感謝の色はあっても、愛情は少しもなかった。それから、澪は病室の外で待っている隼人にちらりと目をやり、言葉を続けた。「あなたが私を傷つけたことは許せる。でも、もうあなたを愛してはいないし、これから愛することもないわ」慎也は聡明な男だ。すぐに澪の言いたいことを理解した。彼は悔しさをにじませながら苦笑いを浮かべ、最後の質問を口にした。「お前は……あいつのことが好きになったのか?」澪は一瞬ためらったが、最後にはこくりと頷
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