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第10話 ​

Author: ももよう​
聡は、私の絡まった指を優しく包み込んだ。

「ファンも大切だけど、僕にとっては君の方がずっと大事なんだ。

もともと俳優になったのも、君のためだったから。それに、僕は世界中の人々から祝われたいと思ってるんだ」

聡はポケットから上品な青いベルベットの箱を取り出した。箱を握る彼の指先が、微かに震えている。

中には、見事な大粒のピンクダイヤモンドの指輪が収められている。

「純菜、僕と結婚してくれないか?お父さんの期待のためでも、誰かから逃げたいっていう焦りからでもなく、ただ、僕という一人の男として見てほしいんだ」

迷ったりためらったりするだろうと思っていたが、実際にはそんなことはなかった。

私ははっきりと自覚している。目の前にいるこの人と、共に歩んでいきたいのだと。

「喜んで」

聡は一瞬、呆然とした。

それから、震える手で何度もやり直しながら、ようやく私の指に指輪を嵌めてくれた。

「この台詞を、このシーンを、心の中で20年近く練習し続けてきたんだ」

……

ホテルに戻った途端、スマホの通知が鳴り止まなくなった。

父からのメッセージだ。

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    聡は、私の絡まった指を優しく包み込んだ。​「ファンも大切だけど、僕にとっては君の方がずっと大事なんだ。​もともと俳優になったのも、君のためだったから。それに、僕は世界中の人々から祝われたいと思ってるんだ」​聡はポケットから上品な青いベルベットの箱を取り出した。箱を握る彼の指先が、微かに震えている。​中には、見事な大粒のピンクダイヤモンドの指輪が収められている。​「純菜、僕と結婚してくれないか?お父さんの期待のためでも、誰かから逃げたいっていう焦りからでもなく、ただ、僕という一人の男として見てほしいんだ」​迷ったりためらったりするだろうと思っていたが、実際にはそんなことはなかった。​私ははっきりと自覚している。目の前にいるこの人と、共に歩んでいきたいのだと。​「喜んで」​聡は一瞬、呆然とした。​それから、震える手で何度もやり直しながら、ようやく私の指に指輪を嵌めてくれた。​「この台詞を、このシーンを、心の中で20年近く練習し続けてきたんだ」​……​ホテルに戻った途端、スマホの通知が鳴り止まなくなった。​父からのメッセージだ。​【純菜、トレンド入りしてるぞ】​SNSを開くと、トレンドにはすべて私に関わるハッシュタグが並んでいる。​#トップ俳優、謎の美女とミラノに​#舟尾聡、交際宣言か​クリックすると、先ほどの集合写真や、誰かが撮影した私と聡の後ろ姿の写真が表示された。​コメント欄は完全に炎上状態だ。​【これ誰?どの女優さん?】​【うわぁぁ、聡さまに彼女が……胸が痛いけれど、すごくお似合いに見える】​【どうせ売名行為でしょ】​【この女は運が良すぎる。一体誰だ?】​【じゃあ、私の推しはどうなるの?二人はこっそり付き合ってたんじゃないの?】​【デタラメ言わないで。聡は一度も認めたことなんてないわ。ずっと独身だって言い続けてたもの!】​すぐにゴシップサイトでこのような記事が掲載された。​【舟尾の相手、とあるライブ配信サイトで活躍する女性ライバー。泥酔の末、一夜を共にした】​私は呆れて、言葉も出ない。​この記事の作者の想像力には感心するばかりだ。​そこへ、さらに新しい内容がトレンドに舞い込んだ。​聡本人の投稿だ。​【20年間ずっと追いかけ続けてきた、

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