父が支援していた苦学生の津戸彰人(つど あきと)が薬を盛られた時、私・豊松純菜(とよまつ じゅんな)は自分の意思で彼に抱かれた。ただ、十年もの間、彼を愛し続けてきたから。自分を捧げることに、一片の迷いもなかった。けれど、彼の幼馴染である栗下美々(くりした みみ)が私たちの愛し合う瞬間を目撃してしまい、動揺して外に飛び出した直後、車に跳ねられて命を落とした。彰人は私を抱き寄せ、「お前のせいじゃない」と優しくささやき、プロポーズしてくれた。その言葉を信じた父は、会社のすべてを彰人に譲り渡した。しかし彼は結婚式の前日に、わざと仕組んだ交通事故で父を死に追いやった。私が深い悲しみに沈んでいた時、彰人は私を山奥へ連れ出した。そして、何度も何度も車で私の体をひき潰した。美々が死の間際に味わった苦痛を、私にも味わわせるためだけに。「お前が薬なんて盛らなければ、俺がお前を抱くことなんてなかったんだ!美々があんなことになるはずもなかった!憎い……お前も、お前の父親も、全員死んでしまえ!」耐え難い激痛の果てに、私は彰人が薬を盛られたあの日へと戻っていた。……彰人は苦しげにシャツの襟元をはだけさせ、鎖骨には細かな汗が滲んでいる。彼はうわ言のように私の名前を呼びながら、どこか狂気じみた眼差しで私を射抜いている。「……よくも、俺に薬なんて盛ったな」彰人は低く唸るように声を絞り出した。「出ていけ!」私は一瞬足を止めたが、迷うことなく外へ歩き出した。「……純菜、どこへ行くんだ?苦しいんだ……」前世でもそうだった。明らかに彼の方から私を押し倒したにもかかわらず、美々に不幸が訪れた途端、すべての責任を私に押し付けたのだ。私はドアのそばに身を寄せ、中から漏れ聞こえる抑えた喘ぎ声を聞きながら、美々が現れるのを待った。前世と同じように、美々はすぐにやって来た。彼女は私の姿を見ると一瞬呆然としたが、すぐに警戒の色を浮かべた。「何企んでるの?まさか、もう中に入ったんじゃないでしょうね?」私は首を振った。「彰人が中で待ってるわよ」彼女は疑わしげに私をまじまじと見た。「ドアの前に立ってるなんて、誰かに邪魔されたくないからでしょ?社内の誰もが、あなたが彰人に
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